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私が知らない、あなたのこと - 私たちはおとなになった



高校のころ、同じクラス、同じ部活動をしていた子がいた。
彼女は地元の大学へ、私は海外へ行ったのでそれっきり会っていない。

いろいろな偶然が重なり、久しぶりに彼女と連絡をとった。
就職して忙しい毎日を送っているそう。


ある人から、彼女の恋愛事情についてちらっと聞いた。
それは私たちが高校を卒業した後のできごとだったので、私にとって初耳だった。


恋愛して、パートナーがいるんだ。
素敵な人に出会えたみたいでよかった。

嬉しいと同時に、少し彼女が遠くなったような気がした。


私の知らない、彼女のこと。

知らないことがどんどん増えていくにつれ、私の知っている彼女じゃなくなっていくような感じがする。

私が見てきた、私が知っていることのほうが圧倒的に少ないのに。



彼女に対して私が寂しいと感じるように、また誰かも私のことを思ってくれるのだろうか。
中学校や高校の知り合いは卒業後の私の生活、体験を聞いてどんな反応をするだろう。
イメージとは正反対かもしれない。


それも、全部わたしだ。私の生きてきた道だ。


人生において、出会い、共に過ごし、離れて、また出会う。

私たちは大人になったんだ。
また出会うときに、高校生に戻って無邪気に語り合おう。


頂いたお礼は知識と経験を得て世界を知るために使わせていただきます。