最近初めてドラクエをプレイした者のドラゴンクエスト ユアストーリーの感想

タイトル通り、私はドラクエを最近になって初めてプレイした者です。現在27歳、ゲーム歴は20年ありますが、「どうぶつの森」「牧場物語」のようなゲームが好きなタイプ。RPGは「ポケモン」は大好きですが、他は「シルバニアファミリー」「ハム太郎」のようなそこまで深刻な世界は救わない系のRPGしかやったことありませんでした。

なぜ今更ドラクエをやったかと言いますと、超ドラクエ好きな旦那が映画を見に行きたがったからです。原作を知った上で見に行きたかったらしく、ドラクエVのスマホ版を買い与えられたため、まさに映画のために原作をプレイしました。

結果として色々思うところがありすぎて、こうしてnoteのアカウントを作ってまで書いているところであります。noteを書くのも初めてなので読みにくいかと思いますが、どなたかに読んでいただければ幸いです。

時系列的にドラクエVの感想から書きますが、映画の感想の最初に箇条書きにゲームの感想も載せますので映画の感想だけ見たい方は飛ばしてください。

ドラクエVの感想

あまりにも有名すぎて、なんとなく内容は知っていました。パパスがぬわーするとか、フローラとビアンカを選ぶとか。アメトーーク!は見たことがあるので、そこでの知識もなんとなく。

ちなみに私はフローラを選びました。前情報的にはビアンカを選ばないことができないみたいな話を聞いたりしていたのですが、個人的には逆でフローラを選ばないことの方ができませんでした。なんででしょうね? あとさらに言うとデボラの方が好みです。しかしデボラで1周目するのは違うなと思ったのでここでは選びませんでした。

全体的にプレイ中苦戦したのはフラグ立てです。前述したように私が一番やっているRPGはポケモンなのですが、ポケモンって次に進むべきところがわかりやすく、何かこなしていないことがあれば先へ全く進めないんですよ。それがドラクエだとまずどこへ行けばいいかわからない、そしてフラグ立ててから行かないとイベントが起こらない、その割に自由度高くて結構進めちゃうというのが本当に苦戦しました。かなり早い段階で攻略サイトを見てしまいましたので、リアルタイムで苦労してプレイした人とは思い入れは変わってしまったかなと思います。

戦闘はポケモンでコマンド系は経験があるため、そこまで苦労しませんでした。呪文がなかなか理解できませんでしたが、基本はレベル上げていればそんなに難しくはないですし。私がプレイしたのはスマホ版なので、簡単にもなっているんでしょうか?

ところが、一戦苦労した戦闘があります。ブオーン戦です。それまでの敵は殴っていれば勝てたので、攻略を見ていませんでしたが、ブオーンで初めて攻略をちゃんと見ました。そのためこの後の敵は攻略を先に見るという習慣ができてしまったので、ブオーンより強かったとしても楽に倒せてしまって…。ブオーン戦が一番記憶に残っているわけです。攻略を見る前に一度パルプンテをしてみたら(パルプンテ覚えたてで使ってみたかったため)、全員ドラゴンになってしまって、命令できず全滅という負け方もいい思い出です。しかもブオーンは他の敵と違ってなんだか可愛らしい見た目をしてますよね。すごく印象に残る敵キャラとなりました。

敵キャラという点でいうと、ラスボスのミルドラース様は存在感が薄く感じました。実際目にするのは最後だけなので…。ゲマさん(なぜだかわかりませんが呼び捨てにできない)が名前は口にするんだけども、ゲマさんは逆に印象が強いので余計に。そしてラスボスの時点では十分にゲーム性を理解して、かなり準備して戦闘に挑んでいるのでそこまで苦戦せずに倒せてしまいましたし。なんだか申し訳ない気分です。

全体として楽しかったのが、ゲームの中で時がたつという世界観がとても好きです。牧場物語でも時がたつ感じがとても好きで、主人公だけじゃなくてしっかり世界も時がたっているというか、それぞれのキャラクターがその村や街で生活していたんだなということがセリフからわかる感じがとても良かったです。この壮大な世界観にはファンが多いのも納得です。

