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公的年金、掛け捨て防止系の給付

こんにちは。奈良県香芝市の社労士、宮永香織です。
「掛け捨て」という単語は、民間の医療保険でよく聞かれるかと思います。
今回の投稿では、公的年金でも「掛け捨て防止」的な給付がある旨について綴っていきたいと思います。


国民年金独自の給付

寡婦年金

夫を亡くした妻に対して支給される年金です。
支給要件等は、以下リンクでご確認下さい。
寡婦年金|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

寡婦年金の額
夫の老齢基礎年金の金額に4分の3に相当する額
※死亡日の属する前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る、
死亡日の前日における納付済、免除期間

要するに夫が掛けた分の年金は丸々もらえませんが、寡婦年金の受給期間は4分の3相当は「掛け捨て防止」で支給できるということです。

支給期間
60歳未満の妻に対しては、
妻が60歳到達月の翌月~、
60歳以上の妻に対しては、
夫の死亡月の翌月~、
妻が65歳到達月まで
※妻が65歳から老齢年金を受給できるまでの生活保障のつなぎ年金的役割を果たすといえます。

死亡一時金

国民年金の第一号被保険者として、一定以上の月数納付、一部免除された人の死亡に対しての遺族に支給される一時金です。
詳細は、以下リンクでご確認下さい。
死亡一時金|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

死亡一時金の額

上記の通り、段階によって一律の額ですが、「掛け捨て防止」の役割をしているといえます。

注意点

寡婦年金、死亡一時金両方受給権が発生する方もいます。※併給は不可
また、遺族基礎/厚生年金の受給権も含めると、いつの時点で、どの給付を受給すると有利か(金額が多いか)は、死亡された方や遺族の年金記録等で大きく異なります。
年金事務所でご確認されることをお勧めします。

国民年金・厚生年金共通の給付

外国籍の方が、日本在住中に年金制度に加入し、出国後に受給できる一時金です。
脱退一時金の制度|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

脱退一時金(国民年金)

留学生(保険料免除されず納付されていた方)や社会保険加入要件を満たさない方等が対象かと思います。

脱退一時金(厚生年金)

私が社労士試験受験生時代、疑問に思ってたことがあります。
「社会保険加入要件を満たせば外国籍の人も当然に社保加入。
社保は原則、健康保険と厚生年金とセット加入であるのも分かる。
でも、永住でない人に厚生年金の加入って必要なの??
健康保険は、通院等で必要なのは分かるけど…」
政府側の「とりあえずは一旦徴収して、必要ならば脱退一時金として一部還付する」という思惑と、原則通り徴収すれば、通算や社会保障協定等で日本の老齢年金の給付につながり得る、また、要件を満たせば障害年金や遺族年金も受給できるかも…という点で一応腑に落ちました。
社会保障協定|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

まとめ

批判されることの多い公的年金制度ですが、掛け捨て防止(この言い方が適切かどうか難しいところですが…)給付もあることを知っていただけると幸いです。

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