みくるサマーというパーティーをやりました

お疲れさまです。ネルくんです。
表題にも書いておりますが、2018年8月4日(土)・5日(日)と2日間、
渋谷のラウンジネオというクラブを借りて、Mikuru's Summer Magic 2018(以下 みくるサマー)というイベントをやりました。

このイベントを開催して色んなことを感じたので覚えているうちに書き留めたいなと思い、衝動でnoteに登録して文章を入力している状態です。

みくるサマーというイベントを始めたきっかけは、スターライトフェスティバルという某アニメのオンリーDJイベントを数年前に開催していたヒメチャニア(https://twitter.com/070_4168_9949)と、関西のイベントに憧れ追いつけ追い越せともがいていた休日出勤後ヘトヘトの状態の自分が一緒にご飯を食べるという機会があった際に、何となく話題になった「某アニメのリミックス中心のイベントを関東でやりたい」というところから出発しています。
それで、やるなら本気でどこにも負けたくないイベントにしよう!と意気込んだ初回は、色んな箱に連絡するもどこも相手にしてもらえず、自分が定期イベントをやっている箱で開催することになりました。
箱のサイズもイベントの規模としては小さいのと、真裏に別の箱で大きなイベントが開催されていたこともあり、かなり不安ではあったのですが結果大成功。開催した箱の店長さんも笑顔を通り越して驚き過ぎて若干引き気味なくらいの集客でした。メインフロアのドアが閉められないってくらい集まってびっくり。
その時のお客さんの雰囲気、イベントの空気が少なくとも関東のイベントでは味わったことがないもので、自分のイベントなのにカルチャーショックを受けたような気持ちになったことは良く覚えています。

そこから箱を移動し、前述のスターライトフェスティバルが開催されていたラウンジネオにて初めて開催したのが去年。ネオでやるなら絶対呼びたい!とAiobahnさんをブッキングしたことをはじめとして、様々なことがあり正直不安でしたが結果は230人近くの方が遊びに来て頂けて、2017年のラウンジネオ単体での最高動員を記録することができました。熱気と湿気が凄まじく、「オタク雲」が発生して照明をショートさせてしまいました。とにかくインパクトの大きいイベントになっていたかと。
ラウンジネオなんて大きな箱で開催しても一瞬で埋まってしまうのは大変申し訳なかったです。ただ1つはじめての経験で嬉しかったことがあって、「みくるサマーの為に地方から遠征してきました!」ってお客さまが多くいらっしゃったこと、これがとにかく嬉しかったです。自分が遠征することが多いけど、自分主催のイベントに遠征してまで遊びにきてくれるのって単純に驚きとともに感慨深いものがありました。

そんな状況で2018年のみくるサマーをやると決めたのが去年末くらい。去年スタッフが少なすぎて大変だった運営に、スタフェスの主催、かんちゅくんが加入して頂けて本当に心強かったです。
去年のイベントを超える為にはどうすればいいのか考えたのですが、演者さんの強さだけではなかなか去年を超えづらいのでは?長い時間やるのが答えなのか?と、色々考えたけど答えが出ず、ネオの店長のスーさんに打ち合わせのタイミングで相談。
その時にボソッと「2日間やれば?」と提案され、最初は「あの規模のイベントを2日間も構築するのなんて無理だし聞いたことが無いし冗談では…」と苦笑いしながら「でも2日間やれば倍呼べるじゃん、倍呼ぶとしたらあの人もこの人も呼べる… 意外と出来ちゃうのかな…」という気持ちが生まれ、
クルー内で議論してパーティーを2回やることにしました。
企業が開催しているタイプのイベントならまだしも、個人が開催するイベントで2日間は本当に聞いたことが無く、この試みをするならブッキングは自分が想定するベストな人選にしたい!と、ブッキングのタイミングとしては早い2018年年明けには演者さまへのオファーを開始、スケジュールを抑えていきました。
2日目が特に顕著だったんですが、自分がクルーとして参加しているアニクライベント「巡(メグリ)」でお世話になった地方の方々を沢山呼んでおりました。地方のイベントはその土地ならではのチューンナップがされ、現地のDJVJ達が東京や大阪のイベントに勝っていくくらいの気概でイベントを開催されているかと思います。その熱量は都会のイベントだと中々味わうことが出来ないんですが、今回各地方の演者を複数人でお呼びすることが出来て、地方の熱量をそのまま東京に運んでくることが出来たのではないかと思ってます。

