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赤坂ドリブンズが村上プロ、丸山プロと契約満了 監督の責任は?【Мリーグ】

 とても悲しいニュースが入ってきました。

 赤坂ドリブンズは2023年5月29日(月)、Mリーグ2022-23のシーズンをもって村上淳プロと丸山奏子プロとの契約満了を発表しました。

 赤坂ドリブンズは今季まで2季連続、同じメンバーでファイナル進出を逃し、Mリーグの規定で1人以上の選手交代が課せられていました。

 赤坂ドリブンズは1人だけでなく、2人の選手入れ替えを決断。個人ポイントが2季連続32人中30位だった村上プロと、4季中3季マイナスだった丸山プロとは来季の契約を結びません。

 チームの初代王者獲得に貢献した村上プロとムードメーカーで多くのファンに愛された丸山プロの2人がチームを去るのはとても残念です。

 「お疲れさま。ありがとうございました」の感謝の言葉を送るとともに、2人の捲土重来を願っています。

 勝負の世界なので、結果を残せなかった選手に厳しい試練が待ち受けているのは仕方ありません。

 けれども、今回一番納得できないのは越山剛監督が交代しないことです。監督としての責任は極めて重いです。

 その理由はなんといっても、理解に苦しむ起用法で「育成枠」として入団させた丸山プロをきちんと育てられず、退団に至ったことです。

 Mリーグ2019-20から参戦した丸山プロの出場は、最初のシーズンから2季続けて規定で是非の10試合のみ。残る2季も続けて12試合にとどまり、4季で計44試合でした。

 チームメイトの園田賢プロが今季だけで35試合出場していることを考えると、その少なさは歴然としています。

 麻雀では緊張感のある激戦を経験すればするこそ、大きく成長します。

 Mリーグに出場するまで実績の少なかったKONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗プロ、U-NEXT Piratesの瑞原明奈プロ、セガサミーフェニックス・東城りおプロが、大舞台の試合を重ねることで強くなったのは麻雀ファンの衆目一致です。

 KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まりプロや渋谷ABEMAS・日向藍子プロ、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳プロもМリーグでたくさんの厳しい戦いを経験し、実力を高めました。

 ところが、丸山プロは他チームの女流プロと比べて圧倒的に試合数が少なかったです。成長するチャンスを十分に与えられなかったと言わざるを得ません。

 今回の「まるこ」の退団にたくさんの麻雀ファンから同情の声が出ているのもここにあります。

 丸山プロが他の女流プロに匹敵する試合数を消化し、結果を出せなかったのならば、もっと退団に対して理解を得られたのではないかと思います。

 越山監督は「まるこ」を大事に育てようとしていたのかもしれませんが、その方法は結果として失敗に終わりました。

 さらに、丸山プロには規定最低試合数で経験を積ませ、多くの試合は3人の強い男性プロに任せ、2度目の優勝を成し遂げる戦略もうまくいきませんでした。

 赤坂ドリブンズは園田賢プロ、村上淳プロ、鈴木たろうプロの3人で戦ったMリーグ2018-19は優勝しました。けれども、丸山プロの入団後は7位、4位、7位、7位と低迷しています。

 越山監督の戦略と選手起用では、赤坂ドリブンズは4季連続3位までに入れませんでした。麻雀は運の要素の強い競技ですが、他の7チームはこの4季の間にいずれも賞金の出る3位以内に少なくとも1回入っています。

 越山監督がチームの司令塔という役目を十分果たせていないことは、結果として顕著に表れています。

 今季も好調の園田プロに頼りすぎの傾向があったほか、村上プロ、たろうプロを不調からうまく脱却させることもできませんでした。

 また、丸山プロが試合で手応えのある打ち回しを見せた後、次の試合までの日数が開き、せっかくの良い感覚をもう一度作り直しているように見えることもありました。

 さまざまなスポーツの取材をしてきて、どちらかというと結果を出せなったときは監督よりも選手の責任を重く認識してきました。

 しかし、今回ばかりはまるこの起用法などを含め、監督の重い責任にどうしても目が向かいます。

 チームを預かるものとして、越山監督に対して連続不振の結果責任が問われるのは、勝負の世界で当たり前のことではないでしょうか。

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