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子どもとスマホ〜親としてどうするか〜

はじめに

2017年11月23日、「子どもとスマホ〜親としてどうするか〜」という講座を開きました。

第一部、ネットリテラシーについて研究されている機関から講師をお招きして、実情をお話いただきました。そのお話を受け、親としてどう考え、どうするか、第二部としてわたしがお話しました。

当時、「うちの子はまだ小学生だから内容的に早いかな」なんていう声がありました。

あれから2年、スマホについて「小学生だから早い」と思っている方はいないと思います。そのくらい、ものすごいスピードで世の中は変わっています。「よくわからない」なんて言っている場合ではなくなってきました。

子どもを取り巻くスマホやインターネットの世界がどうなっているか、学校単位で勉強会も開かれています。毎年受けてもいいのではないかと思うくらい、状況はどんどん変わっています。NTTdocomoで無料のスマホ講座があります。

ぜひ、なんらかの形で勉強なさってください。

親が学ばなくてはいけない理由

わたしの長男(2017当時高3)が中学生のころは、ほとんどスマホを持っている子はいませんでした。次男(2017当時高1)が卒業のときには、卒業式のあとにほぼ全員がスマホで撮影会をしていました。現在、小学生の半分以上がスマホまたはケータイを持っている、と生徒が言っています。

刻一刻と事情が変わる世の中で、あなたはお子さまにどうするか、考えていらっしゃいますか?「自分はそんなの持っていなかったから与えるつもりはない」という皆さん、電話が普及した頃を想像してください。「自分が使っていなかったから使わせない」と、もし、皆さんが親から禁止されたとしたらどうしたでしょうか?

小さい頃から見て来た高校生がどのようにスマホと付き合っているか、わたしの家ではどうしているかなど、ここでしか話せないことをお話しようと思っています。

Q:子どもがまだ対象年齢じゃない(小さい)んですが・・・

A:お聞きいただけたら、けっして早すぎることはない、ということが分かると思います。わたしの経験上、「コトが起きたときしっかり対処できる、または、コトが起きない」のは事前にちゃんと考え、情報を集め、準備を進めているからです。持っていなくても被害者にはなり得ます。

特に、小さいお子さまのご両親は、「今と同じ感じで子どもをコントロールできる」と思っています。でも、たとえば中高生になったら、言うことは聞かない、ろくに話もしない、知らないことが増える、友だち関係も把握してない、反抗したら「泣いてわめいて」じゃなくて「ぷいっと無視して出て行く」または「怒鳴って暴れる」ことも充分、どの子にもあり得ます。

それでも「使わせない。10時まで」なんていう制限を利かせられるのか、わたしは疑問です。

もし、今、「好き放題には使わせない」「フィルタをかける」「時間制限する」など、親がコントロールする方法で対応できると考えていらっしゃるなら、ぜひ、ご参加いただくことをおすすめします。

なぜスマホの講座を企画したか

あなたのお子さまも、おそらくスマホを持つことになります。(いや、分かりませんね。昨今の技術の進歩を鑑みると、スマホどころではない端末に変わっているかもしれません。だって、つい2〜3年前にはケータイを持っている子も少ないくらいだったんだから。)

スマホは小さなパソコンです。「普通に育てていたら普通に使う」という甘い考えはききません。なぜなら、そもそも「普通」なんかないものだからです。スマホは単なる箱で、「中に何を入れるか」「何に使うか」無限に拡張できます。

スマホを使ってトラブルや問題を起こす子はどんな子かご存知ですか?70%が非行歴のない、いわゆる「普通の子」だそうです。なぜかというと、「ごくごく軽い気持ち」だからです。

普通って??軽い気持ちって??

あなたが中高生の頃を思い浮かべてみてください。ごくごく軽い校則違反ってしたことがありませんか?たとえば学校にマンガを持ってきて貸し借りするとか。昭和のわたしの学生時代は、ほぼ全員が学生かばんをぺっちゃんこにつぶしてました。そのことって、自分たちは「非行」ってほどの意識はありませんでしたよね。

スマホで問題を起こす子も同じなんです。ただ道具が違うから、問題が大きくなってしまうだけです。

問題が大きいから処罰もとても厳しいです。無期停学とか。内容は、昔でいうと、当たり前に「交換日記でやっていたこと」レベルです。

脅かしてしまいましたが、このくらいの危機感を持っても良い状況だと思います。

けれど、わたしがこの講座を企画した最大の理由はこのことではありません。

わたしはiPhoneを発売当初から使っています。その前はiPod touch(iPhoneの電話機能だけがないもの)を使っていました。パソコンは大学生のころから、インターネットは電話回線でピーガラガラと繋いでいた頃から利用していました。会社員のころはもちろん、今でも仕事には欠かせないし、スマホとネットがあるおかげで実現していることがいっぱいあります。

