開幕2連勝。

4-3
得点者 ダニーロ、イグアイン、ロナウド、OG

★スタメン 4-3-3 (4-4-2)

シュチェスニー 60点
デシリオ 55点
ボヌッチ 65点
デリフト 50点
サンドロ 70点 🌟
ピャニッチ 70点
ケディラ 65点
マテュイディ 65点
コスタ 70点
イグアイン 70点
ロナウド 65点

★交代

ダニーロ 65点
ジャン 50点
ディバラ 60点

★ベンチ

クアドラード、マンジュキッチ、ルガーニ、ラビオ、デミラル、ベンタンクール、ピンソーリオ、ベルナルデスキ、ブッフォン

★総評

薄氷を踏むような勝利。
シーズンを通して数回あるかないかの、ジェットコースターのような展開の読めない試合だった。
後半60分までの試合展開を見る限りでは、こんな結末になるとは誰も予想できなかっただろう。

抜群のスタートを切り、3得点したところまでは良かった。ナポリに自由を与えず、相手のサッカーを全く展開させない試合巧者ぶり。
さすがのアンチェロッティもここまで思い通りにさせてもらえないとは思わなかったのではないだろうか。

しかし、後半60分にケディラが退いてからというもの、ユヴェントスは嘘のようにバランスを崩し、立て続けに3失点。
中盤のミスコンビネーションと、急造のディフェンスラインのコミュニケーション不足を露呈した。

それでもチームは勝利を信じ、ボールを前に前につないで行った結果、なんとも信じられないオウンゴールを呼び込むことができた。
個人的には、とてもユヴェントスらしい勝ち方だと思う。

こういう"勝ち"をシーズン序盤に積み重ねられるのは大きい。
内容は完璧でなくとも、泥臭く"勝ち"を掴み取る。今はまだこれでいい。今は。

★個評

ダニーロは"持っている"男なのかもしれない。前半15分、早々に怪我で退いたデシリオに代わり登場したこの選手は、セリエAのデビュー戦となるこの試合で、出場してわずか26秒でゴールを奪ってみせた。
特に技術的なことをしたわけではないが、ロナウド、コスタとダニーロ、彼らのスプリント力はカウンターの際の大きな武器となるだろう。

"イグアイン"が帰ってきた。
ここ数シーズンの批判に塗れたイグアインではなく、世界有数のストライカーとして恐れられた"イグアイン"が。
1節のパフォーマンスも素晴らしかったが、この試合で見せたパフォーマンスはさらに圧巻だった。(ユヴェントスという良質の)水を得た魚とは彼のことだろう。
狭いスペースで巧みにボールを扱い、すぐさまシュートにつなげた一連のプレーはまさにストライカーだった。ポストプレーにも安定感があり、スタメン定着にむけて絶好のアピールになっただろう。
課題があるとすれば相手にポゼッションを握られた際に、1人で展開を打開するアイデアに欠けるところだろう。(後半の存在感は薄かった)

ロナウドのゴールも素晴らしかった。
クロスに対して力みすぎることなく、的確なコントールショットでゴール左隅に流し込んでみせた。まさにプロフェッショナルなプレーである。
ここ2試合、左サイドに固定という形ではなく、比較的自由に動きまわり、イグアインと2トップのような関係性を構築している。お互いの補完性も高く、昨シーズン以上にゴールの匂いがする。

ダニーロとロナウドのゴールを演出したのがユヴェントスが世界に誇る韋駄天、ドグラスコスタだった。
1節は残念ながら途中で負傷交代となったが、この試合ではその影響を感じさせることなく、90分間、ピッチを駆け回った。
守備の貢献度も高く、今シーズンにかける気迫が伝わってくる。

この試合で多く見られたピャニッチのダイレクトフライパスはまさに芸術だった。
寄せる相手を嘲笑うように、綺麗な弧を描き、イグアインやロナウドの元にボールを届けた。この試合でも経由地として、多くボールに絡み、心臓としての役割を見事に果たした。