ストーリーとして感動したのはドラゴンオーブの話。明らかに何かの伏線だな…というのが幼年期にあって、期待を裏切らないとても良いストーリーでした。これも時がたつというシステムがあるからこそですね。またプサンとの出会いもけっこう印象強いです。ドラゴンクエストっていう名前からドラゴンは出てきて当然なんですよね? それすら分かっていない状態だったので、あのプサンがドラゴンに!とすごくびっくりしてしまいました。

ここまでが原作の感想となります。ちなみに映画前にやったのはミルドラース撃破までです。さて、これで思い出補正のないゲームの記憶がしっかり残っている人間ができあがりました。クリアして数日後に映画を観に行きましたので、以下その感想となります。

映画 ドラゴンクエスト ユア・ストーリーの感想

まず原作プレイによって印象に残った点は以下のとおりです。

・個人的にはフローラ一択、デボラも好き
・ブオーンが強くてかわいかった
・プサンにはびっくり、ドラゴンオーブの話好き
・ゲマさん怖い、ミルドラース様って誰
・壮大な世界観がとっても楽しい

では映画の感想をしていきたいと思います。ネタバレを含みますのでご注意を。さらにわかりやすいように「良かった点」「疑問に思った点」「ラストについて」に細分化します。

〇良かった点

良かった点!いっぱいあります!

まず前述のゲームの感想をわざわざ長く挙げたのは、私がゲームで印象に残った点はしっかり出番があったんです!原作の膨大なストーリーをどうやって映画の約2時間にまとめるんだろう…という心配があったんですが、ほんとお上手…!と思いました。ただ私の感性と近かったからかもしれません。ヘンリー好きな人だったら嫌だったところあると思いますし。どこかは削らないといけないのは仕方ないことで、特に良いなと思ったのは勇者の装備を剣だけにした点とリングを集める過程をなくした点です。どちらも物語としてすごく重要なんですが、カットの仕方が上手でした。リングを集めるところは結婚にも関係するのですが、そこをブオーン戦にしてしまうというのは画期的だと思います。すごくドラクエVダイジェストとして見やすくなっていました。

キャラクターについてですが、私が原作で気になったブオーン、プサンといったキャラがしっかり出ていたことがうれしかったです!特にブオーン!ブオーンの大きさ、怖さ、そしてもふもふ感。私は逆にブオーンがカットされることもあるだろうと思っていたのですごくうれしかったです。しかも味方になってくれる演出もすごく好きです。ブオーンファンの私はとっても満足です。

ブオーンも含めですが、3Dグラフィックはすごく良かったです。とにかく綺麗ですし、戦闘シーンも迫力があってすごく良かったです。特に好きなのは街並みです。ポケモンでもそうですが、ゲームでは建物の数が少なくて、そのまま再現してしまうと全部田舎になってしまいます。中でもフローラたちが住んでいるサラボナは今私がゲームでデボラルートをやっていてわかったのですが、そこそこ都会な町の設定です。あのゲーム画面から映画であのサラボナの町。これはドラクエファンの方に見てほしいなと思います。

まとめると、3Dアニメの部分は全体的に良かったです。3Dアニメって海外の方が強いイメージがありましたが、邦画でもここまでできるんだなと。むしろ海外製だからこそ自分に合わない部分がなくて、すごく良かったです。このグラフィックで他の作品も見てみたいと思うくらいです(脚本全体の部分については除く)。だからこそ色々と疑問に思う点や、ラストについては思うところがあるのですが。

〇疑問に思った点

あえて悪かった点とは言いません。私は気質がオタクで、細かい点がすごく気になってしまいます。ここには悪かった点ではなく、オタクとしてはここは疑問という部分を書きます。

まずはヘンリー(大人)の性格です。ヘンリー(子供)はかわいかったです。しかしヘンリー(大人)の性格が奴隷を10年したわりにバカ王子感が抜けていない。特に原作のヘンリーはかなり丸くなっているというか、主人公とは完全に対等な親友というイメージでした。そのためヘンリーが主人公から呼び捨てにされることに訂正を求めるシーンは違和感を感じました。最終決戦で参戦してくるところはヘンリー良かったのですが、そこに比べたら細かい所ですけど人の呼び方って距離感が見えるので大事ですよね。あれは冗談としてヘンリーが発していたのでしょうか…?そう見えなかったところが疑問です。

