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がんばれ藍住さん22「第二回四麻魂天何切る」

 第一回(四麻)はこちら。「ウマぶり問題をたくさん用意してきた」と言われていますが、私が出題した問題に比べると素直で解きやすいものが多かったです。四麻はまだ魂天になれてない私は今回は単なる視聴者でしたが、こちらで私の解答、考え方を記すことにしましょう。

問1 

打6p 2mがドラ表示牌だとしても、索子3445を含むくっつき一向聴の時点で6pより2mを残しても和了率があまり低下しないこと。立直ドラ2悪形と立直平和ドラ1の局収支差より、立直平和ドラ1と立直平和ドラ2の局収支差の方が大きいことから打6pとします。

 ○巡目の横にドラが表示されていた方が認知しやすかったですね。藍住さんの口振りから、その位置に牌画を入れ込むことが難しかったのかもしれませんが、その場合はテキストでドラ二萬と書けばよいことです。

問2

打7p 確かにドラ2s重なりよりはツモ6pからのタンピン三色が最高目ですが、678三色になるのは、あらゆる有効牌より先に6pをツモって一向聴になることが必要。一方ドラ2sは、あらゆる有効牌のいずれをツモって一向聴になってもまだ重なりの可能性を残せます。もちろん一向聴になる牌の枚数では大差がつきますが、1巡目なら78pを落とした二向聴ですら並の一向聴より和了率が高いまでありそうで、そこまで高いと更に受け入れを増やしても和了率はあまり上昇しません。

 しかしながらこの手のドラ絡みの問題は客観的な説明を加えるのが難しい。第一回でドラを全て西にしてドラ絡みの問題を一問も出題しなかったのはこの為です。

問3

打3s 七対子二向聴。門子手三向聴につき七対子本線。対子の重なりやすさに有意差がつかないうちは789三色目を残すに越したことはないです。

問4

打6p こちらは七対子門子手ともに二向聴。門子手で良形聴牌にするためには非良形から二門子作る必要があるので七対子を残します。(逆に言えば一門子完成で良形聴牌が確定し、七対子維持のために良形を崩す必要がある場合は門子手に絞る)

 想定解はドラ6mなのもあり断么九変化もみて七対子二向聴に絞る(門子手三向聴)打9mでしたが、打6pなら一手変化789三色もあります。

問5

打5p 共通の受け入れツモ14sで平和高目一盃口の聴牌に取れる方がよいので一向聴維持。平和234三色への変化が多い打5pとします。

問6

打2p 12234pは雀頭を作りやすい形とはいえ、それでも聴牌取らずで一向聴に受けるのであれば、唯一の雀頭を崩すより搭子を落とした方が良形聴牌になる牌が多くなる。一般論として押さえておきたいところです。

 もう一つ押さえておきたいのは、一般的な悪形立直(0枚切れ無筋カンチャン3)と良形受け7種(1種4枚)一向聴と同程度ということ。今回は打2pとしても良形受け5~6種というところですが、打3s立直は自分で3pを1枚使っているので、0枚切れ無筋カンチャン3の和了率が43%程度あるとすると34%程度にまで下がります。良形5種程度の一向聴でも和了率は35%ほどあるので、平和の打点込みで即リーチより聴牌外しが勝ると言えます。

 一向聴別和了率は「とりあえず麻雀研究始めました」記事内のシミュレートを参照。「自分で1枚使っている無筋カンチャン」の和了率については、『統計学のマージャン戦術』の枚数別和了率を参考に、「残り3枚でも残り4枚のカンチャンと和了時ツモ和了割合が同じ」と仮定して和了率を概算してみました。

問7

打2s 打3pとの比較は共通の受け入れで3メンチャンが残らないツモ8p7s(打2sとした時は打2sで3sを雀頭とする)時に、12233sが通常リャンメンより雀頭が作りにくい(前者は23sの4枚で後者は6枚)ため和了率で打2sが勝り、高目一盃口よりタンヤオ確定の方が打点でも勝る。打3sとして雀頭を2sとした方が裏ドラは乗りやすいが、その程度の差なら河の強さを優先。

 23sポンでも手が進むことから想定解は打3pでしたが、23sポンから入るよりリャンメンをツモるか鳴くことの方が多く、その場合は打2s有利。私がしきりに「個別の受け入れより先に共通の受け入れを比較」と申しているのは、人はどうしても個別の受け入れの方が先に目が行ってしまう為でもあります。

