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【感想】19/08/11 ICC第3戦 vsアトレティコ・マドリード

ICC2019の最終戦。

ユヴェントスは残念ながら勝利を収めることはできなかった。

だが、アジアツアーの3試合で見せたパフォーマンスとは大きく違う、新しいユヴェントスの骨格が見て取れる試合であった。

■試合

1-2 敗北

■チーム

試合全体を通じてボールを保持できていた。アッレグリのころにはあまり見られなかったポゼッション率の高さがチームの改革を物語っている。

前半は非常にリズムのいい連携を見せた。
攻撃はスムーズに流れ、ビルドアップも比較的スイスイと前に進んだ。
これだけチャンスを作れるのであれば、しっかりとそのチャンスをものにする決定力が次の課題となってくるだろう。
2失点はジョアン・フェリックスを褒めるしかないだろう。デシリオのマークが甘いのも、デリフトが周りとの連携が不十分なのも勿論あるだろうが、それを考慮してもフェリックスの働きは素晴らしかった。

後半は一転して停滞感のある試合内容となった。前半より明らかに出来が悪い内容だったにもかかわらず、失点が0と言うのだから試合というのは難しいものだ。

■選手

・シュチェスニー
失点は仕方ないように思えるが、もう少しコーチングや気迫を見せて欲しいなと感じた。
練習試合とはわかっているものの。

・サンドロ、キエッリーニ、ピャニッチ
素晴らしい出来だった。サッリのサッカーにはやくも適応してきている。

・ケディラ
各メディアがこぞって残留を謳うほど、素晴らしい出来だった。圧巻のポジショニング、コーチング。そしてゴールまで奪って見せたのだからこれ以上ない残留へのアピールになっただろう。
たしかに足元が上手い選手ではない。しかしそれを補って余りあるほどのインテリジェンスと経験。この選手がサッリ・ユヴェントスに与えるものは大きいだろう。もちろん、怪我をしなければの話である。

・ベルナルデスキ
この選手の判断力の悪さ、選択肢の少なさは一体いつ改善されるのだろうか。
走力があり、チームが苦しい時にしっかりと前に運んでくれる。それ自体は素晴らしいのだが、運んだ先で結局ロストする。
いきあたりばったりの攻撃にしかならないのである。
スピードダウンからのカットイン、クロス。それもロッベンのようなクオリティがあるのならば武器になるが、ベルナルデスキのそれは全くそうではない。決定力を高めるか、右足をつかえるようになり縦への突破からのチャンスメイクができるようになる必要がある。

・クアドラード
サッリはクアドラードを右サイドバックとして起用するつもりのようだが、とても務まるとは思えない。
ガッチリと引いた状態での守備ならばなんとかなるが、スピードに乗った相手をとめることが全くできない。
ビルドアップ時の軽率なパスミスの多さも自陣でしてよいようなものではない。
ベルナルデスキとの右のコンビネーションは2人とも判断が悪く、とても相性が悪い。
クアドラードの適性はやはり、右サイド前線のピッチの際だろう。

・ベンタンクール
どうしてもピャニッチの陰に隠れてしまいがちだが、この選手が見せたプレーはとても素晴らしかったと思う。ボランチの位置で一枚はがしてからパスを出すことができる推進力。相手選手への素早い寄せ。この選手のポテンシャルはやはりとんでもない。ピャニッチの控えとして計算されることになるだろうが、まぎれもない重要戦力だ。

・ドグラスコスタ
やはりこの男はとんでもない選手だ。
いとも簡単に相手を置き去りにする。スペースがあろうがなかろうが圧倒的なスピードとたしかなテクニックで相手を翻弄する。
あとは、決定力が身につけ、周りについてきてくれる選手がいれば手がつけられなくなるだろう。

・エムレジャン
ポジショニングが悪く、攻撃時にボールに絡む回数もとても少ない。
途中出場にもかかわらずなぜあんなに走らないのか。ファールを受けた後に文句ばかり訴え、切り替えが遅い。
メンタリティの面も含め、不満しかない内容であった。
現状の中盤において、マトゥイディとならび序列は最下位となるだろう。

・マトゥイディ
無尽蔵なスタミナが災いし、走り回り相手選手を深追いすることで、チーム全体の守備のバランスが崩れてしまっているように感じる。
対人守備もお粗末なもので、ファールに終わることがしばしば。もう少し冷静に戦況を分析するインテリジェンスと連携が必要。

・ロナウド、ディバラ 、マンジュキッチ、デシリオ、ブッフォン
決して悪くはないが光るものもない平凡なパフォーマンスだった印象。

・デリフト
フェリックスをボックス内でファールなく止めたシーンは見事の一言だった。
持っているものは確かなので、周りとの連携を深めていけばおそらくスタメンに定着することだろう。

・デミラル
嬉しい誤算を生み出し続けるこの選手。両足を巧みに操り、ビルドアップも難なくこなす。積極的な持ち上がりやポジショニングも素晴らしい。

・ボヌッチ
前述の2名の若手センターバックとは対照的におぼつかない足元。ケアレスなパスミス。
ロングフィード以外でアピールする部分が見当たらず、センターバック内での序列に不安を感じる内容だった。

・ダニーロ
1試合でどうこういうことは難しいが、期待以上の活躍を見せてくれそうな気がしてならない。パスも積極性にあふれ、チームに勢いが生まれた。
今回は左サイドでのプレーだったが、両サイド遜色なくこなせるこのユーティリティプレーヤーの登場は予想より多くなりそうだ。

・ラビオ
今期のユヴェントスの中盤の重要な1つのピースになること間違いなしのラビオ。
意外とパスミスがおおくひやっとすることもあったが、基本的には安定したプレーで違いを生み出した。残念ながら枠に嫌われたが、強烈なミドルも素晴らしかった。

・イグアイン
いよいよ残留が現実味を帯びてきたイグアインだが、特に目立ったところはなく、前半に3回立て続けに訪れたゴールチャンスを悉く不意にしたプレーを見る限り、高額の年俸を受け取ってベンチに居座ることになりそうだ。

いよいよ来週開幕となるセリエA。
初戦のパルマ戦、先発に名を連ねるのは誰になるのか。
楽しみで仕方ない。

#juventus