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GTO+の使い方(ツール・分析方法)

 執筆中、shino氏に被った記事です。(´・ω・`)

 お蔵入りを検討しましたが、既に書いてしまったものなので、氏への敬愛とリスペクトを込めて公開します。
 氏のブログと併せて読んでくださいね。
 ついでに拍手してきてくださいね。

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1.GTO+とPioSOLVERのメリット・デメリット

 ところで、GTOそのものは単なる理論であり、実際に私たちが使うには、専用のツールが必須です。

 現在、主流なGTOソフトとしては、「PioSOLVER」と「GTO+」の2つです。

・PioSOLVER

・GTO+

1-1.導入コスト

①PioSOLVER
 -Free:($0.0:無料)
 -Basic:($249.0:約28,000円)
 -Pro:($475.0:約53,000円)
 -Edge:($1,099:約123,000円)

②GTO+
 $75.0:約8,500円
 (PC2台目は$40.0:4,500円)

1-2.機能性

①PioSOLVER
 -Free:フロップ1つの試用版
 -Basic:任意のフロップでのGTO
 -Pro:スクリプト対応
 -Edge:優先サポート・データ移動制限なし

②GTO+
 PioSOLVER Basicの機能は一通りできる。
 (Bet Sizeの設定、Node Lock、集合分析、グラフ化…)

 ただ、Preflopの解析はできない。
 (ハンドレンジは自分で設定、または既存のものを使う必要がある。)

1-3.利便性

 GTOソフトの難点は、「取っ付きにくさ」です。

 現状、界隈での知名度は、GTO+よりもPioSOLVERが高いです。
 そのため、動画やブログ等で使い方が簡単に調べられるという点は、PioSOLVERの大きなメリットです。

 また、PioSOLVERはスクリプトに対応していることから、有志の方々によって、日々開発がされており、将来性もPioSOLVERに軍配があるように思えます。

 こういった点では、GTO+はまだまだマイナーという印象がありますが、何かの役に立てば幸いということで、大雑把なマニュアルを書いてみます。

2.GTO+の使い方(RunSolver)

 それでは、GTO+を使って分析を実際にやってみましょう!
 ちなみに、マニュアルも無かったので、試行錯誤した自己流の使い方です。もっと良い方法があれば、教えてください(切実)。

 GTO+の基本(レンジの設定、ビルドツリー)は、shinoさんのブログで既に取り扱ってくれているので、ここでは省略します。

 まず、集合分析を行うには、分析対象のフロップが大量に必要です。

 下記は、Tree(アクションの選択肢)を限定しないGTO戦略を複数のフロップで回すまでを図にしたものです。

 後は、コピーしたGTOの結果をいじるだけ!

 とはいっても、いじり方も人それぞれなので、私がやっている分析の方法をいくつか紹介します。

3.分析方法

 1つ目に、単体のGTO戦略の分布を見て、「オリジナルは同じトップヒットでもキッカーが弱いほどチェック比率が増える!」といった気付きに使う方法です。

 GTO+は、ハンドの役ごとのアクションを自動でソートしてくれます。
 下図は、[Ah7h9s]のフロップにおいて、同じAのトップヒット・ワンペアでも、キッカーの強さによって、アクション比率が異なることを示しています。


 2つ目に、複数のGTO戦略と見比べて「このシチュエーションではALL33%のレンジベッティングでもGTO戦略を代替できる!」といった疑似GTO戦略の策定に使う方法です。
 下図は、BBvsBTN(3bet pot)について、最適戦略とALL33%CB戦略のEV乖離を調べたものです。
 このEV乖離が小さいボードでは、ALL33%CB戦略によって、GTO戦略を代替できることがわかります。

 

 3つ目に、エクスプロイトの方法を調べる方法です。
 下図は、フロップをハイカードごとに分類し、レンジを変えた3つのGTO戦略におけるアクション比率を比較した使い方です。
 対戦相手のレンジを狭くor広く想定することで、ボードストラクチャーごとにGTO戦略がどう変化するかを調べています。
 ルースorタイトな相手に対して、「通常よりどうエクスプロイトすべきか?」を知ることができます。

 

 最後の4つ目に、ボードストラクチャーがGTOに与える影響を調べる方法です。
 下図は、フロップのボードファクターごとにダミー変数を作成し、ボードファクターが与えるGTO戦略への影響を調べています。
 例えば、「BBvsBTN(3bet pot)のBBにとって、フロップは①レインボー②ツースート③モノトーンのどれが最も望ましいか?」といった疑問に、統計的な答えを出すことができます。
 ちなみに、回帰分析の結果、答えは①レインボーとわかりました。

4.終わりに

 GTOが教えてくれるのは、あくまで「アクションの最適比率」という結果だけです。

 そのため、GTOの導出過程は分析者に一任されており、答えとにらめっこする作業は、とても面倒で、とても楽しいです。

 実は、私はこのGTO+を手に入れてから、以来この分析に夢中になってしまい、ポーカーは半年くらいあんまりやっていません。

 「ポーカーで強くなる」という本来の目的から若干離れている気もしますが、これはこれで楽しいので満足しています。


 もしご興味あれば、PioSolverやGTO+について調べてみてくださいね!

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