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介護も、「はたらく」も、あきらめない

こんにちは。香芝市の社労士、宮永です。
前回投稿で、令和6年度の労働・社会保険料率の事を綴りました。

当投稿の保険給付で、介護保険について失念しておりました。
介護保険も、日本の重要な社会保険のひとつです。
そこで当投稿では、介護保険について、そして、「介護」全般についてすこし広げて綴っていきたいと思います。

介護保険法概要

平成12年4月より施行されました。
それまでは、「老人福祉」と「老人保健」の制度がありましたが、
高齢化、核家族化に伴い、当制度の限界の局面を迎え、
現行の介護「保険」…
「給付」と「負担」が明確で、社会全体で介護を支える制度となりました。

厚生労働省「介護保険制度の概要」
000801559.pdf (mhlw.go.jp)


介護を巡る現状

介護を「受ける」側

介護給付を受ける方は、お住いの市町村で、介護認定を受ける必要があります。
認定は、合計7段階
・要支援1・2、要介護1~5(要介護5が最も介護が必要)
それぞれで受けることのできるサービス等が異なります。
介護認定を受けた上で、それぞれの段階で、
利用者の選択により介護サービスを受けることができます。

介護を「する」側


大別すると、
介護施設等、サービスを提供する側と、
子ども、配偶者等の家族です。
サービス提供側は、その過酷な労働環境ゆえ、
慢性的な人手不足に陥っています。
そして、「家族」についてですが、
「誰」が主体で介護を行うかは、それぞれの家庭で異なるかと思います。

介護離職の現況が分かる調査があります。
総務省統計局「令和4年就業構造基本調査の結果」結果の概要
kgaiyou.pdf (stat.go.jp)


総務省統計局「令和4年就業構造基本調査の結果」結果の概要 28頁


同上 同頁

当統計は、5年に1度の調査のため、令和4年(2022年)が最新となります。
介護離職者は、1年で10万人強、
2010年代はゆるやかな減少傾向ですが、
再び微増傾向です。
そして、男女比ですが、
男 2.6万人 女 8.0万人…男女比約1:3
といったところでしょうか。
私が社労士試験受験生だった頃、当統計を学んだ時、
「男性も意外と多い」と印象を持ちました。

介護離職防止のために

介護を利用する人や、まわりの家族のために、
適切な介護サービスを受けることで、
物理的な負担はある程度軽減できるでしょう。
そして、介護休業等を利用することで、
(育児休業と比べてまだまだ利用されていませんが…)
更に両立しやすくはなるでしょう。
しかし、家族の「誰」が、主体で介護をするのかは、
核家族化、女性の社会進出、男性の育児参加…等々で、
従来とバランスが異なってくるかと思います。
当事者間で話し合い、それぞれのライフスタイルの尊重が必要です。

それでも、介護離職を余儀なくされた場合


身寄りが他に誰も居ない、等で介護離職を余儀なくされる場合もあります。
介護離職後の再就職は、当事者の年齢等で、
難しくはありますが、私はそういった方にも再就職の道筋を
作ってあげたいと思っています。
「離職せず、仕事と介護の両立」が、今後の本流かと思いますが、
離職を余儀なくされ、それ以後糧が一切無くなる、といったことは
今後のその方の長い人生、路頭に迷うことになりますので。

介護も、「はたらく」も、あきらめない
「働く」…労働し、糧を得る事
「傍(はた)を楽に、楽しませる」…介護から看取りまで、悔いなく過ごす
そんな人生、家族、組織、社会にしていきたいです。



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