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そして生活はつづく

そして生活はつづく、という言葉がなんだか好きだ。しっくりくる。

これは、星野源が2009年に出したエッセイのタイトル。本の内容としては、電気料金を支払い忘れることだったり、文章が書けないどうしよう、なんて、なんでもない日常をつづっているものだった。

でも、たまに、いや、ふと、思い出す言葉だったりする。
特に非日常的なすごく楽しかったことがあったあと。この日々が永遠に続けばいいと思っていても、わたしたちは日常に戻らなければならない。
たとえば海へ行った帰りの電車。私が海へ行ったこととは関係なく、たくさんの人の日常が変わらずにそこにある。
自分は真っ黒に日焼けしたり、行きにはなかったお土産を持ってたり、自分しかわからない変化がちょっとだけある。
それがなんだか不思議で。特別な、過ごした時間を抱えながら、わたしたちは日常へ戻って行く。
そして生活は続くんだ、とぼんやり思う。
一緒に過ごした人たちを想いながら、でもたしかに自分のいつもの場所へ帰っていく。

つまらなくても、楽しくても、
つらい病気をして仕事が変わっても、
誰かがこの世からいなくなっても、
どんな人生の山や谷があっても、
生活は続いていく。
諦め半分、虚しくて、でも前を向かせる言葉だ。何度も救われた言葉だ。

仕事がら、地方出張が多かったり、転勤があったり、そんな私を日常に戻して励ましてくれる言葉。
出会った人たちと同じ時間をもう過ごせないけれど。

そして、生活は続く。

ほんと、このフレーズ、いい…。

(私が星野源ファンでどんだけ好きかって話はまたの機会に…)

ヘタレな自分や自分みたいな誰かをそっと応援する日記みたいなものです。