見出し画像

年末秘話【第1回】

FF14”非”公式ユーザーイベント――

それは、FINAL FANTASY XIV を心から愛するプレイヤーたちが自分の持てるスキルを最大限に発揮し、年末までの数か月をかけて作り上げる、お祭りのようなクイズ番組型配信企画の通称である。
(※この企画は FF14”非公式”企画 である。番組を企画・運営・構成がFF14のファン有志によるものであり、FINAL FANTASY XIV 公式とは一切の関係がないことを明記しておく。)

番組を構成するすべてが、FF14を愛してやまないファン有志によって企画・運営されている。そのため、内容そのものがFF14のプレイヤーである「光の戦士(通称:ヒカセン)」の心を掴んで離さないことはもちろん、どこか見覚えのあるシステムの番組はただ垂れ流しているだけでもラジオとして聞いていても面白い。(なお画面が気になって結局作業はできない)
回数を重ねるごとに進化していく「謎システム」も番組の魅力の一つだ。

そんな FF14“非公式”企画 が、2023年末
満を持して「年末特別企画」として帰ってくることが発表された!!

焼酎うめぇチャンネルにて配信予定)


今回は、この特報を受け、新番組を迎える前準備として、これまでのFF14”非”公式ユーザーイベントを全3回に分けて振り返っていきたい。 

第1回となる今回は、
2017年12月30日放送の記念すべき第1作「エオルゼアふしぎ発見!」 
そして、2018年12月30日放送の2作目「ゴブリーグ -GOB LEAGUE-」 
この2タイトルを併せて振り返っていく。


今や一大イベントとしてヒカセンに愛されているFF14”非”公式年末ユーザーイベントも、始まりを辿ればよくある「年末特別配信企画」に過ぎなかった。
生放送形式に、豪華なゲストとのコラボレーション。視聴者と一緒に年の瀬のお祭り騒ぎを楽しもうという試みは、普段の配信とは一味も二味も違った楽しみを与えてくれるものだったに違いない。
画面に映るロゴマークはどこか見覚えのある雰囲気を漂わせる。
まるで……”世界中の国や秘境を巡るリポーターからその地にまつわるクイズが出題される”のではないかと思うほど、ミステリアスで探求心を擽られる番組構成を予感させる、良いタイトルロゴだ。

画面がフェードアウトすると、FF14新生エオルゼアのオープニングムービーが流れ出し、壮大な音楽に合わせて、ハスキーな美声が耳へ滑り込む。

神々に愛されし地、エオルゼア。この地に隠された、様々なナゾッ 
謎を知る選りすぐりの光の戦士たちが、今宵、ここに集結します――!

力が入りすぎたのか、開始10秒でセリフを甘噛みしてしまう司会進行の焼酎うめぇさん。さすがに噛むのが早すぎて笑ってしまうが、オープニングのクオリティの高さはその程度のアクシデントでは揺らがない。
何より、特に注目してほしいのが直後に流れる提供画面だ。
元ネタを知っている人なら全員が「そこまで再現するのww」と腿を叩いて笑ってしまうこのパロディ力の高さ、そして光の戦士は全員ニヤリとしてしまう提供元のチョイス。どれをとっても至高のオープニングムービーに、この後の地上波顔負けに進化していく企画の片鱗が既に見え始めている。

オープニング画面が明けると、そこにはずらりと横並びのゲスト解答者が5名。今となっては年末特別企画常連となっている、もはやレジェンドと呼ぶべき記念すべき第一回のゲストは以下のとおりだ。

【出演ゲスト一覧】

  • 葵きつねさん

  • けんぽうさん

  • むーむーさん

  • ユニさん

  • Lokiさん

FF14界で燦然と輝く、コスプレイヤー、配信者、システム開発、そしてバトルコンテンツの先駆者が並ぶ光景は、当初はなかなかのインパクトだったに違いない。(けんぽうさん・むーむーさんに至っては3回目以降スタッフとして参加することを考えると、解答者として画面に映っていること自体、とても貴重と言えるだろう)

また、ゲストもさることながら画面の構成も凄いことになっている。Sayチャットと配信サイトのコメントが流れる画面はいかにもお祭り感満載なのだが、何よりも目を引くのは正面に大きく表示された背景のスクリーンだ。
“FF14の画面に” クロマキー合成をすることによって『エオルゼアふしぎ発見!』のタイトルロゴが書かれたバックスクリーンには「ゲスト紹介」や「問題」が表示され、ゲストキャラクターのライブ感と共にモニターでの出題を一度に楽しめるというわけだ。
ここ最近の年末企画があまりに凄すぎて感覚が麻痺していたが、これを実際に考えて、調整して、生放送で運用してやろうというパイオニア根性が凄すぎる。

ゲスト解答者のけんぽうさんもこれには、

今回のこの生放送で、『FF14の動画とか、生放送とかのハードルをまた一つコイツ上げやがったな』と思っている次第でございます。

とコメントを残していているのだが、今になって見返してみると、このやりとりさえも微笑ましい。
大丈夫……今後はあなたもハードルを上げる側になりますよ……。

ゲストの紹介が終わり、いよいよ本題となるクイズに突入するというタイミングで、司会進行の焼酎さんより重大な発表がなされる。

当番組、『ふしぎ発見』的な要素は一切ございません

無いの!?

