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【This Is the Police 2】主人公ジャック・ボイドは善人か悪人か?

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ストーリーが海外ドラマのような演出で展開され、視聴者感覚で楽しむことができる点が強く印象に残ったゲーム。音声は英語のみで字幕送りが読み切れないくらい早いこともあるが雰囲気が味わえれば十分なので問題ない。タイトルの通り"This Is the Police"の続編ではあるが、前作未プレイの私でも何の支障もなく楽しめたので、本作から入るプレイヤーも安心の内容だ。(もちろん前作を遊んでいた方が楽しめそうな節はいくつかあったが)

大きく分けて3つパートがあり、一口にどんなゲームと説明するのが難しいが、どの要素も面白く満足度の高い作品だ。
・ストーリー(ムービー)
・警察署運営シミュレーション
・戦略シミュレーション

クリアに30時間以上かかったのでボリュームは多すぎる位で申し分ない。数あるクエストは特徴的なテキストで語られていてひとつひとつが読み物として楽しめるし、十分にやりがいを感じられる程度に難しいので、あっという間に時間が経ったという感覚だった。
ゲームは1日単位で進みこのタイミングでセーブされるのでプレイを区切りやすい。適度な止め時があるのも良い点だと思う。

◆ジャック・ボイドは警察署を乗っ取れるのか!?

ジャック・ボイドは警察署長の地位に就きながら犯罪組織に手を貸し富を得た過去があり、今は追われている身である。無計画か組織に指示されたのか、犯罪の蔓延る町「シャープウッド」にやってきた彼であったが、新しい住処は密売される麻薬の保管場所だった。ほどなく警察による捜索が入り、逮捕されてしまう。

ジャック・ボイドが留置された警察署の長であるリリーは悩んでいた。悪知恵の働く犯罪組織を相手に被害が増える一方、一向に改善しない治安。女であることや優柔不断な性格のためか、なかなか言う事を聞いてくれない癖のある部下たち。そんな彼女が一部で英雄ともいわれる警察署長であり、今は容疑者として拘留されているジャックと出会う。格子越しに、彼はリリーに懇願する。
「過去の行いは実は騙されて罪を着せられたもので本意ではない。この町でリリーの手助けをして、汚名を返上するチャンスが欲しい」
彼女は指名手配犯である彼の情報をFBIに伝えない事を条件に、状況の打開を図るのだった。
こうしてジャック・ボイドの警察署乗っ取り計画が始まる。

◆海外ドラマの様な演出が光るストーリー

このゲーム最大のウリはなんといってもストーリーのムービーだ。マンガのように細かくコマ割りされるシーンがあったり、カメラアングルがオシャレだったりでまずは見た目で楽しませてくれる。会話はシリアスありジョークありでこれも面白い。おまけに声優さんの演技にかなり力が入っていているので、これらが相まってまるで海外ドラマを見ているような感覚だった。

◆我儘な部下をうまく使って通報に対処せよ

ジャック・ボイドに任された仕事は、リリーに代わって警察署の通常業務である通報及び事件対応の指揮を執ることだ。

この運営シミュレーションパートでは、様々な理由をつけて休もうとする部下たちをうまくやりくりして対応しなくてはいけない。

通報にはそれぞれ必要な総ポイントが設定されており足りないと対応できない。対処できずに通報を無視すると、管理者としての評価が下がってしまう。個々の警官に設定されているポイントは事件に対処した際に増やすことができるが、選択肢次第では減ってしまったり殉職して居なくなってしまうので、ポイントだけでなくスキルや装備を考慮して現場に送るメンバを選定する必要がある。

通報及び事件は使いまわしの内容ではなくストーリーにも引けを取らない特色のあるテキストを読む事ができる。いかにも無法地帯で起こりそうなカオスな内容なのでひとつひとつが読み物としても楽しめる。通報はそのすべてが事件というわけではなく、通報者の勘違いの場合があるのも面白い。

◆絶対に撃たれてはいけない命がけの突入任務

犯罪組織の拠点を捜索する際は、戦略シミュレーションが始まる。敵味方とも銃を所持しており、心臓に被弾すると即死し、それ以外の場所に被弾すると瀕死になる。瀕死のキャラクターはターンが経過するか追い打ちを受けると死んでしまう。

管理者としては犯人を逮捕(生け捕り)した方が評価が高くなるので、できるだけ敵を殺すことなく、かつ部下には怪我をさせずに切り抜けるのが理想だがこれがなかなか難しい。殉職はいわずもがな、負傷してしまうと動けなくなったり攻撃ができなくなり戦力が大幅にダウンしてしまう。このパートには最大で6人までしか参戦させられないので一人の脱落の影響がかなり大きい。従って誇張抜きで部下の被弾はミッション失敗に等しいため、全てのミッションに程よい緊張感がありクリア時の達成感もひとしおだった。

◆いかに手駒の警官を増やしつつ育成するかがカギ

1日の終わりに警察署運営や突入ミッションをこなして得られる「プルタブ」を使って、警官や装備の追加を行うことができる。プルタブは犯人を逮捕すると一番多く取得できるので、とにかく逮捕を狙って立ち回るのが良い。

忠誠度の低い警官はわがままを言いがちで、突入ミッション時には勝手に行動するので使い物にならないので注意が必要だ。ポイントの低い警官を育てるのはとても手間がかかる。もし任務中に負傷した警官が居たら、彼らを(治療にかこつけて)間引いて別の警官と交換することができるようになるので検討してみてはどうか。こういう点に本作の闇が垣間見えるのも面白いところだ。

◆Jazzyでオシャレな音楽がステキ

本作では全編でジャズ風の音楽がBGMとして流れる。レトロな時代背景に合っているし、オシャレなバーや喫茶店でくつろいでいるような気持ちで望むことができてとても良い。現場に出向かず警察署の高所でソファーに座りながら命令を出す風景をイメージしてしまう。サウンドトラックは820円で購入できるのでそちらもオススメ。

#Steam #ゲーム #レビュー #This_Is_the_Police_2

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