そして結婚です。ビアンカルートになったのは全然問題ありません。フローラ派ですが、ビアンカが正規ルートなんだろうなとは思っていますので。疑問に思っている点はその過程です。映画ではブオーンを倒して結婚の条件を満たしたあと、フローラに直接プロポーズをしに行くのですが、ここからおかしくなっているような気がします。結局はフローラを振るのに全力でプロポーズをしてしまうのです。原作ではルドマンさんに話して、直接会話するのは完全に決めてからじゃないですか。直接プロポーズしておいて、翌日振ってそのままビアンカにプロポーズって。自分がフローラ派ということを抜きにしても、普通に女性目線としてこれはないと思いました。こうなってしまった原因はラストで明かされるのですが、にしても!! フローラがかわいそうという気持ちより、主人公が屑に見えることとこんな軽い男の主人公のプロポーズを受け入れるビアンカが心配です。展開が急すぎるような気がするんですよね。もっと何か伏線があれば良かったんですが。ビアンカ側が想っているというのは見えるのですが、主人公がビアンカを想っていることがギリギリまで全く見えないというところが問題なのだと思います。

最後にこれは一番細かいところなのですが、序曲の使い方です。序曲ってあの一番有名な曲ですが、それが主人公がサンチョから剣を受け取って冒険に行くというシーンで使われているところに違和感を感じました。これは原作のゲームをやっていないと感じなかった点だと思うのですが、序曲は「さぁ冒険に行こう!」というテーマの曲ではないと思うんです。オープニングで出てくるのでドラクエを総括する曲には間違いないと思うのですが、他にゲーム内で出てくるのはドラクエVの場合は主人公が国王に即位するときです。ここは気になってネットで調べたりしたのですが、ゲーム内ではそこまで頻繁にかかる曲ではなく、ファンファーレから始まる「何かを祝う」曲だと思うんです。そのため他の場面で使うことには何か違和感がありました。原作ゲームをやらなかればそうは思わなかったのでしょうけど。ただこの点については他にどうすればいいとかは思いつきません。序曲を盛り上がるところでかけたい気持ちはわかりますし…。

参考:音楽/DQ5 - ドラゴンクエスト大辞典を作ろうぜ!!Wiki*
https://wikiwiki.jp/dqdic3rd/%E9%9F%B3%E6%A5%BD/DQ5

以上ここまでが疑問に思った点というか、オタク的な愚痴ですね。ただしこれらは自分勝手な意見だということは理解しているつもりなので、だから悪い映画だったとは思いません。こういった議論だけで終われる映画だったら良かったんですけどね。

〇ラストについて

まず初めに、私はこの映画のラストについては完全に否定派です。このnoteを読んでくださっている方はもう内容については知っているかと思いますが、謎のウイルスに立ち向かうという話のところです。映画のネタバレは踏まないように気を付けていたのですが、現実に戻されるオチが待っているぐらいは知った状態で見てしまっていました。しかしそれ以上でしたね(笑)もう本当に誰かに話さずにはいられなくなりますね。

まず突拍子がなさすぎる展開だったように感じます。この世界がVRだという伏線は後から思えばありましたが、ウイルスに侵入されているような伏線はなかったんじゃないかと思います。少なくとも私は気づきませんでした。そしてこの終わり方はドラクエと全く関係がない点が一番腹が立ちます。どのゲームでも成り立ってしまうじゃないですか。こういった終わり方にするなら、冒険の書を消すプログラムだとかドラクエのオリジナリティを感じられる部分を出してほしかったです。大筋は変えなくてもいくらでもやり方はあったと思います。これで本当にブラッシュアップされたものなのでしょうか。とにかく全体的に雑に感じました。

