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健康寿命について

精神科医の和田秀樹先生の著書『80歳の壁』の要約動画を見た。

男性は9年、女性は12年寝たきりや要介護状態になり、誰かの助けを借りて生きていると言う。

健康寿命が男性72歳、女性75歳でその後平均寿命まで生きると81歳、87歳で死ぬらしい。

私の母の場合、70歳過ぎから家事をひとりでするのが大変になり始めた。料理は得意だが、掃除や洗濯より庭や畑を見て回るのが好きで、鍋をかけたままネギを取りに行き、他のことに目が移り畑で長居をして鍋を焦がした。

71歳で兄が亡くなってからは、母に家事を任せられないと思い、私が全部やろうとした。しかし、何もしないでいたらボケると言い、できることはやりたいと言ってくれたので、買物と料理は半々で掃除洗濯家計管理は私メインで分担するようにした。

ただ、献立を考えるのは嫌いなようで、今日は何食べると聞かれる。ポテトサラダと言うと、せっせとジャガイモをゆでて全部作ってくれる。工程の多い料理でも面倒がらず、できる忍耐力はありがたい。

私は仕事をしながら家事をして、仲の悪い老親の間を取り持つことができない。一度知人の紹介で仕事を始めたが、三カ月目に母が骨折をしてしまい、私はパニック障害のような症状になり眠れず、不安で仕事ができず、やめたことがある。それ以来、母は私の健康を気遣って無理するなと言うようになた。収入のない私に、自分の年金から毎月2万円をくれる。家事をやってくれる感謝の気持ちらしい。

父はいつまでも母を召使のように使いたい。カブやショウガを畑から取ってきては、漬物にしてくれと言う。母は自分で食べる分は作っても、父の分までやりたくない。そこを父は理解できず、何度も同じことを繰り返してはケンカになる。学習能力がない。嫌がることは、しなければいいのに女心が分からない。

要は、年を取ると人の面倒まで見られない。自分のことで精一杯。だから母は自分のことしかしない。父は、ずっとやってもらいたいと思っているが、やってあげるのが親切ではないので、洗濯物も洗って取り込むだけで部屋に置いて、自分でたたんでしまってもらっている。

3日同じ服を着続けたら、今日はこれを着てと言っていたこともあったが、今は何も言わない。今年の冬に、厚手の茶色い下着の上にダウンベストを着ていた。長袖のシャツかセーターを着ないとおかしいよと教えても、これでいいんだと言い張った。ももひきで自転車に乗ることもある。他人が見たら笑うと思うが、父は自分が正しいと思っているので何を言ってもムダ。

両親ともに、私の助けが必要な年齢なのだ。ただ聞く耳を持たない父には余計なことは言わず、知らんぷりすることにした。熱中症になるから午後は畑に出るなと言っても、聞かない。危機管理能力がない人は、どうなってもしょうがない。

寝たきりや要介護でなくとも、高齢夫婦だけで助け合って暮らすのは大変だと思う。息子がいても何も手伝わない親子関係の悪い話も聞く。

この健康寿命という概念を多くの人に知ってもらいたい。個人差はあるが70代からは助けが必要という認識を持つことで、外見は元気でも老化はすすんでいると気付くであろう。それとプライドが高い年寄は、本音を言わない。大丈夫と言って、コソコソ困ってモタモタしてる姿を見る。時間がかかっても自分でやりたいなら、手を出さない。助けてと言われたら、手伝えばいいのではないかと思うようになった。