また毎年恒例の「出れんのみくるサマー」というDJ公募企画も開催。今年はゴールデンウィーク前を締め切りに設定したところ思ったよりも応募が少なく、焦ってゴールデンウィーク中も受け付けた結果沢山の応募が集まり嬉しい悲鳴でした。
この公募の選出基準は「その日のフロアに合うかどうか」。ミックスが上手いとかエクスクルーシブを仕込んで頂いたかどうかとかはあまり関係はなく(アドバンテージにはなりますが)、この人のDJならこの日のフロアのこのタイミングに当てはめたら上手くいくんじゃないか、とシミュレーションをしつつ、ミックスのクオリティーで決めていくといった形です。
そこで、「トラックメーカー」「関東近郊のDJ」「関東以外のDJ」「インターネット感あるDJ」という4つのカテゴリーを作り公募DJを振り分け、そのカテゴリー内で1番イベントに合うと感じる公募DJさんをクルー内で相談するやり方にしています。クルー内で他のクルーの意見に流されないように、クルー内で公募の感想は一切インターネットにアップをしない、見せない、話さないという決まりを設け、日時を決めてせーの!で意見出しをしました。その結果、すんなり決まったDJさんも居れば、議論の末オファーを出したDJさんもおりました。オープンDJも「ただのオープンDJじゃない、しっかりと自分の味を出してくれそうな方」という基準でDJさんにお願いをしております。


その甲斐もあり、2日間、自分らだけでしか作り上げられないような組み合わせの不思議なイベントを作ることが出来たと思っております…。

1日目、232名とネオ単体でのイベントでは異次元とも思えるお客さまに遊びに来て頂き、フロア内が灼熱のサウナ状態へと変貌してしまいました。
昨年も起こった現象ではあり、建物の構造上どうしても避けられないのですが皆様ご不快になられてしまったかと思います。申し訳ありません。
ただ、そんな汗まみれの方々がすし詰め状態になっているフロアの盛り上がり方といったら、noteに書いている手前恥ずかしいのですが「言葉に出来ない」盛り上がり方で、
なんというか、お客さま一人ひとりの「体の芯」から盛り上がっているような、鬼気迫るような印象がありました。
思わず避けたくなるような、お客さま全員から「イベント最高に楽しんでやる」っていう圧みたいなものを感じたのは初めてです。

クラブによく行かれる方なら何となく分かるかと思うのですが、フロアの最前が手を上げて盛り上がるとか踊るとかそういう状況はよく見ますが、
フロアの最前から最後尾まで等しく跳ねて踊る様子っていうのは正直他のイベントではあまり見たことがありません。
2日目でお呼びしたSeventhrunさんが、「あんなフロアはその日のヘッドライナーか外タレでしか起こらない」と感嘆されていたのですがそれが2日間渡って常時起こり続けていた(しかも音楽ジャンルがバラバラなのに)フロアはちょっと自分も何が起こっているのかが良くわかりません。それだけ凄いことが起こっていました。

当日の演者の方々に加え2日目の出演者の方々が前乗りしてくれて遊んでくれていたのもとても嬉しかったです。逆に2日目でも1日目の演者の方々がすぐ帰らず遊んでくれていたのも感謝です…。

2日目は来場者数171名と土曜日よりは少なめでしたが会場の熱は土曜日以上でした。
1日目に比べると「インターネット感・匿名感」が強い演者の方々だったので何となく演者同士の根底に流れる「ストーリー」が把握出来ていないと理解しにくい展開もあったかもしれません。あの会場の沢山いらっしゃるお客さまの中の2桁にもいかないくらいの方しか意味が分からないネタとか状況も起こってました。
ただその「身内感」さえも飲み込んでしまうお客さまの勢い・バイブスのようなものがあり、「これぞみくるサマー」という空間になっていたのかなと思います。
流れる音楽ジャンルもロック、アニソン、ハードコアからチルなものまで1つのイベントではあり得ない内包っぷりでしたが、それでもイベントの根底にある流れがキープされていたのは単純に仕込んだ自分も驚くくらいヤバかったです。両日ともですが、とにかく音楽が好き(アニソンだけじゃなくて音楽全体)なお客さまが前のめりで楽しんでくれるので演者も楽しいし、それを見たお客さまも相乗効果で楽しんでくれる、のコンボが永遠に続いていました。どんな状況下でも付いてくるお客さまが最強です。ありがとうございます。

今年もTシャツを制作しました。今年は味噌酵母さんにデザインをお願いいたしました。イベントのTシャツですが「普段使いが出来て可愛く、なおかつ男性でも女性でも着られてオタクDJイベント感がないもの、でもちゃんとオタク要素がある」デザインという高難易度なお願いにもかかわらず本当に素晴らしいものに仕上げて頂き大変感謝です。Tシャツの生産や受け取り等諸々の雑務まで受けていただき助かりました…。先行で手に入れた方がTシャツをアレンジしてくれるなんてことも起こり、自分の思ってもみないことがここでも発生していて驚きました。素敵なアレンジばかりで感激です。

