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増殖するG 〜タイミングの意図とその裏目〜【マスターデュエル】

遊戯王の話するぞ!!!
ということで増殖するGの使用タイミングについて、考えを整理する記事を書きます。
主に後攻0ターン目(自分が後攻の場合の相手の先攻1ターン目)を想定して話します。その他の場面は話題によっては触れます。
タイミングが正解かどうかは環境や状況によって変化するので一概には言えませんが、どのタイミングにどういう意図や裏目があるのかを整理しておくのは大事です。
対面によっては細かいテクニックもあるので知っている範囲で触れます。
マスターデュエルのつもりで書きます。

増殖するGの効果おさらい 

《増殖するG》
効果モンスター
星2/地属性/昆虫族/攻 500/守 200
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できず、相手ターンでも発動できる。①:このカードを手札から墓地へ送って発動できる。このターン、以下の効果を適用する。●相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に、自分はデッキから1枚ドローする。

ポイントは「墓地へ送って発動」のため《ディメンション・アトラクター》の墓地除外効果などが適用されていると発動できない点と、逆にそうでもなければいつでもフリーチェーンで発動できる点です。タイミングに完全な正解はないんですが、試合を振り返ってみると適切なタイミングがあったりします。
特殊召喚は回数でカウントされるので、1回で複数枚出てくる場合(ペンデュラム召喚、ヌメロン等)は1ドローになります。
《灰流うらら》、《墓穴の指名者》、《抹殺の指名者》、《PSYフレームギア・γ》、などのカードで無効化されるので、これに気をつけて使っていきたい。

そもそもなぜ増殖するGを使うのか

もちろんデュエルに勝つためです。でも細かい目的はもう少し分類できて、それによって使用タイミングの考え方も変わってくると思います。(デッキ構築の考え方も変わりますが、当記事では省略。)

相手の展開を止めるため

相手に好き放題先攻展開されると普通のやり方ではまず突破できなくなります。捲り札や手数、相手のミスなんかが噛み合わないとなかなか。
無限妨害系のカードが立つと捲り札を都合よく複数引きしていない限りは無理なんてことも……
なので、相手がこちらの大量ドローを嫌って展開を止めてくれるか妥協盤面でターンを渡してくれるのが望ましいです。
また、増Gのドロー中に新たな妨害となる手札誘発の妨害を引き込んで相手の展開を止められる場合もあります。妨害に弱いテーマはこれを嫌って止まってくれがち。
特に《原始生命態ニビル》なんかは頼りになったんですが、スプライトとティアラメンツのせいでめっきり見なくなりましたね……

まあでも状況や環境によっては気にせず展開されてしまうこともあります。いわゆる「Gツッパ」ってやつ。

返しのターンの勝ち筋を引き込むため

そもそもこちらが初動札を引けていなければ動けないので、まずは引き込む必要があり、ドローの重要性が上がります。
その上で捲り札や手数となるカードも引ければGツッパされても返しのターンで勝ちやすくなります。
相手が展開を止めるとドローができなくなってしまうので、どれくらいドローが必要なのかがキモとなります。
稀ですが、強力な1枚初動が引けていて返しで勝つ準備ができている、テーマの手数が少なくドローする意味が薄いなど、増Gではなくうらら等の妨害を通した方がいい状況もあるかもしれません。まあ普通はドローした方が強いので、以下では増Gを通したいものとしてタイミングの話をしていきます。

それではタイミングの話に移ります。
メリットとデメリットについて触れていきます。


【1ドロー確定】最初の特殊召喚効果にチェーンしてG

メリット:1ドロー以上確定。手札が減らない。わかりやすい。相手のデッキ情報を見てから撃てる。
デメリット:特になし。(諸々のケアをしていないと無効にされる可能性は上がる。)

増Gはただ撃つだけではこちらの手札が1枚減っているだけになります。せっかく何もせずターンを渡されてもこちらに初動がなくて動けないのであれば意味がありません。相手の特殊召喚する効果に合わせて増Gを投げれば、無効にされなければ少なくとも1ドローは確定します。
初動が不足していてドローが重要な場合におすすめです。デメリットもいちばん少ないので基本はコレでいいと思います。


