脳トレとしての日商簿記検定3級受験のススメ

はじめに

病気になったら、一時的に本が読めなくなり、映画を観られなくなった(現在は回復)特に本、文字列が全部目の前を滑っていく。やばい。本、読めない。
音楽は聴けたので、リハビリも兼ねて、のろのろと『アメリカン・ユートピア』を観に映画館に通った(ちなみに、当時限定公開していた『ストップ・メイキング・センス』も観た。家でも観てた。音楽って良いな)
ところで、「のろのろと」といえば、ふだん歩くスピードがめちゃくちゃ速いわたしが、ふだんのように歩けなくなり、周囲の人々にどんどん抜かされていくのはなんだか妙な感じであった(こちらも今は戻った)

前置きはこのへんにしといて、2ヶ月くらい経って、本がそこそこ読めるようになった。バリバリなんかやろう!という段階ではなかったが、頭を働かせるために何か(いわゆる脳トレ的なもの)をしようと思った(雑な発想)
そんな中、昔一瞬勉強して放置していた簿記が目に止まった。そしてふと「日商簿記検定3級(以下「簿記3級」と記載)を受けよう」と思いついた。結果として後日簿記3級に合格して、メンタル的に少しだけ自信を得られたし、そのための勉強は脳トレとして機能した。今日はそんなお話を書く。

1.脳トレとしての簿記3級

1-1. 日商簿記検定とは

説明が不要なレベルで有名な資格試験であるが、一応概要を書いておく。「日商簿記検定3級」「簿記3級」と書いてきたが、正式に書くと「日本商工会議所簿記検定試験3級」である。名前の通り日本商工会議所が運営している。
1級まであって、2級以上は履歴書に堂々と書けるらしい(書類選考に通るかはまた別だが)ビジネスパーソンなら少なくとも3級の知識は身につけていると良いとされる(実際そう思う)ちなみに、働いていなくても家計の管理に役立つ。
そんな中わたしは、脳トレ目的で簿記3級を受験した。おそらく少数派である。

1-2. 脳トレとしての簿記3級

簿記3級が脳トレとして良いと思った理由は下記の5点である。

  1. 難易度がちょうど良い

  2. 複雑な計算はない(計算機も使える)

  3. ほどよく暗記事項がある

  4. 文理(と書くと語弊がありそうだが)のバランスが良い

  5. 現在はネット試験があり、予定や体調等にあわせて試験日を柔軟に設定できる(もちろん今まで通りの紙の試験もある)

この5点に加えて、簿記の基礎的な知識を体系的に身に付けておきたいという気持ちももちろんあった。簿記3級が良い、と書いたけど、難しすぎない検定試験全般が脳トレとして良いと思う。ただし、ネット試験等で比較的いつでも受験できる検定試験ってそんなに多くなさそうな気はする。その点では簿記はかなり便利で良い。

2. 簿記3級合格までの道のり

下記、参考までに、簿記3級合格までのアレコレを書いておく。(試験の申し込み方法などは割愛)ちなみに、下記でいろいろ書籍など紹介しているが、回し者ではない(笑)実際に使ってみて良かったので紹介している。

2-1. 勉強開始前のスペック

  • 会計の入門書は一応読んだことがあるので、損益計算書や貸借対照表がどういうものか、くらいの知識はあった

  • 過去に参考書を買ってちょっと勉強したけど、おそらく一週間も続かず

  • 過去にオフィスワーカーとして、ときどき伝票を書くことはしていた(経費精算など)

  • 売掛金の管理を数ヶ月していたことがある(ただし、簿記の知識はほぼなかった。この時期にちょっと勉強した)

2-2. 使った参考書(2冊)

ふくしままさゆき『ホントにゼロからの簿記3級』( 『ふくしままさゆきのホントに』シリーズ)(電子書籍のみ)(以下、「ふくしま」と表記)

