丸森町ボランティアセンターでの活動と台風被害の現状について(10/30記載)

仕事が一段落し時間ができたため、本日は丸森町災害ボランティアセンターへ向かい、約八年ぶりに泥かきのボランティアをしてきました。

台風19号の上陸からは約三週間が経過し、表面上は町内の水も引けているのですが、丸森町に住まわれているみなさんの家屋の被害は深刻で、今もたくさんの方が支援を求めている状況です。
少しでも現状を知っていただくために、以下に自分が今日体験したこと、お聞きしたお話を共有します。

1.丸森町ボラセン到着~ボランティア登録まで

まず、私は仙台市から丸森町へ自家用車で向かったのですが、道路などは問題なく復旧しており、一時間程度でスムーズに到着することができました。

画像3

丸森町災害ボランティアセンター(以下:丸森ボラセン)では、午前9時~午前11時までボランティアの受付を行っています。
受付は「ボランティア保険に加入している方」と「ボランティア保険に加入していない方」で分かれており、数年前にボランティア保険が失効していた私は後者の窓口に並びました。(ボランティア保険は加入した年度終わりに失効します)

丸森町ボラセンでは、受付で自身の氏名と住所を記載し、ボランティア保険加入費300円を支払うことで、ボランティア保険にその場で加入することができます。※ボランティア保険の加入は活動のため必須です
私は9時5分頃に丸森ボラセンに到着し、ボランティア保険にはその場で加入して、名札を書いてボランティアの方々が待機する列に並びました。この時点で、待機している方は15名ほどでした。

(11/3追記:ボランティア受付の過程は各ボランティアセンターによって異なりますので、詳細は各地のボランティアセンターを運営する社会福祉協議会の公式サイトをぜひご覧ください。丸森町で災害ボランティアを行う際の受付場所・持ち物・駐車場などについては、こちらにまとまっております)

2.案件マッチング~現場到着まで

ボランティア登録を終えた後は、社会福祉協議会(以下:社協)からボランティアに関する説明を受け、本日向かう案件が決まるまでその場で待機しました。
社協の方からは「これから向かう場所は個人のお宅であるため、現場の撮影はご遠慮ください」と明確なアナウンスがありました。
災害現場はかなり非日常的な空間になるため、どうしても「撮影したい」という思いを持つ方は出てくるのですが、今どんな状況であっても、そこはこれまで住民の方が暮らしてきた場であるため、こうしたアナウンスをはじめに行うのは適切だと思いました。
ただ、災害現場の現状を伝えるために写真が有効であることも確かで、社協の方からは「撮影を行う場合は、個人のお宅以外の、移動中などにお願いします」と加えて説明がありました。(説明を受けた上で撮影した以下の写真は、丸森町役場前の瓦礫集積場です)

画像1

案件のマッチングは5分ほどで行われ、「前から8名、お願いします」という声に従って、私たちは丸森町で農家を営む方のお宅へ向かうことになりました。
現場までは、そばの現場へ向かうもう一班の方々と共にマイクロバスへ同乗し、10分ほどで到着しました。マイクロバス内の座席は泥で汚れないよう、ビニールで覆われていました。

8年前の発災当初、案件マッチングまでに三十分以上を費やしていたボラセンのことを思い起こしながら、この数年間で、社協の方々の災害対応は確実に進化しているように感じました。(向かう途中、マニュアル運転のマイクロバスがエンストしたのがご愛嬌と思えるくらい、全体的な流れはスムーズでした)

3.現場の状況と、依頼主の方のお話

お伺いしたお宅は、見かけ上は浸水の被害がすでに収まっているように見えたのですが、一歩中に入ると、大変な現状が見えてきました。

まず、ご自宅の一階は今も土足で入ることを許していただくような状況で、一部屋を除いてほとんどの部屋が梁だけのような状態になっていました。
加えて、母屋のお隣にある納屋には、泥と瓦礫が層になって積みあがっており、今日私が担当したのが、この泥と瓦礫の撤去でした。

8年前に仙台市沿岸部でボランティアを行っている際にも大きな問題になったのが、この「泥」でした。
一度浸水してしまった場所には、水が引いても泥が残されてしまうという問題があり、この泥を撤去するまで、被災したお宅には日常が戻りません。

水を含んだ泥はわずかな量でも非常に重たく、この泥の撤去作業というのは、復旧活動において最も厄介な作業と言えるかと思います。
肉体的にはかなりの重労働なのですが、依頼主さんを困らせていた泥をしっかりと撤去した後には、本当に大きな達成感と充足感があります。

この「泥かき」の作業は、丸森ボラセンでもまだまだ求められている案件ですので、ぜひ多くの方に参加いただきたいと思います。
(泥かきのような力仕事以外にも、家屋の撤去や雑草の除去等、台風で変わってしまったご自宅周辺を元に戻すための作業は多々ありますので、体力に自信のない方も、ご安心して参加いただければと思います)

休憩中には依頼主の方からお話を聞かせていただいたのですが、ご自宅からは四つの農機具が流されてしまい、自家用車もすべて廃車になってしまったということでした。
最近やっと車が借りられたものの、農機具が使えず、排水溝にも泥が詰まっているため、せっかく実った稲がいまだに収穫できていないのだそうです。
丸森町全体としての豪雨被害の大きさを思い知りつつ、中でも農家の方の被害の甚大さを肌で感じました。

ボラセンの作業は15時までには完全撤収が原則となっており、今日お伺いしたお宅の案件は、すべてを終わらせることができませんでした。
力不足を感じながら、丸森町にはまだまだ支援の力が必要であることを痛切に感じました。

4.「丸森災害ボランティアバスツアー」について

最後に、本日情報が公開された「丸森災害ボランティアバスツアー」についてご紹介します。
丸森ボラセンは、11月2日(土)~11月4日(月・祝)の3日間、仙台駅発着でボランティア活動を行えるバスツアーを実施することを発表しました。

画像3

(画像引用元:【台風19号】丸森災害ボランティアバスツアーを行います

参加費は1000円で、この中にはお弁当代とお茶代も含みます。高速道路を使った場合のことなどを考えると、かなり格安と言えるツアーだと思います。丸森ボラセンの公式サイトに参加の詳細がありますので、興味を持たれた方は、ぜひご覧ください。
(応募締め切りは、11月1日12:00 までです。丸森ボラセンの公式Twitterでも情報が公開されていますので、よろしければご拡散をお願い致します)

今回は丸森町の現状とボランティア活動について詳細にご紹介させていただきましたが、今回の台風では日本各地で大変な被害が報告されています。

私は、災害ボランティアには常に「困ったときはお互い様」という気持ちで臨むことにしています。困っている人に手を差し伸べることが「えらい」ことでも「すごい」ことでもなく、自然なことになればいいと思いながら、あれから8年間を過ごしてきました。
未曾有の災害が年に幾度も起きるようになってしまった今必要なのは、誰か一人のヒーローではなく、ごく当たり前の人たちが他人を慮り、行動を起こすことだと思います。

一日でも早く、今つらい思いをしている方々が、安心した暮らしを取り戻せることを願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?