ただある意味良かった点が一つだけありまして、スラりん(アンチウイルスプログラム)の登場です。声優さんの情報は主役ぐらいしか知らなかったため、ラストでいきなり山寺宏一さんの声で饒舌に喋りだしたところで大爆笑しました。狙ってやっているならすごいギャグセンスだと思います。この衝撃は映画館で観てこそだと思うので、映画館で観て良かったです。

本当にこの映画はラストがすごく残念でした。ドラクエの知識は付けましたが思い入れはそこまでない私でそう思うので、昔から好きな人はもっと嫌だったのではと思います。ポケモンでいうとグリーンがウイルスに乗っ取られて出てくるぐらいのことですもんね。そう思うと出番さえなかった本家ミルドラース様可哀想すぎます。

映画を観るまではネタバレを踏まないようにするため、前情報等を仕入れなかったので観終わった後はレビュー、コラム、批評等々読みました。中でも面白かったのがこちらのコラムです。

なぜ『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は賛否両論の問題作なのか?それはゲーマーに対するふかい愛があるからだ
https://jp.ign.com/dragon-quest-your-story/37548/opinion/

制作側の意図、なぜこのようなラストにしてしまったのか、とてもわかりやすいです。CGの出来栄えやキャストの有名さから制作側は手を抜いているわけではないのはわかるのに、なぜこんなラストになるのだろうとすごく疑問だったのですが、このコラムのような考えのすれ違いが起きているのだとしたら納得です。解釈違いって本当に怖いもんですね。

色々と書きましたが、とにかくラストには不満しかありません。このラストは嫌だし、このラストにするならばもっとこだわってほしかったです。とにかく残念の一言に尽きます。

最後に

結局酷評のようなことを書いてしまいましたが、私はそれだけが書きたくてわざわざ初めてnoteを書いたわけではありません。ドラクエのゲームが楽しかったということ、映画のここが良かったという点も誰かと語り合いたかったのでこうして書いてみました。ラストの愚痴だけならtwitterで十分なので。愚痴はいっぱいありますが、ここまで心に残る映画は私にとって良い経験でした。

そして私以外の人もこうやって色々この映画についてどこかに発散しているのではないでしょうか。私も色々な人が書いたものを読みましたが、皆さんとても良い文章を書いているんです。特に自分ならこうするといったことを書いている方の中で、このドラクエ見たい!と思うものいっぱいありました。ドラクエってその有名さの割には映像化等少ない方のような気がします。色々なドラクエがあって良いと思うのですよ。そうすればこのユア・ストーリーも1つの作品として受け入れられるのではと思います。

原作のあるアニメ化実写化はどうしても原作と比べられてしまいます。今回はアニメ化でしたが実写化はさらに映像化できる限界が狭まるのでもっと色々言われますよね。私も自分が好きだった原作が自分が嫌な実写化をされたことは何回もあります。そこで何よりも嫌なことが基本的に1つの原作に対して1つの実写化しか行われないため、一度失敗されるともう自分が理想とする実写化がなくなることが決定することです。他のパターンも見ることができれば自分と解釈違いだなぐらいの軽い気持ちで終わるのですが、もう自分の理想が見れないという怒りが加わってしまうため、批判に熱が入ってしまうのです。

少し脱線しましたが、この映画に対しても私の気持ちは同じです。おそらくこのままではドラクエの3DCGアニメは今後されないでしょう。それは本当に嫌です。別の切り口での映像化を見てみたいです。そうすればユア・ストーリーもユア・ストーリーとして観ることができるのに。3DCGアニメを作ることができる監督すべてがドラクエを映画化してくれればいいのに。そんな気持ちです。

ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます。この気持ちの成仏ができます。ドラクエに思い出はないため、冷静に映画を観ることができ、こうして冷静にnoteに書くことができました。このような気持ちは初めてで、いい経験になりました。また心動かされることがあればこうして書いてみたいと思います。

蛇足ですがドラクエVの方は今デボラと結婚し直して進めているところです。まだまだ私は冒険中です。ブオーンもプオーンとして仲間にできるらしいので、頑張ってみたいと思います。私をドラクエに出会わせてくれたこの映画に感謝します。

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