スターゲイザー scene3

3.「ドギースプリット」

    夏の入り口、世界を支える巨人だって膝をつく程の雲の堆積が空を覆う。上島航介は用心して傘を持ってきたが、辻宇希から教えられた住所のアパートにつくまで出番はなかった。傘を右手から左手へ左手から右手へ、時にクルッと回してマジシャンがステッキを操るように手の中で遊ばせながら歩いた。三階建てのアパートの薄茶色の外壁に沿って、大型のアメリカンタイプのバイクが停められていた。曇天の下で銀色の鈍い光を帯びながら、水牛のような重みをたたえてじっとしている。
 「いいねえ」
 彼は自分がそのバイクに跨り駆りゆく姿を想像し、満悦しながら通り過ぎた。集合ポストの前を抜けて階段を登ると、二階の廊下で煙草をふかしている男がいた。背は自分より低く、髪を無造作に後ろで一括りにしている。少しエラの張った輪郭に無精髭、くっきりとした二重の目がゆっくりとこちらに向けられた。親しい友人を見つけたようなおおらかな笑顔を見せて、
「眩しいの」
と男は聞いてきた。
「え?」
「こんなに曇ってるのに、サングラスしてるから」
ーあ、この人が辻さんが言ってた人だ。
航介はサングラスを外した。なるべく格好良く見えるやり方で、外した。
「曳馬(ひくま)さんですよね。初めまして、上島です。」
「ああ、うん俺が曳馬です。よろしく」
  曳馬は訥々した喋り方だった。航介は曳馬に促されて、すぐ脇の部屋のドアを開けた。部屋の表札は手書きの筆記体で『shin』と書かれていた。
   航介は後になって知ったのだが、曳馬はこの部屋に転がり込んだ居候だった。『shin』とは『晋』と書く、同棲する彼女の苗字だ。同棲といえば響きは甘いが現実は塩味の方が強い。曳馬は自分のアパートの家賃を滞納しまくったあげく退去させられたのだ。表のバイクは彼のほぼ唯一の所有財産で、家賃が払えなくとも手離せないと言って、頑なに死守している。
   玄関を入ってすぐのダイニングキッチンには『ベティ・ブルー』のポスターが貼られ、貝殻とビーズを連ねた暖簾の奥に8畳ほどのフローリングがある。やわらかな色合いでまとめられた室内を、居候の持ち物と思われるものー撮影機材、うず高く積まれた書籍と紙の束、ゲーム機、段ボール二箱分のCDなどーが占拠し、部屋の可愛らしさを何割か損ねている。部屋の奥にはもう辻宇希がいて、ノートや資料の束を開いていた。
 「散らかっててごめんね」
そう言って宇希の隣で立ち上がった髪の長い女性が、屋主の晋朱江(しんしゅえ)だった。
ー映画研究会のマドンナ。人呼んで『映研のジュリエット・ビノシュ』。
 宇希から聞いていたことを思い出し、納得した。夢見るような眼差しというのはこういうことを言うのだろう。控えめだが静かな調和の中に、神様が特別丁寧にこしらえたような目鼻口が据えられていた。肌も髪も子どものそれのように艶やかだった。
 「お、お邪魔します」
 航介はなるべく態度がぎこちなくならないように、細心の注意を払いながら靴を脱いだが、手をかけた棚の上の飾り物を落としてしまった。
 「す、す、すみません」
慌てて拾おうとしたが、靴が脱げ切っておらず前のめりに倒れかけ、顔を床に打ち付ける一歩手前で持ち直した。半身の体重を支えた腕に痛みが、数秒あとから鈍く響いた。
 「か、み、じ、ま、くーん。お姉さんがきれいだからってぼーっとしてんじゃねえよ」
