MOKKE- インタビュー#3

Q.根尾に移住した理由はなんですか?

岐阜市で生まれ、岐阜市育ち、岐阜県以外で住んだことはありませんでした。お婆ちゃんにくっついて育ったこともあり家族を持ったらいつかは田舎で子育てをしたいと小さい頃から思っていました。田舎に戻るというか昔ながらの生活がしたいなと思っていました。家族全員がゆっくりと過ごせるような大きめの家を頭に浮かべながら、市の政策だったり子育てに特化しているのかということを調べたり実際に住んでいる人の話を聴きながら移住地を絞っていきました。もともと本巣市には作家やクリエイターの知り合いが多くてみんなが本巣は「いいよ、いいよ」と言っていたので週末になるとドライブをしたりして下見をしていました。本巣市内にあるカフェのオーナーに本巣市の地域おこし協力隊が山の中で活動をしているというのを聞いてイベントに参加しました。地域おこし協力隊の方が古民家を改装しそこを拠点に農業体験やリノベーションの体験、移住の相談などをやってました。そのイベントには企画財政課の方がいて、そこで空き家バンクの登録を行いました。その空き家バンクを通して今の家に出会いました。決まってからはとても早かったです。登録してから半年で根尾に引っ越すことになりました。もともと街で生活するということに対してストレスがありました。もっと人と接するような環境を求めていましたし、街だと近所付き合いがそんなにあるわけではないですしね。私の身体が田舎だとゆっくりできるということもあったと思います。山と川があると落ち着きますし住みたいと思っていました。本巣は幼稚園が3人目からは無料だったりと様々なサポートがあるのがいいと思いました。以前住んでいたところは自然も公園も近くに無く、家の目の前は車が多く通るところだったので遊びにも求めていましたし、家の中にずっといるということで子供に申し訳ないなと思っていました。

Q.空き家を探す際に基準があったのですか?

はい。私は旦那さんの家族と住みたいという思いがありました。その介護をするという問題もあったので同居すれば介護もみんなで分担できるし協力できるなと。今までは旦那さんのお兄さんがご両親の介護を一人でやっていました。お兄さんは横浜で一人で介護をやっていたのですごく大変そうなので岐阜に呼びたいなと思いました。街で探すと大きな家は高いですし購入するのは難しいです。田舎だと大きな家があり部屋数も多いので私達が求める「暮らし方」のニーズが満たされる場所が田舎にはあるなと思い大きな家を探していました。根尾で家を購入すると一部負担もありますしその時の条件にピッタリ合いました。

Q.根尾に引っ越してから家族の変化はありますか?

それはあります。うちの子供は上二人が発達障害のグレーゾーンで、街に住んでいた際は子供達が落ち着かないことが多くて子供と向き合う日々が大変でした。そんな時に街だとうるさくすると警察に呼ばれて虐待しているじゃないかといった目を向けられたりして、一応今ではTVでもそのような事件が多いので通報することが主流となっていますが、それもご近所さんとのコミュニケーションがないからなのかなと思います。隣に住んでいる人のことはわかりませんから街では。なのでその対応にもストレスをとても感じていました。根尾だと子供がわぁーとなっても外には聞こえませんし、気になったらご近所さんが大丈夫か?と訪ねてくれますし。「このような特性の子なんです」と根尾の人に話すと理解をしてくれ「遊びにおいで」と言ってくれます。なので、根尾に引っ越してとても子供達は落ち着いていると思います。一番下の三歳の子は街では家の中でしか普段は遊べなかったので根尾に来てからは庭があるので土に触り畑を一緒に耕してのびのびと育っています。

Q.不満なことはありますか?

あまり不便だったり不満に思うことはないです。とりあえず車があれば買い物にもいけますし自給自足もしたいと思っていたので今の生活を楽しんでいます。物や情報が少ない方が私はいいなと思っています。ないほうがアイディアも出るし工夫や自分でやってみようという気持ちが出てくると思います。物が壊れたら直す技術も子供には教えたいと思っています。私はおばあちゃんの生きる姿を見ていたので壊れたものは直すというのが当たり前ですが、そのような物と長い時間をかけて接するということも子供には教えたいなと思っています。不満な点は強いて言えば学校が少し遠かったり仕事場が根尾にはあまりないことです。根尾にも仕事はあるのですが若い人を惹きつけるような条件や内容の仕事はないですね。専業ではなく週末だけ林業に関われる副業型林業に今は興味があります。複数の仕事を持ちながら根尾で生活をするということをやって行きたいですね。百姓のように。田舎は忙しいです。畑をしていると自然は待ってはくれないですし。根尾の人は早起きで自然とともに生きています。

