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Bon voyage, Alonso.

1番好きな〇〇は何ですか。

よく耳にする、至極ありふれた質問である。

1番好きな食べ物は何ですか。
1番好きな街はどこですか。
1番好きな人は誰ですか。

ほぼ全ての人が、
人生の中でこの類の質問に出会ってきたことだろう。

あくまでも個人的な見解だが、
日本人はこの手の質問に即答できない。

それに対してどうというつもりはまるで無いし、順番をつけることそのものに何か意味があるかと言われればそれもわからない。

ただ、「これが自分の好きなものだ!」と胸を張って言うことは、
大切なことだと思っている。

さて、サッカーの話に戻ろう。

1番好きなフットボールプレイヤーは誰ですか。

あなたは誰を思い浮かべるだろうか。

ロナウド?メッシ?ネイマール?
はたまたジダン?アンリ?ベッカム?

私が1番好きな選手、
それは、

シャビ・アロンソだ。

自陣の奥深くから最前線にいるFWの足元にぴたりと収まるロングフィードはまさに芸術だった。

ピッチを俯瞰し、たった一本のパスで戦局を変えてしまう魔法使いのようなプレーに、私は魅せられた。

現代サッカー界を代表する監督であるジョゼ・モウリーニョをして「ペップ・グアルディオラを彷彿とさせる。ピッチ上の指揮官だ」と言わしめたアロンソの戦術眼は群を抜いていた。

一緒にプレーする選手は、ビルドアップの段階でボールを持つと一度アロンソに預け、局面の打開を図った。

バイエルン時代には、1試合の間に206回という信じられないボールタッチ数を記録し、ブンデスリーガの記録を更新している。

リバプール、レアル・マドリード、バイエルンと名だたるビッグクラブを渡り歩いた彼は、2017年3月にその選手キャリアに幕を下ろした。

スパイクを脱いだ写真と一緒に自身のSNSに綴られた、
"Lived it. Loved it. Farewell beautiful game."
の言葉に胸が熱くなったのを覚えている。

現代フットボールにおいて、シャビ・アロンソのようなプレースタイルの選手は減ってきている。
戦術の多様化により、ボランチというポジションに求められる役割・能力が変わってきているのだ。
ピルロやシャビ・アロンソのような純粋なマエストロタイプを重宝する監督もそう多くない。

だからこそ期待せずにはいられない。
シャビ・アロンソ監督の誕生に。

現役引退後、監督ライセンスを取得したシャビ・アロンソは、昨シーズン、レアル・マドリードU-14の監督に就任し、シーズン無敗優勝を達成している。

監督キャリアを開始して早々に結果を残し、来シーズンからは、古巣のレアル・ソシエダBチームの監督に就任することが決定している。

今後も、監督として多くの偉業を達成してくれそうな予感がしてならない。

シャビ・アロンソ監督の今後の活躍、そして彼に見出され、世界に羽ばたくことになるであろう有望な若手選手の台頭に期待したい。

#xabialonso