こ、これだけパロディしておきながら、ないんですか…!?

コメントで『スーパーよしだくん人形』と言われていますが…
そんなものはございません!

無いの!!??

パロディのクオリティの高さに勝手に期待してしまっていたが、どうやらそういったものは無いらしい。基本となるベースは「出題された問題を早押しで解答する」という、いたってシンプルなクイズ形式のようだ。

ゲスト解答者は、それぞれ【冒険】【生活】【歴史】【雑学】【吉田】の5ジャンルから問題を選択する。
さらに、それぞれの難易度は「真・極・零式・絶」の4つに分けられており、高難易度の問題ほど高い得点を貰えるシステムだ。
なお、年末特番恒例となった【吉田】というジャンルはご覧のとおり初回から登場しているのだが、改めて考えるとエオルゼアの諸コンテンツと並び、単独でジャンルになってしまう「吉田直樹」氏の存在感があまりに強すぎる。果たして、初回からレギュラー出演している吉田クイズのネタのストックはいつまで持つのだろうか。

年末特別企画といえば、ゲスト解答者だけでなく「視聴者が参加できる」という点も大きな魅力の一つである。そして、視聴者参加の仕掛けは、もちろんこの第1作目『エオルゼアふしぎ発見!』にも施されていた。
ニコニコ生放送の機能を用いた「アンケート問題」の登場により、ただの知識のぶつけ合いだけでなく、「運」を味方につけられるかも重要なポイントとなり、先の読めない展開を楽しめるライブ感が「生放送ならでは」を加速させる。ニコニコ生放送ではあまりの盛況ぶりに、立ち見で参加するヒカセンも続出したのだとか。

メインとなるクイズの内容は、単なる知識を競う問題、脳トレのようなクイズ、「イラストに描かれている人物は誰かを当てる問題」など、多様な問題が勢ぞろいした。今後の番組で頻繁に登場する「焼酎さんが演奏したBGMがどこで流れるものかを当てる」問題も本作が初出なので、是非チェックしてほしい。

元々、「世界設定大好きおじさん」と呼ばれる焼酎さんの基準で問題を選定しているため、焼酎さんにとっては簡単でもゲストにとっては難しいものもあり、一番低い「真」の難易度でもかなり手こずる様子が見受けられた。
なお、30ポイントを貰える「零式」以降の難易度はその名に恥じぬ難易度設定となっている。
サブクエスト・ギルドリーヴ・PVPまで遊びつくしていないと答えられない問題も多く、思わず「わかるかこんなの!」と叫びたくなるような難問が番組後半には集中した。
 
どのくらい難しいのか。以下にその一例を挙げておくので、よければ考えてみてほしい。

  • 様々な装備などと交換できる『アラガントームストーン:〇〇』現在入手できないものを含め〇〇に入るすべての名前を答えよ。

  • エールポートで受注できるLv15製作ギルドリーヴの納入先NPCは『ハ・ランボロ船長』ですが、彼女が乗る船の名前は?

  • 吉Pが普段から好んで履いているというブーツのメーカーとモデル名は?

うん。

わかるかこんなの


難しいとわかっていたのに、書き出しながら思わず叫んでしまった。あまりに難しすぎて、つい。
その後の4作品と比べて、問題の難易度で競うならこの『エオルゼアふしぎ発見!』が群を抜いて難しいので、難問に飢えているFF14プレイヤーがいれば、是非本作を視聴して珠玉の問題に頭を抱えてみてほしい。
 
そして、この難問の数々を潜り抜け、栄えある「エオルゼアふしぎ発見!初代王者」の称号を手にする解答者は誰になるのか……。
気になる結末は、是非アーカイブ動画で確認していただきたい。

最後に、絶対に見てほしいシーンを紹介しよう。
動画の 30:00 頃から始まる【歴史の10】はあまりに「迷シーン」すぎて、これ以降の作品でもユニさんの定番ネタとして語り継がれている。まだ見たことが無い人は是非視聴してほしい。 

さて、記念すべき第一回を振り返って既に文量が凄いことになってきたが、このまま次の振り返りも行っていこう。
第2作目は、1作目の技術を応用しながら規模と技術力を更に拡大し、UMEE WORKS渾身の一作だ!


