筆2

君に光ったもの

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今私は引っ越しの準備をしている。
少し遠方の引っ越しになるため、物が多ければ金額も高くなる。

机について考えていた。
今住んでいる部屋に越してきてから買い揃えたパソコンデスクは、絵を描く作業だけでなく絵の具や画用紙をひろげて使えるよう4人がけのダイニングデーブルを使っている。

足と天板がバラバラの状態で届き、組み立ててみたらかなり大きかった。
部屋の中で組み立ててから、この机は解体しないとドアに引っかかってしまうことが分かった。
運ぶのが少し厄介だ。

今日友だちに引っ越しの話をしていて、ふいにこんなことを言われた。
「引っ越し代高くなるならさ、机はリサイクルショップに売ってまた新しいものを買った方がお得じゃない?」

ああ、そうか、ありがとう。ってその場で私は言って、その後ずっと考えている。
環境問題を気にするとしたら、果たして私はどの選択をすればよいのだろう。
もし私の当初の計画通り机を遠方に運んだとして、その運送に費やすガソリンはどれだけの影響を与えるか。
友だちの言うように、リサイクルショップに売ってまた新たに購入する、その資源はどこかの国の山を痛めつけてはいないか。
または、売ったはずの机が売り物にならず、結局捨てられてゴミを増やすことにならないか。

最近はリサイクルショップや、フリマアプリとやらを使って不用品を売り買いできる機会は増えているポジティブな印象が与えられているように感じる。

しかし、売って、また中古品を買う人よりも、新しいものに魅力を感じる人が多いのではないか。
安い大量消費型の家具屋が売り上げをキープしている背景にはこの心理があると思う。

私は悩んだあげく結局ガソリンを無駄遣いする方を選ぶ。
でもそれは本当に、どちらかといえば良い選択だったのかは分からない。

大型の家具屋を見ると安いあの家具たちが生まれては捨てられていく(中古品に回ったとしてもあふれていって)様を想像して、心がついていかなくなる。

私一人で立ち向かっていけないことが大変悲しい。
意思表示だけはしておこう。

私は私によって使い古されたものが輝いて見える。
そう言うものは多くなくていい。寄り添って最後まで一緒に旅をして生きたいと思う。

サポン!で世の中を変えることは難しそうです。しかしやってみる価値にかけてみたいと思います。