「星新一」を読み聞かせてくれた先生の話

パッと過去をふりかえって、かつなるべくいい思い出で浮かぶのは小学校の時の担任の先生だと思う。

いまは有り得ないのだろうが、その先生からは生徒全員が下の名前を呼びすてにされていた。たしか。不快感も何もなかったので、珍しいことをする人だなとくらいに思っていた。

なんの科目が専門だったとか、名言を残したとかはさっぱり覚えていないのだがはっきり覚えていることがある。

通っていた小学校には読書の時間があった。読書は好きだったのでありがたく本を読んでいた。自分で選んで、自分が読むのが当たり前だった。その時はもう高学年であったから、なおさらそう思い込んでいた。

いつからか覚えていないのだが、先生が読み聞かせをしてくれることになった。

星新一のショートショートショート。なんの話を読んでくれたのかまでは覚えていない(たしか、魔法使いによって美人と思い込まされた姫のお話があった気がする)のだが、もう夢中になった。短いお話とはいえど、途中で区切られるお話もあった。続きが楽しみで楽しみで、結局待ちきれずに先生の許可を得て本を借りて読んだ。

当時はコミカライズもあったし、Yahooかなにかでちょっとしたアニメも見れた。テレビでもやっていたっけな(オープニング?がすごく好きだった)。なんの話か覚えていないのだが、アニメの方で助手の女の人がこんな発言をしていたのがいまでも頭に残っている。

「「あめ」じゃないですよ、「あめ」ですよ。「あーめ」」

どっちの漢字だったかまでは覚えていない。

あの頃から星新一のお話はどんな形でも色褪せず、あれからなん十年と成長した今でも何回読んでも面白い。

「おーい、出てこい」が中学生の時の英語の教科書に載っていた時は驚いた。自分の知っている話が教科書に載っているなんて思いもよらなかったから。結局、残念ながら時間が足りずに授業では扱わなかったけど。

「生活維持省」「ボッコちゃん」「午後の恐竜」「月の光」は大好きな話だ。

肩に乗せておくとかわりに丁寧なコミュニケーションをとってくれるオウムは今でもほしい。

ここに書いていたらあのテレビでやっていた星新一の番組、見たくなってきたな。あれ、なんだったんだろう。実写だったりアニメだったりしていた。狐憑きのお嫁さんはアニメだったな。

先生、教えてくださってありがとうございます。今でも面白いお話ばかりです。

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