今年のフライヤーイラストは昨年に引き続き焦茶さん。商業イラストを多く担当し昨年末のコミケ近辺での攻めのチャレンジも成功し、とにかくイラストが話題になり続ける方ですが今年もお忙しい中手がけていただきありがとうございました。色々とご注文ばかりで申し訳ありませんでした。2日間あったので並べると1枚のイラストになるフライヤーにしたい、という注文からあのような素敵なイラストが誕生しています。なお、文字無しのイラストは焦茶さんのコミケ新刊に収録されています。是非手に入れて穴が開くほど見てください。
フライヤーのデザインは今年もmayoさんです。mayoさんにも注文ばかりで一部雑務まで請け負って頂き大変感謝です。1日目に遊びにきてくれていたのですがガッツリ酔っ払っていて笑いました。あのブートステッカーは本質をついていてナイスでした。もらった方はとても少ないかと思いますが、あのステッカーに使われているみくるサマーのロゴ、実は今年用に作っていただいたのですがお蔵入りになっていたものでした。かわいいポップなロゴですので見てみたい方はどうにかしてください。と書きましたが今はTwitterのアイコンに使用しています。

今年のカメラマンはいちみん。大先生に頼みました。やっぱり彼のパーティーフォトは他の誰よりもその空気感まで味わえる写真ばかりで最高です。ご提供いただいた写真も1枚1枚ものすごく手間をかけていて、メインの被写体が1番映えるようになっています。そのクオリティーの高さゆえに色んな方がパーティーフォトでお呼びしたり、アーティスト写真を頼んだり使用したりしているのかと思います。パーティーも全力で楽しんでくれていてバチバチに笑顔で「ヤバいよ!!」って逐一報告してくれて嬉しかったです。彼は名古屋のイベントにお客さんでいるらしいですが友達が居ないと逐一報告してくるので皆さんどんどん話しかけて友達になってください。

これは強く思ったのですが、各演者さん・お客様それぞれに「演者同士の関係性」「演者と主催・スタッフとの関係性」「演者とラウンジネオとの関係性」「お客さまとクラブとの関係性」「お客さまとアニメ作品との関係性」など(バックグラウンド)ストーリーがありました。例えば、初めて東京のクラブに来たのがラウンジネオで開催されたスタフェスだった方が、あれから数年経って事実上の後継イベントであるみくるサマーの舞台に立っていること、去年のみくるサマーに遊びにきてくれた方がその後DJとトラックメイクを始め、1年後の舞台に立っていること、ゲストに出た出演者が別のDJのミックスを数年前に聞いてコメントをしていたこと、巡というイベントで繋がった各地方の演者やお客さんがインターネット上ではなく現実で交流し、はじめましてだけどはじめましてじゃなかったこと、ずっとファンであり憧れだった方と同じイベントで共演できたこと、数年間続けてきたDJ活動を様々ある現場の中で、みくるサマーで終了することを決めたこと、はじめてクラブという空間に勇気を出して遊びにきてくれた方がいること。自分もお呼びした演者の皆さんそれぞれに沢山思いがあります。

そういった「繋がり」を具現化できたことがイベントの一体感のようなものを生み出していたように感じます。ただ豪華なメンツを集めたパーティーでも一体感が全く無い、面白いんだけど「突き抜けない」イベントが多い中で「突き抜けた」感情を共有できるイベントにみくるサマーを育てられたのがとても嬉しいです。
あとは「地方に行く、熱を肌で感じる」ことは大切な要素かと思います。D.wattさんやイイジマさんが「東京のパーティーだけで満足するな、地方には沢山楽しいパーティーがある、パーティーで会おう」って趣旨の発言をされていたのがグッと来ました。昔は東京のパーティーをUSTREAMとかで見て憧れていたのが地方の皆さんのクラブ文化の原点という方も少なくないかと思いますが、今や東京と地方のイベントを比較すると地方のイベントの方が楽しい、というか「突き抜けてる」イベントが多いように感じます。東京のアニクラやインターネットカルチャーのクラブイベントに行かれる方は絶対地方のイベントにも遠征して遊びに行ってみてください。もしアテが無ければ今回のみくるサマーに出演した方がいる、北海道・青森・名古屋・石川・大阪・福岡とかから調べてみるといいかもしれません。で、出演者にみくるサマーの思い出話をネタにでも話をしてみると、新しい「繋がり」が生まれてそこからストーリーが生まれるかもしれません。

自分にとってそんなきっかけを作ってくれた、前述した「巡」というイベントですが、2018年12月1日(土)のデイイベントで秋葉原MOGRAにて開催します。実はこの回で最終回になります。
もし、みくるサマー経由で巡というパーティーを知ってくれた方がいらっしゃいましたら是非遊びに来てください。今まで地方に東京のイベントを持ち込んでいた我々が、東京に地方のイベントを持ち込むというチャレンジです。東京のイベントと地方のイベントのバイブスがぶつかり合う現場になって刺激的だと思うのでスケジュール開けておいてください。
こんな書き方してますが巡の主催はikkiハウスでお馴染みのikkiさんです。