問8

打9p リャンメン受け1種の9pより、重なれば東白ドラドラの満貫に届く白重なりの方が強い。

問9

打1m 1345の形の評価は現麻でも取り上げましたが、浮き牌を評価する時は前提条件を特に押さえておきたいものです。部分より先に全体を把握しましょう。

問10

打1m

 カンチャンがリャンメンになっても和了率2倍にまではならないので(出和了率に差がつかないとして序盤1.4倍中盤1.5倍終盤1.6倍)、打点が2倍(リーチ平和がリーチ三色になるとおよそ2倍)になるならカンチャン有利。麻雀の確率期待値を押さえているかがポイントでしたが打6pが多数派。昨今では「学びやすい戦術講座こそ増えたが、根本的な確率期待値の話がなされることが少なくなった。」ことを改めて実感させられました。一姫現麻をよろしくお願いします。

問11

打5p 出和了率でも差がつくので問10以上にカンチャン固定有利。

問12

打8p 役牌対子を含む四向聴なら平均的配牌と比べて和了率でさほど劣らず、鳴いてもダブ東役牌チャンタで満貫に届くので打点では勝るため九種九牌で流さず。鳴くことが多いため国士無双になる可能性は低いが、門子手に絞っても和了率は大差ないので門子手七対子国士全て四向聴になるように受ける。

 和了に遠い(特にメンツの数が少ない)ほど、役がついて鳴きがきくかどうかで和了率が大きく変わります。国士無双絡みの何切るは実例が少ないですが、和了までの距離(向聴数)を軸に考えることはどんな手牌であっても同じことです。

問13

打6p 七対子門子手ともに二向聴。非良形から一門子完成で良形聴牌が確定する一方、七対子を維持するには良形を崩す必要があるので、門前和了率では門子手に絞る打9sが勝る。但し今回は副露だけで聴牌する清一色三向聴でもあり、清一色ならドラ7mを落としても門前で立直を目指すより打点で勝ることから打6pとする。

 ドラ7mなのもあり想定解は七対子を見切るものとは思いましたが、3巡目なら将来ドラを切り飛ばす失点リスクも低いのでこうしたいです。

問14

打1m 萬子で門子が完成した時に手広く。打7mなら筋カン2m待ちが残る場合もあるが、打7mから5mを聴牌まで引っ張れば筋カン2mは想定されやすく、逆に打1mから聴牌まで7mを引っ張っても筋カン4mは想定されにくい。ツモ8mもあるので打1m。

 ドラ無しならツモ89mの純全帯么九変化までみて打5mが有力かもしれません。

問15

打1p 打1pツモ2pのくっつき一向聴も序盤かつ中で1飜つく打点的利点が大きいので打2sが有力。この一向聴が打中ツモ2p打2sに比べても劣らないとみて中重なりを残す。

確かに門子の数が多く和了に近いと、役牌ポンに頼らずとも門前で立直が打てることが多く、くっつきで手が進む数牌を残すことが増えるのですが、その中でも更に和了に近いと、今度は数牌くっつきを減らしたところで大体門前聴牌に持ち込めるので、手を狭めても役牌重なりの打点をみる選択が有力になります。

 分岐点がどの辺りにあるかは何とも言えませんが、私としては今回の手牌は「皇帝に近い貴族の配牌」に見受けました。東家の立直中ドラ1が7700ではなく9600になるのも評価点です。

問16

打2p くっつき一向聴。9sはツモ69sで一盃口つきでリャンメン以上の待ちになるので通常の3~7数牌くっつきより強い。1種3メンチャンよりは2種リャンメンとみて3mよりは2pを切る。

 99m8889sだと通常の端牌以下な9sが、99m7778889sだと非常に強くなるのが面白いところ。しかも将来安牌になりやすいのも利点。このような「見る目を養わなければ見落としがちな牌の価値」に気付けるようになりたいものです。

問17

打9s ツモ5mでもタンヤオ打点を理由に聴牌に取らないので、待ちとして比較的強いカン8sより変化が豊富なペンカンチャン12234pを残す。

 搭子落としの比較と聞くとどうしても搭子同士にばかり着目しがちですが、部分よりまず手牌全体に着目することが重要であることがよく分かります。

問18

打3s 二向聴から4連形を落とすケースはあまりありませんが、今回は456三色と白対子があるため、非良形のメンツ候補が実質良形で4連形からリャンメン変化を残す利点が薄いため一向聴になる受け入れを最大にします。

問19

打6s

 他色リャンメンを落としてまでホンイツを狙うのを過激と表現されている方が居ますが、赤無しルールのオンライン麻雀が珍しくなかった頃から実力者の何切るコミュニティを拝見していた身としては至って穏健と感じます。雀魂は赤有りとはいえ祝儀がつくわけでもありませんし、役牌対子が無い場合は一飜縛りを解消する手段にもなりますので、一色手狙いが有効なケースは案外多いものです。

問20

打東 4飜も5飜も実質打点が変わらないのがポイント。但し類似の手牌で6飜になるようなケースも少なからずあるのでその場合は客風から切りましょう。

 参加者の皆様お疲れ様でした。次回の三麻何切るは勿論、四麻についても今度こそ魂天になって参加したいものです。それではまた。

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