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モヤモヤする応援の話

モヤモヤする。めちゃくちゃモヤモヤする。
5月だったが「与田監督がこう思っている」という真偽不明のツイートが流れてきたときは「ふーん」くらいだったが、本当だったのか。


中日の応援団は一応「私設」ながら、立ち上げ時に球団を通して団員を募集した経緯がある。立場は微妙だ。
そもそも私設応援団の活動が許可制となっている以上、球団の意に逆らえば許可証を取り上げられる可能性がある。
球団からそう言われてしまえば突っぱねるのは難しい。
そんな中で黙ってお蔵入りにするのではなく、あえてツイートしたのは意地にも思える。
(そもそも「応援される側」が「応援する側」を管理するって…)


忘れてはいけない大前提は「ファンは選手・チームを応援させてもらいっている」ということ。
分かっている。そんなことは分かっている。
いくら選手がファンを持ちあげてくれても、選手のほうが絶対的に偉い。
「声援のおかげで打てました!」
そんなことはない。お前…じゃなかったあなたの努力の賜物だ。ファンは思い上がってはいけない。

大多数のファンはそれを分かって応援している(と思う)。
分かった上で「声援のおかげで打てました!」の後に「いえーーーい!」と叫んでいる。

もちろんいくら野球が上手くてもファンがいなければ生活できないのもまた事実。
選手にはちょっとだけそのことを意識しておいてくれればいいと思っている。

「日頃わたしは懸命にプレーする選手をからかい、些細なミスに付け込んでは品のない野次を飛ばしてストレスを発散する、いたってノーマルなプロ野球ファンであるが、それはもちろん、選手がわたしとはかけ離れた世界の住人であり、絶対に手が届かない存在であることを知っているからこそできる所業であることは言うまでもない」
(Number731 奥田英朗「どちらとも言えません」)


そして応援について。
野球っていうかプロスポーツが始まって以来そうだったと思うけど、
ファンはスタンドから「打て!」「走れ!」「金子ー!」と命令系で叫ぶ。
ファンの論理から言えば当然だ。。
細かいことを考えずに叫ぶことができるのが、非日常の空間であるスタンドって場所だと思っている。
選手にとっては確かに人生を賭けている場だけれど、それが見せ物になっている以上はファンにとってはエンターテイメントだ。
選手からしたら酷な言い方だろうけど。

とはいえ大多数のファンがいざ選手と1対1になったら、
「が、頑張ってください…!」「金子侑司さんカッコいいです…」と丁寧語になるはず。
「選手とスタンドにいる大多数のファンのうち1人」じゃなく「1対1の人間同士」の環境ではリスペクトを全身で表す。当たり前だ。大前提だ。


この言葉で表現するのも難しいバランスの上に選手とファンの関係は成り立っている(と思ってきた)。
よりによって数十年続いてきた応援歌がいきなりそんな指摘を受けるとは…。Twitterでみんな大喜利してる通り、大体のコールや応援歌は命令形だ。「サウスポー」に限った話ではない。


与田監督はどうしたんだ?初めての監督業で余裕がないのか?ファンが信用できなくなる出来事があったのか?
と考えていて一つ思い出したのが松坂大輔のこと。
周知の通りキャンプでファンに腕を引っ張られて負傷。今季はまだ一軍登板できていない。
憶測にしか過ぎないけどそれが影響してファンへの信用が薄れているのか…?

あと一つ気になるのがこれがドラゴンズで起こったということ。
言うまでもなくドラゴンズの親会社は中日新聞社だ。
「言論の自由」とまで大袈裟に言うつもりはないけど、一つの物事に色々な意見があることは一番分かっているだろう。
そりゃ監督は現場では最高責任者だけど、いきなりそんな決断しちゃって大丈夫?

極端に言えば「気に入らない応援歌について球団に苦情を入れれば変わる可能性がある」という悪しき前例を作ってしまった。

今年はイーグルスでも半ば強引に既存の応援が一新され、今回はドラゴンズでこの発表。なんだかなあ…。

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