もちろん、アニメ作品が好きなファンの皆さまが集まり、アニメの話や曲で盛り上がる現場であることもとても大事な要素です。普段CDやテレビ・スマホからでしか聞けない音楽達が、音楽を大きな音で浴びる為にある空間で聞くとこんなに印象が変わるということがよく分かると思います。今まで聞こえなかった音が聞こえることが、もしかしたら作品への見方を変えてしまうきっかけになるのかもしれません。普段味わえない経験ができて、演者もお客さまとも共通のアニメやそれ以外の話が出来る空間がとても楽しいからこそ、アニクラが発展しつづけているのだと思います。あれだけ様々なジャンルで音楽や映像を出していた出演者の方々の全員アニメが好きなのが面白いですよね…。

クラブに普段遊びに行かれないかたもそういう衝撃を味わっていただきたいなという気持ちが強いので、告知の段階等ではあまり他のクラブイベントでは見かけないくらいに初心者向けの告知も多数準備しました。ハッシュタグに質問を書き込めばすぐにスタッフが返信をしました。毎週のように遊びにいくようなクラブ慣れしている自分たちには気づかないことがあって、以前に比べれば敷居は低くなったものの(以前を知らないけど)、クラブって(アニクラでも)足を運ぶにはかなりハードルが高い空間であることです。でも、何かのきっかけで新しいストーリーが生まれるかもしれない空間でもあります。大人になるとよく分かりますが、新しい人との出会いってビジネス関係以外でそう簡単に起こらないもので、新たな出会いが沢山ある空間はとても面白いです。そういった要素でも、知らないものへの出会いの場所みたいな感覚でもっとクラブ遊びしてくれる方々が増えたら面白くなると思います。自分たちが言うのもおこがましい話ではありますが、ハードルの高さを少しでも低くして、絶対縁のない空間だった場所が勇気を持って飛び込めるくらいの場所に感じさせることが出来ていたら成功したのかなと感じます。

最後に、来年のみくるサマー開催は未定です。むしろ今年でやり切った感が強いのでやらない気持ちの方が今は大きいです。ただしばらくしたら、あの一体感が恋しくなってやりたくなるのかもしれないので、2019の開催を願う方はスタッフに圧をかけ続けてください。もしかしたらみくるサマーじゃ無くなっているかもしれませんが、皆さん気づいてくださいね。

改めまして、2日間出演して頂けた演者の皆さま、色んな雑務をお願いしたスタッフの皆さま、灼熱地獄の中ご迷惑ばかりおかけしたラウンジネオの皆さま(スーさんお誕生日おめでとうございます)、何より近所から遠方まで各地方から遊びにきてくれた皆さま、本当にありがとうございました!

追伸:飛田サマーみたいなタイプのイベントやりたい方とかいたら教えてください。色々協力出来ることがあったらお手伝いします。

追伸2:自分ですが、みくるサマー以外にもアニソン多めのオールジャンルDJイベントの「Focus On!」というイベントを3ヶ月に1回、中野ヘビーシックゼロという箱で開催しています。みくるサマー出演者も多く呼んでいるイベントなので、もしよろしければこちらにも遊びにきてくれたら嬉しいです。ちなみに次回は 9/8(土)の14時からです。(加えて12/8(土)もやります)某アニバーサリーイベントの真裏ですがよろしくお願いします。諸々の詳細は ハッシュタグ #フォーカスオン でTwitter検索してください。

メモ:神と和解せよさんが今回のイベントの為に職権乱用でダブを2つも仕込んでいたのですが、その中身がずっと昔に聞きまくっていたらっぷびとさんと、トップハムハット狂さんで流石にグッときました。イベント中より冷静になった今聞くとマジで自分の名前とかイベント名をあの声でおっしゃっている事実がヤバすぎです。人生チェックポイント?
https://twitter.com/YUiFUNAMi__/status/1026411784192778245
https://twitter.com/YUiFUNAMi__/status/1026407004787507201

お知らせ:この度12/15(土)に広島のclub LEOPARD / L2 にて開催予定の、中四国アニクラ集合イベント【NEIN'S PARTY 2018】に、みくるサマーがお呼ばれされました。詳細はNEIN'S PARTYのツイッターアカウントやホームページをご覧ください。中国・四国地方の演者は今までのみくるサマーには呼べていなかったので、若干不安ではありますが小規模ながらもあの日のラウンジネオの空気を持ち込めればと思ってます。気になる方は是非遊びにきてくださいね。

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