 航介が落とした蛍光ピンクのキューピーちゃんのようなビニール人形を、宇希が拾い上げた。航介の目の前でブラブラさせながら、勝ち誇ったようないやらしい感じの笑みを浮かべている。朱江は感情のない、見ようによっては冷ややかと取れる無表情で凝視したままだ。背後には曳馬の気配。自分は四つん這いに近い格好で動けない。航介は情け無かった。最初が肝心なのに。モデル事務所に入った時は、はやく仲良くなりたくて他のモデルにやたらと話しかけてしまったのが、軽く見られる一因になったのかもしれない。常にクールであれ、と航介は自分に誓った。しかし、この状況は少しもクールじゃない。その上、後ろから曳馬は自分を踏みつけて越えていってしまった。
 「ちょっと、ひどいじゃないですかあ」膝立ちになり抗議すれば、
 「新しい玄関マットがあったからさ」と曳馬は笑った。
 まるで屈託のない朗らかな笑みだった。つられたようにきまりの悪さが、収まるところに収まって航介はすっと立ち上がった。構えすぎて固く自分を縛っていたものが、解けて足元に落ちていくようでもあった。曳馬太一という人間の中では、不遜さと優しさが背中合わせでクルクル回っている。拒絶と許容が宇宙規模のスケールでせめぎ合っている。要するに自分の信じたいものしか信じない、見たいものしか見ない、やりたい事しかしない人間なのだが、そこから発っせられるものを『引力』だと航介は感じた。そしてこれから航介は、その『引力』がどれほどの人を巻き込んでいくのかを目の当たりにする。

   その日、晋朱江のアパートにて顔合わせと旗揚げ公演に向けての打ち合わせが始まった。
集まったのは4人。新しい劇団の主宰となる曳馬太一(役者、舞台監督、装置、音響プラン担当)、作・演出の辻宇希(制作、照明プラン)、制作サポートの晋朱江(宣伝美術、衣装メイク)、上島航介(役者、渉外)。ざっと舞台作りに必要な役割を振り分ける。
「なっちゃんは、本日、愛犬のマサカゲを病院へ連れて行ってから来ると言ってたんですが、さっき電話がありまして、もう、老衰で手の施しようがないからお家で看取ることにしました。顔出せなくてすみません、新しい方にもよろしくお伝え下さい、とのことです。」
 朱江が粛々と伝えた。なっちゃん、本名水窪夏香(みなくぼなつか)は朱江と同じく制作スタッフの一人だ。舞台は役者のものだが、その舞台を作るには様々な人の力を必要とする。
 一般的な舞台は、セットをつくる大道具(装置とも言う)、小道具、照明と音響、衣装とメイク、それを統括する舞台監督、最低このスタッフワークによって成り立つ。そして目立たないが劇団運営に最重要なスタッフが制作だ。チケットの販売管理、宣伝・集客に関わること全般、公演会場を借りたり、種々の対外交渉、会計管理はもちろん当日の受付業務、アンケート、顧客名簿の管理などを引き受ける。航介に割り当てられた渉外というのは、制作業務の一端で対外交渉だ。航介は『21衛門』在籍時、大道具作りの手伝いのほかスタッフ経験はなかったが、渉外は外ヅラのいい航介にはぴったりの仕事だ。
  演出というのは、役者及び舞台進行の全てを統括する。どこまで何をするかは、その演出家次第だが、役者の演技に関わることは演出の範疇だ。宇希が『21衛門』でやっていたのがこの演出の助手であり、稽古のスケジュール管理や演出の代行をした。人前で話すことなど、苦手中の苦手だった宇希の苦心惨憺ぶりは主宰の野瀬のみならず、役者達の目にも余るほどだった。
ー向いてないことは初めから分かってた。