Q. 根尾のいいところは何ですか?

土地が広いのがいいですよね。街ではバスケットのゴールをつけるのも大変ですよね。周りへの配慮が必要ですしその分根尾は境界線がゆるいというのも良いことなのかもしれません。こっちでは庭を横切られても顔見知りですし心配がないです。人との関わり方もベタベタしてない気がします。のんびりというか。街では何かをやるときにあの人はリーダーだから私たちはやらなくてもいいという感じだったんですけれど、こっちではみんなで助け合ってやるというのがいいですね。居住空間もお隣さんとの間に畑があったりするのでお互いの生活の空間は尊重されていると思います。例えば、街で真ピンクの色に壁を塗ったら大変なことになるとは思いますがこちらではなんでこんな色に塗ったん?(笑)どうしたんみたいな話になると思います。それは居住空間が広いということもありますし、その空間が暮らしのゆとりを生み出していると思います。街では個人がどうあるか在りたいかの前にルールが前提に成り立っていると思います。それがないと人を管理できないと思いますし当然だと思います。田舎は厳密すぎるルールはありませんしそのゆるさが好きです。

Q.引っ越しをした際にまずしたことは?

まずは人付きあいがとにかく大事なことだと思っていたので、最初にしっかりしておけば田舎は周りに助けてもらえます。 自治会の総会の日に事前にアポを取り挨拶にいきました。その際に洗剤を持っていき自治会の皆さんにお配りし家族の自己紹介をしてご挨拶いたしました。ご挨拶行った後は子供のことを気にかけてくださったり、すれ違う際にご挨拶いただけたりと近所の方々との交流を楽しんでいます。分からないことってとても不安になると思います。お互いに。なので最初にそのような交流を持つことは大切だなと思います。そのような交流から行事に誘っていただいたり、お食事に呼んでもらったりお野菜をいただいたりという関係性を作れています。関係性を作っておくことで子供達が遊びに行っている時にも「あそこで遊んでいたよ」とか自分の目の届かない時にも共に育てるとは行かないまでも孤独に子育てをすることにはなっていません。

Q. 根尾には子供は何人いますか?

小学生は30人弱、中学生は15人ほどです。子供は一人もいない集落もありますし一人のところもあります。

Q.根尾の方は子供が少なくなっている現状についてどう思っていますか?

まずは根尾から出て行った方々が少し年をとって自分が住んでいたところは良いところだったんだという声を何人かから聞くことがあります。戻ってくる人も最近だと何人かいらっしゃって、これから根尾の良さを伝えて根尾に住む人が増えれば良いなと私は思っています。住んでいる方も人口が減少している現状について自覚されていますが、実際に根尾を残したいのだけれど、どのようにそれを解決すれば良いのか分からないという声をよく聞きます。移住者だからこそやれることってあると思います。移住者だからこそ感じることのできる根尾の良さ、視点があると思います。なので、これからの活動はもともと根尾に住んでいらっしゃった方とともに根尾のためになる活動をしていきたいです。具体的は根尾を知ってもらうためのイベントを開催していく予定です。体験型で田舎のご飯を食べてもらったりピザ窯作り、田植えと身体全体で根尾を感じてもらうイベントを予定しています。

求めているものを自分自身で感じる。

都会には都会の。田舎には田舎の。アメリカにはアメリカ。とそれぞれの場所において幸福感というものがあると思います。もちろん個人個人の。幸福感とは日常の様式。日常にどのように暮らしを営んでいるかだと思います。都会の生活が苦しくなって終わりではないと思います。異なる暮らし方の選択肢そして場所があるということです。なのでその時その時その人が求めているものを自分自身でニーズとして感じ、暮らしの実践から幸福を感じることことが重要だと思います。




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MOKKE モッケ

「mokke」は岐阜県、本巣市の中山間地域である「根尾」を新たな生活の場として選択した若い世代を対象としたインタビューをまとめたものです/外国人である編集者の日本に来てから幸福とは何かについて探求の過程を語っています!

Mokke

「mokke」は岐阜県、本巣市の中山間地域である「根尾」を新たな生活の場として選択した若い世代を対象としたインタビューをまとめたものです/外国人である編集者の日本のに来てから幸福とは何かについて探求の過程を語っています!
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