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人生初のコミティアは楽しいどころの騒ぎじゃなかった

ちょっともうね。書きたいことがいっぱいあって、読んでくれる人にできるだけわかりやすく、何があったかを説明したいんだけど、どこからどう書いていいのかわからない。わからないまま書きます。よろしく。

漫画を描いている私にとって、いちばん大きな収穫は「出張編集部」でした。それについてはあとで書く。

まずね。驚いたのは、当日会場にnoteの仲間が6人も来てくれたことです。そのうち5人が片付けまでつきあってくれて、夕方みんなで打ち上げしたんですよ。

私ね、自分ひとりで勝手にコミティア申し込んでね、ひとりで京都行って店広げて帰ってくるつもりだったの。トイレ行きたいときどうしようかなってnoteでぽろっと言ったら、「店番しに行く!」って手を挙げてくれた人が3人もいましてね。

「え〜、いいよいいよ。大丈夫だから」って返事したのに、最終的にその人数が5人に増えて、全員マジで会場に現れました。岐阜、東京、神奈川、徳島、大阪からわざわざ足を運んでくれて。

いや、私ただコミティアで自分の漫画同人誌並べるだけやで?

正気ですか?


いざコミティアが始まったら、Xで相互フォローしてる方が速攻で私の前にやって来て、「ヒトヤスください。これお土産」って、あんこ入りの食パンをまるまる一斤くださった。「ちょっとこのあと用事あるんで」とその人が立ち去ったあとすぐに現れたnote仲間に、「僕いちばん乗り?」と嬉しそうな顔で聞かれ、「残念、二番乗り!」と答えていたら、店番を名乗り出ていた人たちが続々4人現れ、

「やっほー」「来たよー」「すごい人やわ」「サラさん、いまやったら出張編集部空いてるで」

もう何が何だかわからなくなり、いきなり店番を任せて編集部へ行くことになりました。

私がいない間に、店番やる人と会場をまわるチームに分かれ、随時交代していたらしく、小一時間ほど経って私が帰ってきたらみんな頬が紅潮してる。

「やばい。コミティアめっちゃ楽しい!」
「あっちでいい本見つけたのよー」
「あ、それ私も欲しい」
「あとで一緒に行こ」

と、各自が戦利品を自慢し合う中、私の漫画も売ってくれていて、

「Xで見てるって人が来てね、サラさんに会わせたかったわ〜」
「通りすがりのおじさん、ヒトヤス買ってくれたよ!」
「あ、どうぞ、お手に取って見てくださいね〜」

何が何だかわからなくなり、とりあえず落ち着くために一脚しかない椅子に座って、さっき編集者から言われたことを頭の中で整理していると、

「遅くなりました〜!」

はるばる岐阜からやって来た人に日本酒をいただき、あれこれ話していると二巡めから帰ってきたみんなも合流。

「わー、やっと会えた〜!」
「ねえ、この資料集すごくない?」
「このスペースだけ異様に人が多いわ」

「サラさん、ほかの編集部もう行かないの?」
「いや、あと1箇所ぐらい行こうかなとは」
「行っといで!」

あたふたと店番を任せて2回めの出陣。編集者のアドバイスをいただいたあと、ふと思い出して初めてのトイレに行き、約束していたほかのスペースに立ち寄って戻ってみたら、閉場まで残り30分。

「そろそろ片付けようかな」

と私が言うが早いか、その場にいた5人の手が一斉に伸びてきて、あっという間に撤収完了。最後まで残っていた二番乗りの人も連れ立って6人で打ち上げへとなだれ込み、

「いや〜、楽しかった!」
「サラさんのおかげ」
「ありがとうね」
「かんぱーい!」

何が何やらよくわからないまま、ビール2杯とチューハイ1杯飲みました。

京都駅で手を振り合って、それぞれの帰途へ。

同人誌は全部で30冊売れてました。

コミティアって、こんな感じだっけ?