だから宇希はそれをどうしてもやらなければならないと思った。『演技』なんてとてもできない。演出論なんて借り物の付け焼き刃。それでも役者達と肩を並べようと思ったら、役者が納得するような演出家にならなければ。彼女がまずしたのは台本を読み込むことだった。それは役者以上、時に書いた野瀬を驚かせるような読み込みっぷりだった。登場人物の背景、設定の細やかなところ、セリフにはなっていない時系列の動き、役者の感情の流れを全て書き出してまとめた。それは台本の約3倍ほどの量になった。その作業は苦ではないというより楽しい部類で、問題は役者と対峙した時、野瀬の演出プランを正しく伝えられるかだった。彼の一言一句を咀嚼吸収し、どうにかこうにか再生産する苦闘の日々だった。
   宇希が石に齧りつくように芝居にかじりついていた日々、曳馬太一はほとんど悠々といったていで、貪欲かつ自由に表現の場を広げていた。最初は映画好きの延長で、フィルムを撮ることから始めた。大学の映画研究会の部室は、半分が落語研究会の所有であり彼等と顔を合わせるうち仲良くなった曳馬は、寄席にもゲスト出演するようになった。生来、器用で度胸のある男である。寄席では落語研究会の芸人達が嫉妬するほどの笑いと拍手を得るに至った。映画と違い、目の前の人間の反応が即座に自分に返ってくる。そのことが曳馬にはひどく快感だった。笑いを得る悦びを知った彼は、次に自分の噺は『泣いて』もらえるかという好奇心が湧き上がってきた。路上コントをした際、彼はネタを全て終え「あっがとござっましたあ!」と頭を下げてる相方の前に、しゃしゃり出て『俺の犬の話』を語り出した。
 突然の挑戦だった。相方は動揺して態度を決めかねていたが、客がそのまま聞き入る気配になったのを見て成り行きに任せた。立ち去る客もいたが、一人体格のいい年齢不詳の男が鼻を啜って泣いているのを曳馬は見た。それは『21衛門』の主催の野瀬だったわけだが、曳馬は知る由もない。
ーもっと、もっと出来る。
 そして曳馬は芝居の世界へ分け入った。学生演劇からアマチュア演劇へ、彼は頭角を現していった。そんな中で出会ったのが、小さな体でもりもり仕事をこなす制作の水窪夏香だった。その頃はすでに朱江との付き合いも始まっており、同じく映画研究会のメンバーだった宇希も、彼の公演は必ず見に来ていた。
「いつか、自分の劇団を立ち上げたい。」
彼は三人を相手に自分の作りたい舞台のビジョンを語った。役者だけでなく、企画から台本、装置、衣装全て自分の思い描くものが体現できたらどんなに楽しいだろう。『楽しいこと』には惜しみなく情熱を注ぐ、気まままで無敵のエピキュリアン。朱江も宇希はもちろん、夏香も彼の天井知らずの可能性を信じていた。それは実現不可能なことではない。曳馬さえ、大学の単位を落とさなければ。
  それには3年かかった。いや3年かけて卒業を諦めた。その間に後輩二人は卒業し、朱江は大学院へ、宇希は出版社のアルバイト職員となった。曳馬は借金漬けの無職だ。 
  彼の最も苦手な計画性と堅実性を補うのが水窪夏香であり、彼の『マドンナ』が晋朱江であり、期日通りに台本を書けない彼の代わりになるのが辻宇希だった。

「この日が、ってまだ顔あわせですが、この日がついにきました。それで、まあ、名前を決めようかと。」
諸々の事が決まり、冷蔵庫から缶入りのアルコールを適当に数本取り出しながら、曳馬は言った。
 「何か考えているの?」宇希がきくと、
「いくつかね」と曳馬。
「はい、かんぱーい」とダラダラとひとりでアルコールを口にしながら彼は候補を上げていった。
 「クロックワークスオレンジ、どう?」「オレンジはダメ、オレンジプールさんが既にいるでしょ」
「じゃあ、クロックワークスメロン」「時計仕掛けのメロン?やめましょ」「ホームワークスメロン」「メロン、離れて」
「あ、じゃあ、チームワークス」航介が口をはさみ、勿体つけて「劇団チームワークス」と言う。