【三戦の才ケア】スタンバイ即G

ドローフェイズかスタンバイフェイズに即撃つ。メリット:《三戦の才》をケアできる。相手が展開してくるつもりなら最大枚数ドローできる。
デメリット:ドロー不確定。後述のγケアができない。相手のデッキがわからない。相手がはじめから増G前提にプランを選べる。

三戦の才が流行っていてγが流行っていないなら。

《三戦の才》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:このターンの自分メインフェイズに相手がモンスターの効果を発動している場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。●自分はデッキから2枚ドローする。 ●相手フィールドのモンスター1体を選び、エンドフェイズまでコントロールを得る。 ●相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んでデッキに戻す。

メインフェイズにGを撃った場合には、相手が三戦を握っていると、2枚ドローから妨害を増やしたりピーピングハンデス効果でこちらの初動や捲り札を引っこ抜いたりしてきます。
特にピーピングハンデスは強力で、負けに直結することもあります。

自分が初動を引けていて、0ドローでターンを渡された際に返しのターンでワンキルないし制圧できる自信があるならば三戦をケアしておくのがおすすめです。

先攻で制圧した後の後攻で投げるGも、三戦の才をケアできない盤面ならスタンバイまでで即撃った方がいいです。


【γケア】モンスターが場に出るのを待ってからG

メリット:《PSYフレームギア・γ》をケアして増Gの効果を通せる。相手のデッキ情報(特にモンスター)を見てから撃てる。
デメリット:相手が最初に特殊召喚から入る場合その分のドローが1枚減る。

特殊召喚・チューナー・効果モンスター
星2/光属性/サイキック族/攻1000/守 0
このカードは通常召喚できず、カードの効果でのみ特殊召喚できる。 (1):自分フィールドにモンスターが存在せず、 相手モンスターの効果が発動した時に発動できる。 手札のこのカードと自分の手札・デッキ・墓地の 「PSYフレーム・ドライバー」1体を選んで特殊召喚し、 その発動を無効にし破壊する。 この効果で特殊召喚したモンスターは全てエンドフェイズに除外される。

無効にして破壊という強力な手札誘発。使う場合《PSYフレーム・ドライバー》という通常モンスターをデッキに入れる必要があるため採用にムラがあります。環境によって流行ったり流行ってなかったりして、流行ってない場合には全くケアしなくていいんじゃないかと思うレベル。
γで増Gを止められるとそれだけでなく★8シンクロ等につなげてきてハンデスや展開や妨害をされて、悪いことしかないです。
ケアする場合最初の1回の特殊召喚分のドロー分は損しますが、増Gさえ通ればその後も大量ドローが見込めるので、DCなど真剣にやる場面では意識するべきだと思います。
環境を見て割り切るのも手なので、自分との戦いかもしれません。
相手が《緊急テレポート》から入ってきたら流石に採用を警戒した方がいいかも。


【対スプライト等】チェーンを組まない特殊召喚の前にG

メリット:ドロー枚数を稼げる。
デメリット:ドロー不確定。

対スプライトでは星2を一体見たら即Gを撃つのが基本となります。(スプライトのモンスターはチェーンを組まない特殊召喚で出てくる上、《スプライト・レッド》を出されるとGを無効にされてしまうため。)

スプライトの他にも、通常召喚の次の動きがリンク召喚とほぼ確定している場合があるのでその場合特殊召喚効果を待たずにG投げちゃっていいと思います。(転生炎獣、蟲惑魔とか。)


【壺にG】ドローソースにチェーンしてG

相手が《強欲で貪欲な壺》等のカードをドローするカードを発動した際に、ドローをされる前にチェーンして撃つ。
メリット:《灰流うらら》や指名者等の増Gを止められるカードを相手が引き込む前に増Gの効果を通せる。
デメリット:ドロー不確定。相手が壺からスタートした場合デッキ情報がない。

やるかどうか迷うケア。これやった時にもとから相手がうらら持ってると仕方ないんですが、ケアしなくて結果増G止められると悔しい思いをします。
効果が通っても自分がドローできるかは不確定なので手札とも相談するべきです。