つまり、ちゃんと利用すればあらゆることが実現可能になる便利な道具になるんです。

あなたは、これまでも「生きる力を持った子」に育てるために、なるべく質がよく、一歩進んだ子育て、教育を考えて来られた方だと思います。

子どもにスマホを持たせるとき、どうせ使わせるなら、

必要な情報を適切な検索ワードで探し出せる
交通手段、時間、地図などを自分で調べてどこにでも行ける
適切な日本語を使った文章を素早く打てる
自宅のWifi環境の設定ができる
データ通信料や仕組を理解し、自分に適したスマホの通信プランを選べる

積極的にこのような能力や技術、知識を持った子にしませんか?

そのためには、持たせる段階になってあれこれ制限してコントロールするような与え方ではなく、そのずっとずっと前から、ここを目指して育てる必要があります。

受講後のアンケート結果

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●「あった」とお答えの方、それはどんなことですか?

・ライブ生動画のこと。答えは自分で考える、決めるということ

・カップル動画とかダッシュボタンなど、世の中や子どもたちに現実的に迫っている問題というのが予想以上にたくさんあった。第4次経済成長。

・佳織先生の「スマホを持つことは決まっている」という言葉にハッとしました。たしかに自分が与えるかどうかに関係なく、使う日が来るのは確実だと思いました。

・子どもがYouTubeを使っているのは同意したことになる。13才未満は使ってはいけないという規約があることなど。

・IoTの話。ミクチャ、ツイキャスの実際

・「わたし、ミクチャとかツイキャスとか、実はツイッターも他のもちゃんと知らないかも」と思いました。

・「ツイキャス」等、生動画配信まで簡単にできてしまうこと

・今現在のネットの発達、進歩について。子どもたちが使っているネット状況について

・今の高校生の現状について。利用規約について。子育ての終わり、成人のときに世話を100%やめるということ。

・「大人と子どもの区別なし」で平等の権利、そして責任も平等。インターネットのSNSの世界ではこれを頭に入れて使用しないといけませんね。

・Google検索、LINEぐらいしか使っていないので、心配の種もありませんでしたが、子どもたちの方がインターネットを身近に思っていて、きちんと活用していることにびっくりしました。娘が活用するまでに親として、知識を得ようと思いました。

・顔を知っている人だけがつながっているだけではないことはわかっていたけど、改めて世界中の人とつながっていることがわかった。

・何気なく撮ったものがポルノとして違法とされてしまったこと。バカな投稿をした人を探す人がいるということ。

・IoT、第4次産業革命、世の中びっくりするほど進化している…。ついていけない…💦

・佳織先生の「自立」に関する考え方

・ミックスチャンネルの動画、将来の生活(面白かったです!)、子どもは違う世界に生きていくこと

・自分(親)が知ることが大事ということ。ただ制限すればいい、避ければいいということではなく、根本、子どもを分かることをしなければいけないと思いました。

・やりたいことがあるのが強いというのがいろんなところに効いてくるということが改めておもしろいと思った。

・いつかスマホを使う日は必ず来るということに気付けた。そのための準備をするというのが大事だなと。

・自分の時代とは違った今の子どもたちの状況、現状

・いろいろなことが進歩していて、便利で楽しくなっているが、子どもも同じように罰則があるということ。

・IoTからの第4次産業革命のところのお話。無料アプリのしくみ。

●感想をお聞かせください

・子どもと一緒に悩み考えること、夢を応援すること。本当に大切だと感じました。

・中高生は「こういうことがいけないということは分かっているつもりでいる」が、自分のことだと当事者意識がないという危険性が分かってよかった。自分の子も小学校低学年ころより本音トークしたい、させたいと感じた。それと、自分の時代と子どもたちが生きる時代は違うのだということを心から感じることができた、とてもよい機会だった。時間が足りない!もっと聞きたかった。

佳織先生の話は、最後、今から何をしたらいいのか、自分にもできることがある、考えることがあるんだと思えたし、行動に移す勇気をもらえたような気がしました。それも、子ども自身が自分の価値観で自立していく過程であることもしっかりと感じ取れました。

・先生方の仲の良さと人柄と笑顔に癒されました。なんかちょっと自信が付きました。時々、自分が子どもに戻ること、もう少し意識したいなと思いました。(佳織先生の「わたしもカップル動画やってただろうな」の一言にものすごく感化されました)

