幸せに生き抜く
伯父は整体師。実家へ来た際に、腰痛と足のしびれに悩まされている祖母の身体を治療した。
そして今日。
祖母は朝から上機嫌。
体調不良の私のためにおかゆを作ってくれ、家の前を通った近所の人と大きな声で立ち話。
足がしびれて歩きにくく、転ばないようにと用心しながら過ごす日々よりずっと明るい。
上機嫌すぎて気味が悪いくらいだ。
身体の調子がいいなんて当たり前のことだと思っていたが、心まで明るくしてくれるなんて。
祖父は人一倍健康に気を使って生きてきた。
無農薬野菜を育て、お菓子やジュースは一切口にしない。
お酒はやめた。タバコは吸わない。
そんな祖父は、膝に痛みが出てきて歩くのが苦痛になってきたころから自宅で過ごすようになった。
足が痛いから歩きたくない、上手く歩けない自分を人様に見られるのが嫌だ
そんな体の不調と見栄っ張りなところがある祖父は、だんだん外へでなくなった。
するとずっと元気だった祖父が急に老け込んだ。
一年ぶりに老人ホームで会った祖父は、玉手箱を開けた浦島太郎だった。
あまりにショックすぎて口を開けば泣きじゃくってしまいそうで、私はぎゅっと唇をかみしめたままだった。
身体が自由に動くこと
若いうちは治療なり鍛えるなりすれば怪我した部分は元通りになる。しかし年をとると一生治らない痛みやその他不調と付き合っていかなくてはいけない。
運動やリハビリが必要と分かっていても、それ自体が苦痛になるときだってある。
身体の健康は心の健康。
食事が適当でも楽しく長生きしている人
健康な食事をしていてもひょんなことから寝たきりになる人
幸せに生き抜くために必要なことってなんだろう
食事?社交性?運動?
人生の先輩である家族の生き方から、自分の生き方を考えてみる、そんな時間を持つのも実家暮らしならではなのかもしれない。
頂いたお礼は知識と経験を得て世界を知るために使わせていただきます。