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猿川プロのジェットコースター麻雀 劇的な逆転も倍満放銃にがっかり

 「ジェットコースター麻雀」で劇的な逆転勝利。それでも倍満放銃にがっかりです。

 BEAST Japanext・猿川真寿プロが2024年3月4日(月)のMリーグ2023-24レギュラーシーズン第185戦でトップを獲得しました。

 猿川プロは50000点のトップ目で迎えた南3局2本場にまさかの倍満放銃で2着目に転落。けれども、オーラスに跳満ツモの一撃を決め、トップを取り返しました。

 結果オーライなものの、セミファイナル進出のボーダー争いの佳境で「致命傷」となりかねない一打を、猿川プロには見せてほしくなかったです。

 赤坂ドリブンズ・浅見真紀プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗プロ、BEAST Japanext・猿川真寿プロ、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳プロの並び順。

◎得意の南場で3着目からトップ目に浮上

 猿川プロは今年に入ってから逆転を繰り返している得意の南場で、一気にトップ目に浮上しました。

 南2局を迎え、持ち点は西家・岡田39200、東家・伊達28100、南家・猿川23700、北家・浅見9000です。

 3着目の猿川プロは5筒・8筒待ちで黙聴。トップ目の岡田プロから5筒を打ち取りました。

 タンヤオ・ピンフ・三色・イーペーコー・赤ドラ2の12000点です。

 南3局を迎え、持ち点は東家・猿川35700、北家・伊達28100、南家・岡田27200、浅見9000。

 「デバサイ」の直撃で一気にトップ目に立った猿川プロは、大きく加点します。

 猿川プロはラス目の浅見プロから5筒を打ち取りました。裏ドラが1枚乗り、リーチ・一気通貫・裏ドラ1の12000点です。

 南3局1本場で持ち点は東家・猿川47700、北家・伊達28100、南家・岡田27200、浅見-3000。

 さらに、猿川プロはリーチのみの2000点(+300)を浅見プロからあがり、持ち点は50000点になりました。

◎画竜点睛を欠く8索切り

 南3局2本場を迎え、持ち点は東家・猿川50000、北家・伊達28100、南家・岡田27200、浅見-5300です。

 この一局で予想だにしないことが起こります。

 2着目の伊達プロが12巡目にドラの白を暗刻にして、5索・8索待ちでリーチしました。

 伊達プロのリーチを受け、トップ目の猿川プロは13巡目に現物の西をツモ切りました。14巡目に初牌の南をツモった手牌です。

 一萬、1筒、2筒が現物で、發も場に1枚切れていて安全牌です。

 猿川プロは勝負しないと思っていました。ところが、8索を切り、イーシャンテンを維持して放銃。

 裏ドラがなんと白で3枚乗り、伊達プロはリーチ・白・ドラ3・裏ドラ3の16000点(+600)です。

 伊達ちゃんはМリーグで個人初の倍満。持ち点は44700点となりトップ目に浮上。猿川プロは33400点で2着目に転落しました。

 猿川プロにとって激痛の倍満放銃です。せっかく、親で連荘してリードを広げたのに画竜点睛を欠く8索切りでした。

・押す理由

 猿川プロが押したのは、主に次のような理由があったと思います。

 ①場に7索が3枚切られていて8索はワンチャンス。さらに、5索も2枚、6索も1枚、8索も2枚出ていて、8索は通しやすそうだった。
 
 ➁自身の手が「123」の三色・發の親満を狙えるイーシャンテンだった。

 ③3連続あがりで勢いに乗っていて、ワンチャンスの牌ならば勝負したかった。

 ④チームの総合ポイントはこの試合を迎え、最下位の9位。セミファイナル進出のボーダーラインの6位浮上に向け、できるだけ多くポイントを稼ぎたかった。

・押してはいけない理由

 一方、押してはいけない理由として、主に次のことが挙げられます。

 ①2着目と21900点差、3着目とは22800点差のトップ目。試合終盤の南3局2本場の親で、無理してあがりに行く局面ではない。

 ➁セミファイナル進出争いでチームに是が非でもトップを持ち帰りたい。それには「事故」の放銃は絶対に避けなければいけない。

 ③2着目の伊達プロ、3着目の岡田プロへの放銃を避ければ、残り一局で逃げきりトップは濃厚。

 ④粘り強くトップを狙う伊達ちゃんからのリーチだったので、高打点を警戒しなくてはいけない。

 ⑤8索が切り遅れた形になってしまっているので、ワンチャンスとはいえ切りずらい。

・オリに回るのが自然

 押す理由と押してはいけない理由を合わせて考えれば、ここではオリに回るのが自然です。

 猿川プロは攻め続けようという気持ちが強すぎて、冷静さを失っていたのかもしれません。

 猿川プロが8索を切った直後、雀友から相次いで「信じられない」「ありえない」「悲しすぎる」などのメッセージが寄せられました。

 「モンキーマジック」をはじめ、猿川プロの打ち筋が好きだっただけに、全員とてもがっかりさせられました。

◎オーラス絶妙な白の1枚外し

 ジェットコースターで落下するように、痛恨の一打で2着目になった猿川プロ。

 そのまま、がっくりせず、もう一度オーラスに逆転したのはさすがです。

 白の暗刻を1枚外し、チートイツ一本に向かった選択が絶妙でした。

 南4局2本場(供託3)で持ち点は西家・伊達41700、北家・猿川30400、東家・岡田28200、南家・浅見-3300。

 2着目の猿川プロはトップ目の伊達プロと11300点差。供託が3本場あり、2本場なので満貫をあがれば再逆転です。

 3着目で親の岡田プロが10巡目に三萬を引き入れ、いち早く1筒・4筒待ちでリーチしました。

 岡田プロは伊達プロと13500点差。リーチ・ピンフ・イーペーコーの手です。ツモれば2600オール(+3600)でトップ目に立てます。

 山には1筒だけ2枚残っていました。

 猿川プロが11巡目に發を重ねた手牌です。

 猿川プロは鳴き仕掛けのできるメンツ手の両天秤にかけず、暗刻の白を1枚切り、筒子のメンゼンホンイツ・チートイツ一本のイーシャンテンに構えました。

 これがずばり的中します。

 猿川プロは12巡目に西も重ね、中単騎待ちで聴牌。黙聴に取りました。

 山に中は2枚残っていました。

 猿川プロは14巡目に中をツモりました。メンゼンホンイツ・チートイツ・ツモの3000、6000(+4600)で逆転勝利です。

 第185戦の結果は猿川47000、伊達38500、岡田21000、浅見-6500。

 猿川プロはジェットコースターのように、南2局からの3連続あがりで頂点に駆け上がり、まさかの倍満放銃で急降下。さらに、オーラスの跳満ツモで再び頂点に立ちました。

 ジェットコースーター麻雀となりましたが、大きな勝利です。 

 この日は鈴木大介プロが第186戦で2位を確保。BEAST Japanextはチームポイントで7位に上がり、セミファイナル進出のボーダーラインが目前に迫ってきました。

 

 

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