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黒沢プロがセレブ麻雀で最強戦快勝

 TEAM雷電の黒沢咲プロが2022年5月29日(日)の「麻雀最強戦2022 ミスター麻雀カップ」で優勝し、12月に行われる「麻雀最強戦2022」のファイナルに進出しました。

 決勝では鳴かずにメンゼンで高打点をあがり、危険牌はしっかりピタ止めする「セレブ麻雀」の本領を発揮し、見事な快勝でした。

 ファイナルでタイトルホルダーとして待ち受けるのは、昨年、奇跡の倍満で悲願の優勝を成し遂げたチームメイトの瀬戸熊直樹最強位です。

 ファイナルの組み合わせでお嬢と熊兄の雷電ダービーが実現することを期待しています。

 今回の最強戦は華麗な手作りで人気を誇り、「ミスター麻雀」として親しまれた小島武夫プロをしのび、手役派で麻雀ファンを魅了する8人のプロが出場。小島プロの命日の5月28日の翌日に行われました。

 A卓で萩原聖人、黒沢咲、本田朋広、鈴木達也、B卓では滝沢和典、二階堂瑠美、望月雅継、古橋崇志の8人のプロが激戦を繰り広げました。

 決勝に勝ち上がったのは萩原、黒沢、滝沢、瑠美の4プロ。瑠美、萩原、滝沢、黒沢の並び順です。

 黒沢プロが持ち味を活かして見事な打ち筋を見せました。

◇代名詞のメンゼン高打点

 黒沢プロは代名詞の鳴かずにメンゼンで高打点を決めて勝つセレブ麻雀の破壊力を見せつけました。

 東1局は西家の滝沢プロが先制のあがりを目指し、11巡目にカンチャンの8筒待ちでリーチします。

黒沢1

 親ではなく、ドラもないリーチのみの裏ドラ期待の手です。重厚な滝沢プロらしくなく、観戦していて違和感を覚えました。

 その危惧は当たりました。黒沢プロが15巡目に2萬・5萬待ちで追っ掛けリーチします。

黒沢2

 こちらは黒沢プロらしく、6萬単騎待ちで聴牌したとき黙聴に取り、両面に変化してからリーチに踏みきりました。

 滝沢プロが17巡目に2萬をつかんで放銃。黒沢プロは裏ドラが1枚乗り、リーチ・タンヤオ・ピンフ・裏ドラ1の8000点(+1000)のあがりです。

 滝沢プロは少し力みすぎを感じさせる打ち筋で痛い満貫の失点です。一方、黒沢プロは幸先良いスタートを切りました。

 黒沢プロは東4局の親でセレブの名にふさわしい勝利を手繰り寄せる強烈なあがりを決めます。

 東4局を迎え、持ち点は東家・黒沢35900、西家・萩原24800、南家・瑠美21900、北家・滝沢17400です。

 黒沢プロの配牌です。萬子が連続形のチャンス手が入りました。

黒沢3

 ドラの6筒にうまくくっつくかがポイントとなりそうです。

 順調にツモが伸び、10巡目にイーシャンテンです。

黒沢4

 黒沢プロらしく配牌でトイツだった9萬を2枚外し、高打点の狙える手に育てました。

 いち早く聴牌したのはチームメイトの萩原プロです。カンチャンの4索待ちで黙聴に構えます。

黒沢5

 萩原プロ得意の三色が「678」で確定したタンヤオ・三色・ドラ1の満貫の手です。

 黒沢プロも5筒と7筒を引き入れ、14巡目に4萬・7萬待ちで迷わずリーチします。

黒沢6

 黒沢プロはきっちりと大物手の聴牌に仕上げました。

 瑠美プロも14巡目に追いつき、北単騎待ちのチートイツの手でリーチしました。

黒沢7

 萩原プロも2人のリーチを受け、14巡目にそのままカンチャンの4索待ちでリーチします。

黒沢5

 3人のリーチ合戦を制したのは黒沢プロでした。16巡目に4萬をツモりました。

黒沢8

 裏ドラが1枚乗り、リーチ・タンヤオ・ピンフ・ツモ・ドラ1・裏ドラ1の6000オール(+2000)のあがりです。小島プロも天国から拍手を送っているように感じた親の跳満ツモでした。

 黒沢プロが上品な物腰に加え、この勝負強さと点数アップに必要な枚数の裏ドラをきっちり乗せるところに、セレブと称されるゆえんがあります。

 黒沢プロは南1局2本場(供託1)でもカンチャンの3萬待ちでリーチし、ツモりました。

黒沢9

 リーチ・ツモ・ドラ2の2000、4000(+2600)です。黒沢プロはこのあがりで60000点を超えるトップ目に立ちました。

 ◇ピタ止めする鉄壁の守り

 黒沢プロは大きなリードを守って逃げきりました。その道中で見せたのは対戦相手のあがり牌ピタ止めです。

 鳴かずにメンゼンで高打点を狙うのが黒沢プロの特長ですが、もう一つの看板として鉄壁の守りがあります。放銃しそうなときも辛抱して回避することにより、大きな失点を防ぎ、ここぞというときの一発がトップにつながります。

 決勝でも南場の親で必死に連荘し、追い上げを図る萩原プロの一撃をピタ止めで許しませんでした。

 南2局2本場(供託1)で持ち点は西家・黒沢63500、東家・萩原18600、南家・滝沢9200、北家・瑠美7700です。

 黒沢プロは11巡目に出あがりできる4萬・7萬待ちで聴牌しました。

黒沢10

 黙聴に構え、2着目の萩原プロの親流しを狙います。

 鳴き仕掛けをしていた萩原プロが12巡目に追いつきます。

黒沢11

 ドラの4萬と白のシャンポン待ちで親満の手です。

 黒沢プロが17巡目につかんだのが白です。

黒沢12

 大きくリードしたトップ目なので自ら決着をつけにいきたいところです。

 しかし、黒沢プロは少し考えた後、この白をピタ止めして1索のトイツを外しました。

黒沢13

 素晴らしい放銃回避です。萩原プロはあがれずに流局となりました。

 この決勝は攻守で黒沢プロが麻雀ファンを魅了しました。ファイナルでも力を十分に発揮してほしいです。瀬戸熊最強位とのほほえましい「口撃」合戦も楽しみにしています。

 黒沢プロ初の戦術本も好評です。 ミスター麻雀カップはまさに題名通りの戦いぶりでした。


 

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