このピャニッチの絶大的なクオリティを陰で支えているのがケディラだ。
フリーで受けられるポジションをいち早く感じ取り、ピャニッチのパスコースを作り出す。そのポジションがいちいちいやらしい。
うまくボールを引き出し、自らも前線に走り込んで行く。
群雄割拠のドイツ代表で、この選手が長きにわたり中盤に居座り続ける理由がそこにある。

マトゥイディは、この試合で真価を発揮したと言えるだろう。ロナウドが引いたタイミングで思い切りよく前に飛び出し、ディフェンスの裏を取る。イグアインやサンドロとの連携も良かった。これを続けられるのであれば、ラビオはスタメンを奪い取るまでにかなり苦戦を強いられることになるだろう。

ただ、その中盤のバランスが一気に崩れ去ったのがエムレジャンの投入後の出来事である。
それまでほとんど許していなかった長めの縦パスを次々に入れられるようになった。
これは途中投入のロサノや、ジエリンスキのポジションの変化によって生み出された状況でもあるのだが、
比較的自由に相手を追いかけるマトゥイディによって崩れそうになるバランスを巧みにコントロールしていたケディラがいなくなったこと、そしてそのタスクをジャンが担えないことが関係している。
簡単にいうと、ポジショニングが悪い。
ディフェンスラインと中盤の間に大きなスペースを空けてしまい、その間で受ける選手へのパスコースを切ることができていない。(途中交代にもかかわらずとろとろ走っているスタンスもあまり好感がもてない)

マトゥイディとジャンの組み合わせは現時点では非常に危険だ。

たしかにこの試合、デリフトのパフォーマンスは良いものではなかった。
2点目と3点目は、デリフトが全力疾走で戻っていれば防げたかもしれない失点だった。(キエッリーニであれば確実に弾き返していただろう)
デリフトは現時点で首振りがかなり少ない。周囲との連携をもっと意識する必要がある。
ただ、そんなことは今はまだ些細なことだと考えている。
ユヴェントスでのデビュー戦、怪我で長期離脱した頼れるキャプテンに代わり出場し、迎えうつのは最大のライバル。
この20歳の若者にのしかかるプレッシャーはとてつもなく重く、並大抵のメンタルでは乗り越えられない難しい状況だったであろう。
当然の連携不足を嘆くより、そんな難しい試合でしっかりと勝利を勝ち取ることができたという成功体験を、彼が得ることができたということを喜ぶべきだろう。

3失点を喫したが、シュチェスニーのプレーは悪くなかった。キーパーとしては、仕方のない失点、と割り切ってしまうことはできる。
ただ、このままで良いかと言われると答えはノーで、仲間が、ファンが、あっと驚くようなスーパーセーブを見せることができてこそ頼れる守護神というもの。
前半のアランのシュートストップのようなプレーを増やしていきたい。

アレックスサンドロが効いている。この試合を通して抱いた感想だ。
カジェホンやディロレンツォに全く仕事をさせず、ユヴェントスの左サイドはチャンスの起点となり続けた。
気の利いたポジショニング、的確なショートパスやドリブル突破。ゴール前での身体をはった守備。
目立ちはしないが、サンドロが見せたプレーは紛れもなくマンオブザマッチに値するものだった。

この試合でのボヌッチは安定していた。インシーニェやメルテンスの動きをしっかりと読み、的確にシュートコースを消していた。キエッリーニの不在を感じさせないようしっかりとリーダーシップを発揮してもらいたい。

多くの時間が与えられたわけではなかったが、ディバラの動きも悪くなかった。最後のFKの獲得につながったターンは好調さを表していた。イグアインとの熾烈なポジション争いが待っている。

第3節はアウェーでフィオレンティーナと、そのあとすぐにCLアトレティコ戦が控えている。

#juventus #napoli