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Set up!

セットアップというと、上下セットのおしゃれ着を思い浮かべる。楽だけど、パジャマに見えないよう、気を付けないといけないやつだ。
が、私はそれより先に、仮面ライダーエックスの主題歌が浮かぶ日々を過ごしていた。セットアップではなく、セタップ! 彼の変身は、顔の右半分、左半分と変わっていき、最後に口元のパーツをカチャっとセットする。返信の合言葉はセタップ! あの物体は、どこから飛んでくるのだろうか?

そんなセタップライダーこと、仮面ライダーエックスの東京MXテレビの再放送が、ついに最終回を迎えた。主人公、神啓介は大学生。最初はボリューム多めの前髪をさらりと流して繊細な感じだったが、途中からかなり強めのパーマをかけて、だいぶヒーローらしくなった。

アポロガイストが去ってからのボスはキングダーク。いつも頬杖をついて、横になっている。顔しか映らない。牛久大仏さんくらい? あまりの大きさに、主人公たちとキングダークが昔のテレビ画面のサイズで一緒におさまらないのだ。その分、画面いっぱいの大きな目でにらまれると怖い。
ラスト何回かでキングダークが立ち上がって歩く姿を見せた。対するエックスはたぶんソフビ人形をそのまま使用?
  
悪の組織にとらわれた博士が、残された時間があとわずかとわかってから、大切な設計図をバラバラにする。それを郵便で信頼のできる友にそれぞれ送る。コピー機やスマホがない時代とはいえ、ポストにそのまま投函していいのだろうか? せめて書留にしたほうがよいかと。でも日本の郵便は優秀だった。最終章は、無事に届いた手紙を回収する物語となる。

私はネタばれしないように、あらすじなどの情報をシャットアウトしてみていたが、設計図のかけらが集まるにつれて、終わりが近づいているのがわかった。
立ち上がった涅槃像と一寸法師、自分が監督ならいったいどう戦わせる? しかも当時の撮影技術で…… 
絵本『じごくのそうべえ』方式? もしくは、大きくなる薬を開発したらどうだろう? と悩んだり、楽しんだりした。
最終回では、むかし話のような展開になるが、やはり仮面ライダーらしい結末へと向かう。

エックスは、手足が細く長い。助けに来たV3と並ぶと華奢で弱弱しく見える。でも二人が協力して戦っていると、装備が身軽なぶん、キックの時にV3よりも足が高く上がる。空手でいうと、型が得意なのかもしれない。エックスならば、セットアップもうまく着こなせるだろう。

謎の女・霧子とその妹が出てくるミステリー風の前半と、チコマコが出てくるドタバタの後半とでは、軸が大きく変わり、制作スタッフがいろいろ試行錯誤したのだなと推測できる。
大人気だったV3の後で、やりにくかったはずだ。
でも、羽田空港に海外からのお客が降り立つ様子、観光地の様子、昭和の車やバイク、若者のファッションなど、今回も昭和の空気が詰まった瓶を開けたように楽しかった。

さらば、セタップ!  
次はアマゾン! どんな話だろう。



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