一日が怒涛のように過ぎました。脳みそが10%ぐらい腫れてたと思う。家に帰ってお風呂に入って泥のように眠りました。

なつかしい友だちも来てくれて久しぶりにゆっくり話せたし、たくさんの人からいろんな差し入れいただいたし、700あるスペースのうちじっくり見たのは7ぐらいだけど、集まったみんながそれぞれに楽しめてよかったです。

同世代もたくさん見かけて、創作に年齢は関係ないんだなとあらためて実感しました。あと、私がいないときのほうが売れていたので、自分は売り子に向いてないことがよくわかりました。

ていうかさ、通りすがりの人に、自分の同人誌を「どうぞご覧くださいね」って言うの、めっちゃ恥ずかしいねん。これがほかの書き手も参加してる合同誌とか、誰かの同人誌ならはりきって売るわよ。そういうのわりと得意よ。

自分の本はムリ。ずっとうつむいてました。ひとり参加だったら全然売れてなかったと思う。そういう意味でも、店番してくれた人には心から感謝します。

会場に来てくれたみなさん、どうもありがとう!!!


ここに6人はさすがに多いな


最後に、出張編集部ね。

行ってよかったマジで。

申請用紙にどんなアドバイスが欲しいかを書く欄があって、私ははっきりと「商業で描くために足りない点を教えてほしい」と記入し、今回作った同人誌を読んでもらったのですが、2社に共通して言われたことを箇条書きにするとこんな感じです。

・ストーリーはよくできており、話に引き込まれる。
・言葉選びもよい。
・内容が落ち着きすぎていて、キャッチさが少ない。
・読者を選ぶタイプの漫画で、期待できる層が薄い。

自分の作風に合う出版社(媒体)をしぼり、そこに合わせた漫画を描くことを勧められました。参考にするといい作品を具体的にいくつか教えていただいたのですが、読んでみたらどれも私の作風に近いものがあり、私の漫画をたった10分ほど読んだだけでそういうサジェスチョンがすぐさまできる編集者の目にシビれました。

たった10分と書いたけど、10分間黙って読んでくれるんですよ。私の目の前で。心臓バクバクですよ。ページを返したり、逆から読んだり、パラパラとめくっていた手を急に止めて読み込んだりと、なんか「プロが読んでる!」感が伝わってきました。

2社めの人は、私の漫画を読み終えたあと、体感にして5分ぐらい腕組みしたまま「うんうん」「う〜ん」「うんうん」と言ってて、このあと一体何を言われるのかちょっと怖かったんですが、「経験を重ねていないとわかりえないような気づきやハッとする表現があって」と話し始めたので、たぶん普段はつきあいのない、はっきり言って高齢な漫画家志望者に対する言葉選びに苦心していたのではないかと思われます。

私も2社めだったので1社めよりは少し余裕があったため、こちらのほうからざっくばらんに質問を投げかけたりしてみたのですが、それで大丈夫そうだと思ったのか、アームはいいけどヒトヤスは個人的にあまり好きじゃないとか言い出したので、あの顔は一生忘れずにいてやろうと思います。

画力やコマ割りの仕方、ページ構成などについてはまったく何も言われなかったので、基本的なことはクリアできているのかなと勝手にいいほうに捉えています。順番待ちをしているときに、「セリフが多すぎる」とか「主人公にもっとスポットを」とか言われている声が聞こえていたので、私もそういう指摘を受けるのかと思ってたけど。

いやほんと、プロからの忌憚なきアドバイスはとてもためになりました。自分の漫画に足りないところがよくわかったし、どこを目指せばいいのかもなんとなく見えてきた。いろいろ試してみます。燃えるぜ。

あまりいろいろ書きすぎると、私の漫画の欠点が浮き彫りになってしまい、28日から始める通販の売れ行きに多大なる影響を及ぼしそうなので、このへんでやめておきます。


読者を選ぶタイプってことはさ、みなさんは「選ばれし読者」なのですよ。

おめでとう!

通販よろしく!!

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