忘れられない桃のケーキ408円

思い出した 誰かのとなりにいることで感じてしまう寂しさとか 自分のずるさとか 今日見た夢はエンディングで山下達郎が流れていてわたしも口ずさんでいた 何か特徴のある日常の夢ではなかったけどそれに意味があってなんならそれだから印象に残った 雨が結構降っている中レストランに連れて行ってもらってケーキを食べることになった わたしには頼んだやつが来なくてでもいちばん安いケーキだしいいかってちょっと笑いながら桃のケーキを食べていた 店員さんがそれに気づいて謝ってきて8円くらいなら(多分408円だったから、おかしい値段だね)安くできますと言われた 何円なんて変わらないから気にしないでください大丈夫ですといって断った その時の店員さんの表情が困っていてあまりにもリアルだった 食べ終わった後、もう二度と会わないでしょって一緒にいたひとに言われた もし会ってしまったら、ちょっと気まずそうに会いたくなってしまいそうだからって言われた わたしは一緒にいて心地よかったしその時間が好きだったから会わないっていうのはなんとなく納得できなくてはっきり何か言うことはできなかった でもわたしってそのひとのことを好きかと誰かに問われたら好きじゃないって言ってしまっていたと思う だからその人の照れながら言った会いたくなってしまいそうだからという理由に温度差を感じていた わたしたちはきっと違う理由で会いたがっていた この差がどういう風に二人に作用するかは考えたくもない 読んでくれているひとはきっとわたしじゃない相手の方が傷ついてしまうと考えるかもしれない でもわたしもちゃんと傷つくんだ この微妙なわたしの気持ちは自分でもわかるくらいずるくてでも会いたいと思った気持ちは正直で嘘はない ふたりの行方は目が覚めてしまったので知らない でもきっともう会わなかったと思う 正しく言うと、もう会ってもらえなかったと思う

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?