「その心は?」と曳馬がきけば、「劇団の名前はポリシーというか、目標になるものがいいです。演劇は集団芸術だから、チームワークが肝心、でしょ?」
「目標ね。じゃあ、ナンバーワンだわ。」「ストレートでいいですね、劇団ナンバーワン」と航介が言えば、「本気でかよ?」と曳馬。
「じゃあ、劇団オンリーワンってのはどうでしょう」
「ダサいダサいダサい」宇希が呪詛のように呟き、「劇団イレイザーヘッドに1票」。
「辻ちゃんさっき、俺の趣味のいいところ否定したのに、自分それ出すわけ?」
   劇団名決めは早くも難航しそうだと航介は思った。朱江は何か食べるもの作ると言い置いて、台所へいってしまった。何かと言ったが来客がある時、彼女の作るものは激辛汁無し担々麺と決まっている。
 しばらく三人の間で、劇団名をお題にした大喜利のようなやり取りが続いた。その中で航介は曳馬の映画好きや宇希のオタクぶりに、なかなか口が挟めない。二人とも何となく自分の知識に溺れて、小難しい話を好んでするように感じた。『21衛門』の良くも悪くも単純でわかりやすいノリの舞台、主宰の野瀬の平易な物言いを懐かしく感じた。その場にいる時は、ノリだけで厚みや深みにかける連中だと思ったが、あの大所帯でワイワイガヤガヤしているのがおそらく思った以上に自分は楽しかったのだ。劇団のコンセプトも方向性も、そういえば航介は聞いていない。目の前の二人のような、マニアックを先鋭化させることにヒートアップするスタイルなら、果たして自分に合うのだろうか疑問だ。そこへ、トンと見るからに辛そうな麺類が出された。航介はそれを発泡酒流し込むように食べた。アルコールに強い方ではないが、水では余計に辛く感じるので発泡酒一択だ。こんな見た目が涼しげな女性から、これほど辛い食べ物が提供されるとは想像し難い。他の二人は、汗をかきながらも平気な顔で食べている。
  ほどなくして一本の電話が入いり、朱江が「なっちゃんからだ。」と言って出た。
「なっちゃんの愛犬のマサカゲが、先ほど亡くなったそうです。最期はなっちゃんに体を預けて静かに、息を引き取ったそうです。今日は大事な日なのに、マサカゲと最後の時間を頂いてありがとうって、なっちゃん言ってました。」と囁くような声で告げた。
 「なっちゃん!マサカゲ!」
曳馬が大きな目から大粒の涙を出しておいおいと泣き始めた。始終無表情と思われた朱江も目頭をそっと拭った。航介は夏香のことも犬のことも知らなかったが、雰囲気にのまれ泣き始めた。
 「劇団名だけど・・・」
俯いていた宇希がおずおずといい出した。
「なっちゃんがさ、すごく大事にした『犬』ってのを劇団名にしたい。」
「劇団マサカゲ?」「そうじゃなくて」と航介を遮り、
「劇団犬乞食とか。」
「ちょっと語感がひどいかも」朱江が渋った。
「役者なんてのはさ、元来、河原者なんだよ。乞食なんだよ。航介くんも言ってたよね、ポリシーになるものがいいって」と曳馬。
「ポリシー、乞食ですか?」
「アクターってのは乞食って意味だからね、『ドッグアクター』つったらそのまんまだよ。社会の枠組みの外に弾かれた存在だよ。反面、ときの権力者惹きつけるほど、力は絶大。もっとさかのぼれば、神に捧げられるものとして、時に神の姿、鬼の姿にも成りかわるってのが役者の原初の姿だよ」
曳馬は航介相手に、続けざまに『役者』の起源を語り始めた。お酒のせいか声が常より大きい。
 宇希はうるさそうに立ち上がって、本棚から英語辞典を出してパラパラとめくり始めた。
「パピーアクター?」朱江がそれを覗き込む。
「パピーより、ドギーだな」宇希はドギーに続く語感のよい言葉を探してページを繰った。