・子どもが小さいうちから聞けてよかったと思いました。難しい問題だけに、早くから考えて準備したいと思いました。

・いろいろ勉強になりました。子どもと一緒に考えて悩んで、その都度、話し合いながらやっていこうと思いました。

・特効薬とか応急処置的な考え方ではなく、マインド、特に親のそれが必要かと。どこまでの意思決定をまず親がもつべきか、考えてしまいました。中学生とスマホ、難しいです。でも、情報社会を生きていかなければならないんですよね…。

・ブログの写真、なんとかしようと思います。薄々思っていましたが、わたしの使い方を見直します。以前からですが、「観察」が得意ではありません。ここ十数年困ってます。突破したいです。

・ここだけのうわさ話、井戸端会議がネットに乗って広まってしまうということが改めて納得、怖いことだと思いました。「持たせない」選択は難しいし無理がある、子をよく観察して自分の子に応じた使い方を考えられるようにという考えはとても腑に落ちました。

・スマホは子育てに悪い!と思っていて、なんとか避けていかなければ、でも使わせてしまう自分もいる…と悩みながら過ごしていましたが、これから使わないで生きていくことはできないんだから、どううまく使えるようになるか一緒に考えていこうというように変わりました。家族でもまた話し合って使っていこうと思います。子どもをよく観察します。

・自分の知らないところでどれだけ世の中のネット状況が進歩しているのか思い知らされた。結局、親がコントロールするのではなく、どんなものでも自分で考え判断できる子に育てることが大切なんだと改めて感じた。

・5,400円の価値が本当にあるのか悩んだ末の参加でした。NPO法人で学校などでも無料で話している人の話を、2人の大泣きしている子どもたちを夫に預けてまで聞く価値があったのか。結果はなんとも言えませんが、数日後、数年後に効果が出てくるかも?と思います。お疲れさまでした。ありがとうございました。

・子どもの年齢によって聞きたい内容が違うと思うので、分けてもよいのではと思いました。子どもが望んだときに「うだうだ、ぐだぐだ」言わずに渡せると思います。ありがとうございました。

・娘が4才のうちに聞けてよかったです。スマホ依存は皆するものだと勝手に思って、勝手に心配していました。でも、聞いて納得、他に楽しいものがある、やりたいことがある、そんなに心配しなくていいんだと。そのために、子どもたちをよく見て、好きなものを見つけて、伸ばしていきたいと思いました。ありがとうございました。

・ 好きなことを見つけた息子ですが、うまくできない、思い通りにならないことにとても怒れてしまいます。どんな援助ができるか試行錯誤の毎日です。とにかく観察してみることの大切さを実感しました。

・難しい言葉も多かったのですが、そんな自分でもITに対する意識が強くなった。それとともに、子どもにも危険なことを回避して使いこなせるようになってほしい。あっという間に時間が経っていた。

・ちょっと安心した。

・頭ではなんとなく分かっていても、そういう風に動けなかったことが、今日みたいに他者の子育ての価値観や社会の常識を聞くことで、今後の動機づけになりそうで、すっきりした。

・実際には監視するのは全く不可能ですね…。

やはり佳織先生の話があってよかったです!!スマホの先生の話だけだと、実際どうしたらいいの???という感じでしたが、佳織先生の話で自分の中に落とせた感じがしました。実際にはなかなか難しいですけどね…。不安に思っていたことだったので、いろんなことをもう一度考え直すきっかけになりました。好きなことと夢も。参加できてよかったです。ありがとうございました。

・親として、子どものためだけではなく、自分の考え方、スタンスを再考させていただく貴重な機会になりました。定期的に自分(親)を見つめ直す機会を持ちたいと思います。子どもへの観察力を磨くように心がけます。

・これから、自分と子どもとよく話をして、考えながら使いこなせることができるようになったらいいと思いました。わたしの考えを伝えながら、子どもがどう考えているか観察していきたいと思いました。

・今回参加を迷っていましたが、子育てをする上でメディアリテラシーが本当に貴重なのだと思いました。スキルは誰でも身につけられますが、モラルは小さい頃からの子育て環境や親の価値観、知識、常識が関係すると思うからです。親も変化に強くなり勉強していくことが必要ですね。とても参考になりました。

・自動運転、おともだち家電…、わたしは「んー」と後ろ向きですが、その時代がすぐそこにきていることに、なんだか恐ろしさを感じました。

佳織先生、次男さんのことを「信用できない」と本人に向かって言えるのはなぜですか?「信用できない」って傷つくような言葉というイメージで。

→お返事します。

※このあとに、当時の講演会動画があります。

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