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神の子

ユヴェントスを好きになる前に好きになったチームがある。

そのチームは、
2008年EURO、2010年W杯、2012年EUROと、圧倒的な力でもってフットボールの主要な国際大会を連覇していった。

そう。スペイン代表だ。

無敵艦隊。
その言葉が示す通り、
各ビッグクラブの主力が名前を連ねるスタメンは圧巻だった。

イケル・カシージャス、カルレス・プジョル、セルヒオ・ラモス、シャビ・アロンソ、セルヒオ・ブスケツ、シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバ、セスク・ファブレガス、ダビド・ビジャ、、、、

あげればキリがない、誰もが知るビッグネームばかりで構成されたチームは、ナショナルチームながら圧倒的な連携を見せ、
ヨーロッパの強豪クラブチームにも負けない輝きを放っていた。

華麗なパス回し。
組織されたディフェンス。
奇跡的なスーパーセーブ。

ナショナルチームの最終到達点。
そんな風にすら感じられた。

そんな完璧なチームの中で、一際、目を惹く存在がいた。
誰しもに愛されるスペイン代表のアイドル。

フェルナンド・トーレス。
通称 エル・ニーニョ。 神の子。

ここぞというビッグゲームで数えきれぬ決勝ゴールを挙げ、チームを勝利へと導いてきたストライカーだ。

アトレティコマドリードでキャリアを開始し、リヴァプール、チェルシー、ミランといったビッグクラブでプレーし、
フットボールの歴史に残る数々の劇的なゴールを決めてきた。

そんな世界的なスーパースターは、キャリア晩年にプレーの場を日本へと移した。

トーレスのサガン鳥栖加入のニュースは、ほぼ同時期に起こったイニエスタのヴィッセル神戸加入と相まって日本中に大きな話題を生んだ。

鳥肌が立つような話なのだ。
長らくフットボールの歴史の中心にいたスーパースターのプレイが日本で見られる。

同じチームでプレイする選手はもっと心が踊っただろう。
いつもテレビの中で見ていたスーパースターが隣でプレイをしているのだから。

2年間にわたり、
日本のファンを楽しませてくれた彼は、
2019年6月21日、現役引退を発表した。
ヨーロッパから遠く離れたこの日本の地で。

このスーパースターの引退をうけ、
かつてのチームメイトから多くのメッセージが寄せられた。
カシージャス、ジェラード、オスカル、グリーズマン。

代表チーム、所属クラブ、問わず、
彼が一緒にプレーした選手から。

「あなたとプレーできて幸せだった」と。


これから先、
沢山のストライカーがフットボール界に誕生するだろう。
数々の劇的なゴールがうまれるだろう。

だが、
どれだけ記録が、歴史が更新されようとも、
エル・ニーニョが見せてくれた輝きが、
色あせることは決してないだろう。

18年間ありがとう。

#torres #フェルナンドトーレス