検定試験の勉強でありがちな「細かい理屈はいいからとにかく覚えよう」に否を唱えている。自分はこちらを読んでしっかり理屈を理解できたことは大変良かったと思っている。リンクから飛べる動画も併せて見るとより理解が深まるかも?(動画での勉強が苦手なので自分はテキストのみ利用)
良質な内容なのにめちゃくちゃ安いので、もっとお金とっても良いのよ、と思う。


よせだあつこ『簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 総仕上げ問題集 2021年度版』(自分は紙の書籍を選んだが電子書籍もあり)(以下、「パブロフ」と表記)

有名な参考書・問題集シリーズのひとつ。パブロフくん(犬)かわいいよ。
ネット模擬試験がMacに対応しているという理由だけで選んだが、質、量ともに大変良い問題集だった。参考書を読んである程度知識が身についていれば、解説も分かりやすいと思う。
紙の模擬問題3回分と、ネット模擬試験が2回分ついていて本番仕様の練習も十分にできる。

2-3. 時間配分など(所要時間:約1.5ヶ月)

8月中旬〜 「ふくしま」を最初から順に読む。
9/13〜 「パブロフ」の対策問題を毎日少しずつ。
最初は第一問の仕訳対策から取り組むのが良いと思うけど、他は気が向いたものからバラバラの順番でやっていた。本問題集では問題ごとに優先順位をつけてくれているので、時間のない人は重要度が高いものから取り組むと良いと思う。
9/22 「パブロフ」紙の模擬問題1,2をやる。
9/23 日本商工会議所のwebサイトからネット試験に申し込み
同日 「パブロフ」紙の模擬問題3, ネット模擬試験1をやる。
9/25 「パブロフ」のネット模擬試験2をやる。
9/27 都内の某テストセンターにてネット試験を受験し、96点で合格。
受かれば何点でもいいと思っていたけど、高得点だったのがうれしい。
それから2日後の喜びツイート↓

気が向いたときに勉強していたので、1日何時間やったとか、細かいことは覚えていない(爆)
まったく勉強してない日もあればやたら勉強していた日もある。無職は比較的時間の融通がきくので……。終盤とか1日2回模擬問題とかしてるし(笑)
ひとつ言えるのは、何時間かけるかよりも質が大事(言い訳)

2-4. 備考

  • 心身ともにしんどい人は、勉強とかしてないでまず治療しよう&休もう。

  • もし試験に落ちても、自分のために勉強したということが大事。今はネット試験があるからいつでも受けられるし。気楽にいきましょう。

  • もちろん(過去のわたしのように)また気が向くまで勉強しなくてもよい(本稿は受からなければならない人に向けて書いてはいないけど、仕事のノルマとかで受からなきゃいけない人のことは応援しています)

おわりに

脳トレとしての簿記3級受験、オススメしたい。本稿は簿記3級を受験したことがない人に向けて書いてはいるけれど、昔とは範囲が大分違うようなので、大昔受けたけどその後実務をやっていない人にも有効な気がする。
ちなみに、自分は今後ぼちぼち2級も勉強してみようと思っている。元メーカー勤務としては、工業簿記が気になる。

おわり

参考

  • ふくしままさゆき 『ホントにゼロからの簿記3級』( 『ふくしままさゆきのホントに』シリーズ)

  • よせだあつこ『簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 総仕上げ問題集 2021年度版』

おまけ(無職的書籍紹介)

簿記検定から話がずれますが、無職だったり不測の収入減だったりで、家計に不安を抱えている人に林總先生(公認会計士)の『不安な時代の家計管理』をオススメしています。
この本に書かれているワークを実践することで、家計の現状について把握することができ、今後の対策を打つことができます。とりあえずの今後3ヶ月のピンチの乗り切り方に加えて、利用できる制度や、長期的な視点での収入増加のためのtipsも書いてくれています。
実用的・実践的なだけでなく、困っている人に寄り添うとても優しい本です。
(いずれわたしも無職生活の家計のことについて書けたらいいな)

病気や不況のせいで経済的問題をすぐに解決させることが難しいとしても、無職や無職状態の人が抱えているお金に対する不安が少しでも減りますように。

無職の(半)病人 Monetより


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