強貪や《闇の誘惑》等で2枚引かれる場合や、《金満で謙虚な壺》はケアしたい寄り。
1ドローの《成金ゴブリン》等は悩みますが、ケアすべきという立場であればすべきなんでしょうね…… でも相手が神碑だった場合はチェーンで速攻魔法の特殊召喚効果を使って逃げられてしまうかもしれません。
《強欲で金満な壺》は採用テーマがあまり特殊召喚してこない(ふわんだりぃず、ラビュリンス、エルドリッチ等)のもあってこちらも微妙なところ……

《強欲で謙虚な壺》や《命削りの宝札》は特殊召喚をしてこないので撃つ必要なし。

【誘発重ね引き】灰流うらら等に墓穴を吐かせてからG

メリット:増Gが通りやすくなる。
デメリット:ドローが減ることも。相手のプレイングによっては通じない。

相手が墓穴や抹殺などの誘発を弾くカードを持っていた場合、他の手札誘発の妨害を先に使用して止めてもらうことで本命の増Gが通りやすくなる場合があります。

特にうららと増Gを重ね引きしている場合には、先にうららを撃って指名者で無効化してもらえば、そのチェーン処理以降相手はこちらが撃つGをうららで止めることができなくなります。
(この場合、指名者にチェーンして増Gを撃ってしまうと同一チェーン中に相手がうららで止めることができる点には注意。)

相手も指名者で何を止めるか選べるわけで、先に撃った手札誘発が致命的にならない場合には増Gまで指名者を温存した上で展開をしてくることもあるので、相手のプレイングにも依ります。

こちらとしても妨害と増Gのどちらを通したいかによって順番は変わってくると思います。
マスターデュエルであればチェーン確認を隠してやりたいですね。

【撃てるうちに】アトラクターにチェーンしてG

相手が《ディメンション・アトラクター》を使用したのにチェーンしてG。
メリット:エクソシスター等、特殊召喚をするテーマ相手なら増Gが有効に働く。
デメリット:相手がふわんだりぃずの場合裏目になる。

《ディメンション・アトラクター》
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2200
①:自分の墓地にカードが存在しない場合、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。次のターンの終了時まで、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。この効果は相手ターンでも発動できる。

相手が先攻で使ってくる場合は一番最初に投げてきます。
アトラクター効果適用後は「手札から墓地へ送る」ができなくなるため次のターンまで増Gが発動できなくなります。そのため、使うならチェーンして発動するしかないです。
アトラクターを採用できるテーマは限られていますが、エクソシスターなどの特殊召喚をするテーマ相手には有効です。ティアラメンツ環境ではスプライトも採用していることがありますが、スプライト自体にもデメリットがあって初手に使うことは稀なのであまりこの状況になりません。
反対に、特殊召喚を行わないふわんだりぃずやメタビート相手には無駄になります。特にふわんは後述のように裏目まであります。

【デッキ破壊ケア】ある程度待ってから無効持ちが立つより前にG

メリット:相手がデッキ破壊での勝利を狙えなくなる。
デメリット:ドローが枚数が減る。

未界域暗黒界や、PUNK→カオスルーラー→虚無皇やイシズで墓地を肥やして超展開するタイプのGSデッキ等はものすごい回数特殊召喚を行える上に相手のデッキを削れるカードがあったりするので、こちらが増Gを撃ったら嬉々としてデッキ破壊に勝ち筋を切り替えてくる場合があります。

こういったデッキも本当に無限に動き続けられるというわけではないため、ある程度展開するのを待ってからGを投げるとそれ以降の特殊召喚回数ではデッキを削りきれないので普通に妨害を構える他なくなります。
(イシズGS系はターン1のついた効果が多いし、未界域はターン1がないものの手札が減ってくると展開が難しくなる。)

増Gを投げる前にアポロウーサやバロネス等の無効持ちを立てられては意味がないので、相手の盤面をよく見てそいつらが出てくるよりかは前に投げましょう。あんまり直前だとこっちが解決札をドローできないまま相手の場に無効持ちが立つことになりますが。

自分でGツッパのデッキ破壊を実際にやってみるとどの辺が難しいのかが感じ取れるのでやってみるのがおすすめです。マスターデュエルでは制限時間やシラユキのコスト選択枚数がいちばんキツい。

(ちなみに、《ドロール&ロックバード》をピン挿ししておけば増Gのドローを途中で止めることができます。イシズで墓地に落とされたら使えませんが。)