「split」
「ドギースプリット」と朱江が呟いた。
「意味は?」航介がきくと、「犬分裂」と宇希がニタリと笑った。
「アングラでよくない?」
「じゃあ、それで決まり」と曳馬が言った。
「アングラって?どんな芝居やるんですか?白塗りですか」釈然としない航介を置き去りにしたまま、曳馬は皆のコップに自分の飲みかけの酒を注いで回わり、宣言した。
「劇団名『ドギースプリット』略してドギスプ。マサカゲの冥福と我々の前途を祝し、命名しました。僕等はこれから、『ドギースプリット』です。」
  
    会議というべきか雑談と言うべきか航介にはよくわからなかったが、最終的にだらだらと打ち解け、辛すぎる麺を食べ、アルコールを摂取して夜が更けた。いつの間にか眠ってしまった航介は、尿意で目を覚ました。
   隣で酔いつぶれた曳馬が高いびきをかいていた。エアコンを消して、開け放された窓からぬるい風が入ってくる。深夜なのに突然蝉が鳴きはじめ、名古屋の蒸し暑い夜をいっそう暑苦しくした。暗がりにゆっくりと目が慣れてくる。床でそのまま寝てしまったのだが、薄いタオルケットがかけられていた。部屋の隅のベッドに、壁に背を預けて座っている人影があった。その傍に布団が盛り上がっている。起きているのは、どちらだろう。航介は起き上がる前に、そっと壁の人物の顔を盗み見た。
   宇希だった。彼女は自分の傍で眠る朱江の顔を見つめていた。航介が起きたのに気づく様子もなく、ただじっと呆けたように見ている。レースのカーテンの隙間から差し込む街灯の薄青い光に照らされた宇希の顔を見て、航介はハッとした。
ー辻さん、女の子が好きらしいよ。
前の劇団で誰かが言っていたのを思い出した。宇希自身、聞かれたから答えたまでで、女性らしくもなければ、ボーイッシュというにはあまりにも地味な彼女の恋愛傾向など誰の関心も引かなかったのだが。しかし、この時航介にはその一言だけが閃いた。
ーそういう事か。
彼は合点がいったが、体は固まったように動かない。宇希は泣いていた。光の筋が目元をぎらつかせて、頬を紅潮させて、それでも息ひとつ洩らさず泣いていた。まるで眠り人に息が吹きかかることを恐れているように、苦しげに押しとどめている。片手が朱江の頬のそばに伸びているが、決して触れることはしない。ただ見ているだけなのに、ただ見ているだけだから、その切岸に立つ思いが航介にも伝わってくる。航介までも息が詰まるような時間が流れた。それでも尿意が限界に達したので、
 「んんん、ムムム」と大袈裟に寝返りをうってみた。
宇希は彼に目を向け、そっと身を離し音もなくベッドの下に丸くなった。入れ違いに彼はようやく身を起こし、トイレに入った。個室の中には、自主制作映画のチラシやポストカードが何枚もディスプレーされていた。その中に、朱江と宇希と曳馬を写した写真が混ざっていた。実物の方が美人だが、それでも愛らしく写っている朱江と何故か本物以上に彫りが深く見える曳馬、その二人の横で笑おうとしているのか嫌がっているのか、中途半端な顔で写っているの野暮ったい女が宇希だった。
ー朱江さんは曳馬さんの彼女で、宇希さんは彼女に想いを寄せている・・・。
それは彼からみても、到底太刀打ちのできないこと、不毛な思慕に思えた。間違いなく宇希本人もそう信じているのだろう。しかし、朱江に沿う影のような彼女の姿を思い出すと、航介は何かを安じずにはいられなかった。何を、と聞かれても彼にはわからないのだが。
 
続く


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