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がんばれ藍住さん⑱

 楽しみにしていた牌譜検討会。藍住さんには事前に牌譜を5つ提出していただきました。配信ではそのうち2つを検討したので、こちらで残りの検討を進めておきましょう。

 手変わりが豊富なのでリーチを打たない手ですが、「雀頭部分がメンツになると大きく打点が上がるダブ東」「搭子部分が雀頭を作りやすい12346」である影響で、打1sダマでも聴牌外しの打1pに比べ手変わり量があまり変わりません。そうなるとツモ5pで和了または打6pで高目一通フリテン369pリーチが打てる打1sダマに分がありそうです。

 安手カンチャン聴牌でドラの役牌を切るのは抵抗感がありますが、ドラを切らずに聴牌が遅れればそれだけ失点の可能性も高くなります。

 即リーチなら東家の8pを討ち取れていました。この12000放銃自体は不運ですが、こうした不運を減らすためにも、序巡で手変わりの少ないメンゼン聴牌はリーチしてしまった方がよいことが多いのですね。麻雀に限らず全ての選択にはリスクが付き物。目の前のリスクを避けても、それとはまた別のリスクを受ける必要があることは重々承知しておく必要があります。

 配信では234579を234と579に切り分けて考えていたので、ツモ3で233457のリャンメンカンチャンが出来ることに気付けなかったのではないかとお話しましたが、今回も似たような話。3445689を34と456と89に切り分けて考えていたので、9切りで344568のリャンメンカンチャンが出来ることに気付けなかったのでした。

 多メンチャン。一般化するなら、「3n+1形(単騎待ちを含む)」「3n+2形(単騎待ちを含まない)」の受け入れの見抜き方については、昔からあらゆる人があらゆる形で取り上げています。n=0の時の基本形(リャンメン、カンチャン、ペンチャン、シャンポン、単騎)がルール(符計算でリャンメン、シャンポン待ち=0符 カンチャン、ペンチャン、単騎=2符)で定義されているので、ルールの延長で誰しもが学ぶことになるからです。一方、リャンメンカンチャンのような、「3n+2+1形」についてはルールで定義されていません。私自身、麻雀を覚えて15年はリャンメンカンチャンの概念を知りませんでした。

 ところが「3n+2+1形」は他の形と異なり、聴牌以前の段階でも受け入れを見抜く必要があることが多い。多メンチャンの見抜き方より余程利用頻度が高く重要性の程度も高いのに、なかなか体系的に学べる機会が無いのですね。これは私自身の課題でもあります。

 配信でも似たようなミスがありましたが、「8sが東家の索子一色手に切りきれない」ところまでしか頭が回らず、打1pなら七対子一向聴に取れていたのを見落としてしまいました。

 「押し引き」という言葉も字面ばかりに囚われると、「押すにしても放銃リスクが少ない牌を切る」「引くにしても和了の可能性が残る牌を切る」という発想が疎かになりがち。「言葉は壁」。これから麻雀を新しく学ぶ人にはそうした言葉も必要ですが、既に学んでいる最中である我々は、言葉ではなく牌で語りましょう。

 配牌からいきなり役牌対子を落とすことは珍しいですが、メンツが完成した時に233sが残っていた方が聴牌しやすく、打点もタンヤオピンフがある方が上。「何切る」も字面に囚われると切る牌ばかりに目が向きがちですが、実際は一手先を見据えて正しく評価することこそが本質です。

 ラス前。狭い一向聴でここから押しても和了できることは少ないですが、振り込んでも降りて和了されても最終順位はほぼ2位。和了した時だけ1位が狙えるのですから打9sで押し。前々回でも申した通り、振っても降りても変わらないなら絶対に攻めましょう!


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