【対面毎】相手に制約がつくのを待ってからG

メリット:相手のうららを封じて増Gを通せたり、相手の止まり方を制限できたりする。
デメリット:ドロー枚数が減る。

テーマによっては展開効果を使った後にプレイヤーに何らかの縛りがつく場合があります。これを利用すると増Gを通しやすくなったり相手が妥協の盤面で妨害を作ってくるのを抑制できたりします。
思いつく範囲で書いてみます。(他にも何かセオリーがあれば教えてほしい……)

制約効果がなくとも、対面ごとに展開の詳しい知識があれば、4エクシーズ妥協等で止まりにくいタイミングに撃つなどの工夫もできるかもしれません。

【対斬機】シグマやアディオンやサディオンにチェーンしてG

《斬機シグマ》
チューナー・効果モンスター
星4/光属性/サイバース族/攻1000/守1500
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが手札・墓地に存在し、EXモンスターゾーンに自分のモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。②:自分フィールドのこのカードを「斬機」SモンスターのS素材とする場合、このカードをチューナー以外のモンスターとして扱う事ができる。

シグマやアディオンやサディオンの特殊召喚効果使用後は相手にサイバース族しかEXデッキから特殊召喚できない縛りがつくため、バグースカエンドができなくなります。

サーキュラーの特殊召喚には縛りがないため、その後墓地から湧いてくるシグマまで待った方がいいです。

【対@イグニスター】めぐり―Ai―効果処理後まで待ってからG

《めぐり―Ai―》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:手札・EXデッキの攻撃力2300のサイバース族モンスター1体を相手に見せ、そのモンスターと同じ属性を持つ「@イグニスター」モンスター1体をデッキから手札に加える。発動後、このターン中に自分がこの効果で見せたモンスターまたはその同名モンスターの特殊召喚に成功しなかった場合、エンドフェイズに自分は2300ダメージを受ける。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族以外のモンスターの効果を発動できない。

《めぐり―Ai―》の効果処理後は相手がうららを撃てなくなるので、確実にGを通すためには待った方がよいです。

Aiランドの特殊召喚はチェーンを組むので、そこにでも撃つと確定ドローできます。


【対春化精】地属性効果のみ縛りが有効になってからG

《丘と芽吹きの春化精》
効果モンスター
星4/地属性/天使族/攻 200/守2000
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードと、モンスター1体または「春化精」カード1枚を手札から捨てて発動できる。デッキから「丘と芽吹の春化精」以外の「春化精」カード1枚を手札に加える。その後、自分の墓地から地属性モンスター1体を選んで特殊召喚できる。このターン、自分は地属性以外のモンスターの効果を発動できない。②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの「春化精」モンスターは効果では破壊されない。

春化精下級の展開効果の処理後は地属性以外のモンスター効果が使えなくなるので、相手はうららが撃てなくなります。

春化精側もこれを嫌ってかそもそもうららを採用していない場合も多いですが……

イシズとガジェットブロドラアダマシア等が絡むと相手の特殊召喚回数がすごいのでこちらも状況によってはデッキを枯らされる危険がなくもないことも考えると、春化精分は待ってもいいのかも……?


【対ふわん】G撃たない

ふわんだりぃずは通常召喚のみで展開するテーマのため、増殖するGが全く効きません。しかし、だからといって無駄撃ちはしない方がいいです。
《ふわんだりぃず×すとりー》の召喚連鎖効果(墓地を1枚除外)に利用できるようになるし、最悪《烈風帝ライザー》によってデッキトップに戻されると確実に腐るカードでのドローロックが成立してしまうからです。
使うにしても壁やスプライト用★2や手札コストなどなんとか有意義に使いたいところ。


いかがでしたでしょうか

いかがでしたでしょうか。
そもそも増殖するGがデッキに入っていなければタイミングに迷うこともなくなるし、対ふわんで腐って嫌な思いをすることもなくなるので、いっそのこと採用しないというのもいいかもしれませんね!頼むから増G撃たないでくれ〜〜。(でも後攻に希望を与えるいいカードなのは認めます。)

先攻ワンキルデッキだとGで止まるという選択肢が無くなるので割り切りたい人にはおすすめです。

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