実はシューティングゲームはVRに向かない?

 様々なVRコンテンツを試してみて思うこと。実はPOV型のシューティングゲームは、慣れたゲーマーであればあるほど、VRで行う価値が少なくなっているのではないか。
 もちろん、ゲームをあまりプレイしたことがないユーザーにはVRのゲームはものすごく斬新な体験ができるので価値が高いと思う。
 しかし、POVゲームに慣れたゲーマーは、マウスやジョイスティックなどでコントロールする従来型のゲームでも没入感を感じる事ができるレベルに達している。このようなゲーマーには、HMDによる視線ターゲットが中心のVRシューティングゲームは、「単にコントローラーがHMDになっただけ」に過ぎない。
 例えばナムコのVRZONEにあった「アーガイルシフト」や『装甲騎兵ボトムズ バトリング野郎」を体験して顕著に感じたのは、「VRコンテンツとして楽しいのは、ゲーム開始前の出撃シーンまで」でした。
 実際にゲームがはじまってしまうと、ゲーマーは自動的に思考がゲームモードに切り替わってしまい、VRかどうかは関係なくなってしまう(これも「ゲーム脳」の一種かもしれない)。ゲームに集中するあまり、VRを楽しめない。

 一方で、同じVRゲームでも、ジョイポリスの「ゼロレイテンシーVR」(銃の方向がコントローラー)や、HADOシステムを用いたもの(照準は視線だが、発射のために腕をコントローラーとして使用する)など、視線以外のコントロールに意識を集中させるものは、VR感の減少を抑えられているように感じる。
 また、シューティングではない例えばVRZONEの「スキーロデオ」、「トレインマイスター」などはさらに、VR感は損なわれない。

 しかし、やはり純粋にVRを楽しむのであれば、ゲームではないホラー体験型のVRなどのツアー型(多少のインタラクティブ性はあっても、基本的にストーリーが決まっている)などの方が、良いのではないかと思う。
 もしくは、誰かになりきるタイプのコンテンツ(例えば歌手になりきれる究極のひとりカラオケ「マックスボルテージ」や、体験したことはないが、「サマーレッスン」など)の方が、没入感が高まるのでよりVR向きなのでしょう。

 これからさらに多数のVRコンテンツが登場してくると思いますが、シューティングゲーム以外のコンテンツが増えてくるのを願ってます(もちろん、VRシューティングもゲームとして楽しければそれはそれで良いのですが)。


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