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裏路地と夜光の共存

衣替えのタイミングを逃し、夏服の重ね着で暖を取りつつ、詩を作る日々。今回は詩を6編お送りいたします。ちょっと夏っぽいものが多いかも。申し訳ございませんm(__)mまだ夏服なもので…

5編は言葉の添え木様のお題、1編はオリジナルお題となっております。言葉の添え木様、いつも本当にありがとうございます!作品を読んでくださっている方々、Twitterやnoteなどで仲良くさせていただいている方々にも、感謝申し上げます。ありがとうオリゴ糖…!



共存

共存、意味、で検索すれば

トカゲとペンギンとゾウとクリオネ

時々、いつも

重なる鼓動らしく


電子で言葉を繋ぐヒトも

夏祭りのお囃子に耳をふさぐヒトも

ぽつり、ぽつりと共存中らしく



夜光

もうすぐ夕ごはん

真っ黒の画用紙に

夜光シールの北斗七星

夜光貝の月

あの日、幼い夢の前菜


もうすぐご褒美ラーメン

窓の外には北斗七星

地球の夜光は遥か遠くに

今は、夢のメインディッシュ



裏路地

懐かしい裏路地のどこかに

置き忘れてきた何か

あれ、これ、なにか

歩けど歩けど

何かを落とすばかり


ネオンサインのワニが

呼びかけてきて

オネイサン、オネイサン


裏路地の柔らかい匂いは

瞬間、遠のく

覚醒した秋の真夜中



Water moon

みぞおち

くらげ

色々に姿を変える

Water moon

実体の無い物語

現実の隙間を縫って

未来の果てへ走りぬける

Water moon

そんな何かになりたくて



K

こんにちは

最初にこぼれるKの音

薄い曇が

夏の太陽を間接照明にする

涼しいお昼時


こんにちは

最初の歌詞はKの音

優しいカリンバのメロディ

添え木を手に

すれ違って

こんにちはの合唱を

いち、にー、K



伴星ばんせい(オリジナルお題)

元々2つは1つで、明るくも暗くもないのだけど

2つ星が連なれば、明度で区切られ

明るい星は暗い星を伴う


薄暗い伴星の煌めき

誰にも知られない煌めき

氾濫する言葉の輪郭線に

隠されてしまう煌めき

伴星そのもににさえ

信じてもらえない煌めき


元々2つは1つで、明るくも暗くもないのだった

いつだって、宇宙で煌めいているのだった

差異はただの形容詞で

さいは投げ直していい

何度だって


巨大な影の寒さに耐える時

ふと思い出せれば

もう大丈夫

君の伴星は

明るくも暗くもなく

ただ煌めき始めている




お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。