一作目であらゆるFF14配信のハードルを上げた年末特別企画が、全ての配信を過去のものとすべく、更なるパワーアップを果たして帰ってきた。

開始早々、アレキサンダー編のムービーに、年末特別企画仕様のセリフを載せたオープニングムービーが流れ始める。この段階でクオリティが段違いに凄いのだが、タイトルロゴの出るシーンの演出等は、本当に地上波のフフヒーフを観ているかのような仕上がりで、我々視聴者は開始早々あらゆる技術革新を見せつけられることになる。

タイトルが明けると、そこにはずらりと並ぶゲスト解答者が!
豪華ゲストの数は1作目の倍となり、全10名に。それぞれの出身DCによって分けられた、【GAIAチーム】と【ELE / MANAチーム】が5人一組で競い合うチーム対抗戦となっている。
5人で力を合わせてアトラクションをクリアし、勝利したチームがトロッコに乗る権利を得られそう” な、エキサイティング かつ 知のぶつかり合いを予想させる番組構成に早速期待が止まらない。

前回のクロマキー技術は更に発展し、背景には問題やギミックのみならず、別室で待機しているチームの中継映像が映し出されるようになった。
既に「謎技術」の発展に驚きっぱなしだが、GAIAチームリーダーのけんぽうさんが「こんなもんじゃないですよ」と前置きするとおり、その後に流れる映像の数々には二重、三重に腰を抜かすことになる。

今回の第2作目『ゴブリーグ』は、ふしぎ発見要素が一切なかった前作と異なり、完璧に元ネタに寄せている。

5文字で解答する「ファイブリーブ」
視聴者のアンケート機能を応用した「パーセントボムバルーン」
今見返してもどうやって作っているのか全くわからない「アレキボンバー」
そして最終の2択ボーナスステージ「オメガアドベンチャー」

どれもこれも元ネタの再現度があまりに高く、「月曜日の夜に家族と食卓を囲みながらテレビを見ている幻覚」が浮かぶレベルで凝った造りとなっている。

「ファイブリーブ」で1名だけが間違える展開も、
「アレキボンバー」でリーダーが「ごめん!〇〇!」と簡単なものを答えてしまう展開も、
「オメガアドベンチャー」の4問目から急に難易度が上がる展開も…

あまりに既視感がありすぎて、本当に地上波のテレビを見ているような気分になる。

本当ならここが見どころ!という点を提示すべきなのだが、他の4作品と比べて、見どころを絞ることが非常に難しい。「全編が見どころ」なのである。
制作陣のクオリティもさることながら、出演した豪華ゲストの皆さんも期待どおりの、いや、視聴者の期待以上のクオリティを提供してくれた神回と呼んでもよいのではないだろうか。
1コーナーにつき1か所はミラクルのような展開があるので、可能であれば通しでアーカイブを視聴していただきたい。
(あの人がまたしても伝説を作ったり、あの人がミラクル解答をねじ込んだり、あの人が奇跡を起こしちゃったり……もう、もう凄いんだから!!)

FF14への愛、そして元作品へのリスペクトを忘れずに、やるからにはとことん完成度を高めたい。そんな気概を感じたこの『ゴブリーグ』は、ただの「年末配信企画」がまた一歩大きな進化を遂げるターニングポイントとなる作品だったように感じられる。
このコメントを書くために改めて映像を見返していたのだが、エンディングのシーンで画面に流れるスタッフロールを見て、本当に多くのヒカセンがこの企画に携わり、同志とFF14の楽しさを共有するため、全力で一つの作品を作り上げているのだと改めて認識し、その熱い思いに触れて思わず涙が零れてしまった。

GAIAチーム、ELE / MANAチームのどちらが勝利するのか。そして勝者はオメガと共に神龍を打ち倒し、優勝賞品を得ることができるのか。
その結末はもちろんのこと、すっかり気が抜けてぐだぐだになってしまった司会進行と、「そして世界へ」が流れる爽やかなエンディングを、是非その目で見届けていただければ幸いだ。


以上、2017年12月に放送された「エオルゼアふしぎ発見!」と、2018年12月に放送された「ゴブリーグ -GOB LEAGUE-」を振り返ってみたが、いかがだっただろうか。
私も昨年になるまでこれらの年末特別企画を見たことはなかったのだが、そのすべてが、FF14を愛するヒカセンたちが、正真正銘のノーギャラで、心血を注いで作り上げた企画だというのだから、思わず目頭が熱くなるような興奮を覚えてしまう。リアルタイムで視聴できなかったことが非常に悔やまれるほど面白い作品ばかりで、あっという間に時間が溶けていった。
とはいえ、革新的な「謎技術」の進化や豪華ゲストの共演は、アーカイブで観たとしても心から楽しむことができる。
当時楽しんだ人は振り返りのために、そしてまだ見たことのない人はこの機にアーカイブで視聴してみてほしい。

そして、今年も配信が決まった年末特別企画は、是非ともリアルタイムで楽しんでほしい!

“非”公式だからこそできる夢のような番組を全力で楽しむために、過去の作品を見返しておくことを強くオススメしておきたいが、時間がない人は最新作である『目指せ一流!ヒカセン審美眼チェック』だけでも見返してほしい。これを見たかどうかによって、楽しみ方が随分と変わること間違いなしだ!

FF14非公式年末ユーザーイベント
「TREASURE HUNTER Q ~新大陸の眩き黄金郷~」は
2023年12月23日(土) 21時頃から配信予定!

FF14を愛するすべてのユーザーで、年に一度のお祭り騒ぎを盛り上げよう!

Writer:三剣 (@tri_tis_tri)
Copyright (C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?