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がんばれ藍住さん⑫

 先週はこちらのコラボ配信に参加。対局内容を振り返って参りましょう。

 

①何を切りますか?
②藍住さんは何を切ったでしょうか?

①打4p
②打白

 ミスである理由とミスをしてしまう原因については以前取り上げた通り。言語によって麻雀を解説することの難しさを改めて知らされます。

 「言語の限界」についてはこちらで解説されている通りですが、私自身は約20年程前に優秀な麻雀戦術記事に出会い、実力が急速に向上する経験をしました。だからこそ言語化こそ至高の麻雀上達法であると信じ、「現代麻雀技術論」を書くまでに至ったのです。

 幼少期に読み書きを経験しなかった人が、成人してから言葉を覚えて、「初めて夕焼けの美しさを知った」と語ったエピソードがあります。言語は感覚ほど豊かではないと言いますが、説明するための言語すら持ち合わせていない段階では、言語こそが感覚を豊かにし、認識可能な事象を広げてくれるのです。

 私が当時優秀な麻雀記事に出会い、「言語によって感覚が豊かになり、認識可能な事象が広がることで強くなることが出来た」のも、今思えば同じことでした。それまでの私は麻雀というゲームは好きでも、麻雀に関して何ら語ったことがなく、そもそも語るための言葉を持ち合わせていなかったのです。

 逆に言えば、今の時代に麻雀を学ばれている方は言語を巧みに使えるからこそ、言語にこだわるあまり徒に認識可能な領域を狭めてしまい、かえって実力が伸び悩んでいるのではないでしょうか。もちろん言語化によって上達する人もいますが、そうした人達はとっくに強くなっているので、そうなってない人にとっては言語化が障壁になってしまっている。しかも麻雀を指導する側は言葉によって伝達するより他ないので、ますます言語への囚われを避けずにはいられません。

 だからこそ立て分けがやりたいんですね。夕焼けの美しさを知るために必要な言葉と、そうでない言葉の立て分けを。

 藍住さんはカンが大好き。「カンは義務」とばかりに4mを大ミンカン。

 嶺上牌は何と北!世にも珍しい三槓子です!

 打西とすれば聴牌。3pロンと3pツモ。それぞれ何点になりますでしょうか?点数計算についてはこちらもご覧ください。

 役有り聴牌に気付いてなかったのかと思いきや、配信では三槓子に言及されているので、聴牌に取らなかった理由は「高くて綺麗な手に仕上げたかった」為。確かに西が重なれば倍満ですが今回はオーラス。倍満でも上家から直撃しない限り2着(そしてそのようなことは上家が勝つつもりで打っている限りは有り得ない)止まりなことに変わりません。

 藍住さんは麻雀は好きでもギャンブルは苦手。私もそうなのですが、ギャンブルが苦手な人であっても、点数はいわばお金であり、麻雀は順位によって素点より遥かに大きいお金の移動が起こるという認識は持ち合わせておきたいですね。今回は友人戦なので順位点の割合が小さい(ウマ5-15オカなし。すなわち1位15000円2位5000円)ため「16000円」を追ってもさほど悪くないかもしれませんが、普段の段位戦は順位1つで50000円100000円の差がつきます。賞金付きのゲーム大会に参加するのであれば、誰しも真っ先に気になるのは賞金額や参加費。オンライン麻雀においてはそうした点数の話が数値で表されることが少なく、代わりに「ラス回避麻雀」という言葉が独り歩きしてますが、ほんの少し言語化を掘り進めるだけで認識可能な事象を増やせるのですから、既存の言葉に囚われるのはなおのこともったいないですね。

 聴牌に取っていれば私から和了。「配信映え意識で高い手を作りたくなる」とも聞きましたが、「三槓子のみ」なんて、下手な役満よりよっぽど配信映えするのではないでしょうか。配信映えを意識するためにも麻雀の知識や力量が必要ですから、勝つ麻雀も楽しい麻雀の根っこのところは変わらないんですねということをお伝えして、今回はお開きといたしましょう。

※有料部分は点数計算の解答解説

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