こどもがうまれた

たかだか50cmのからだながら、いっちょ前にヒトである。そのちいさいなからだは、端々に私の知っている誰かの面影を宿している。

不思議なもので、この爆発的な生命力の塊を眺めていると死のイメージが頭をよぎる。この子宿す面影の多くがもうこの世にいない人のそれだからだろう。

私が彼らから受け継いだ血を、引き継いだ命。

もちろん私もこの子もいずれ息を止めるけれど、

それまでの重なり合う刹那の時間を、これ以上ないくらいに慈しもうと思う。