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井出康平プロの粘り強さ健在 5年ぶりで2位発進【モンド杯】

 得意のモンド杯に5年ぶりの出場で持ち前の粘り強さは健在でした。

 第23回モンド杯予選第1戦です。

 日本プロ麻雀連盟・井出康平プロは初戦2位で発進しました。

 オーラスの親で国士無双の狙いのバラバラの手から、ドラ色のホンイツの聴牌にこぎ着けた粘り強さが光りました。

 井出プロは第14回からモンド杯に出場。第16回モンド杯では、最終戦のオーラスに2件リーチをかいくぐり、涙の初優勝を果たしています。

 モンド杯では、手牌が悪くてもあきらめず、徹底してあがりと着順アップを狙う粘り強い打ち筋で好成績を上げ、第14回から4年連続で決勝進出しました。

 しかし、第18回に予選敗退となり、チャレンジマッチも勝ち上がれず、第19回の出場権を逃しました。その後は出場の機会がありません。

 井出プロは今回、推薦枠で5年ぶりの出場となり、2度目の優勝を目指して初戦に臨みました。

 予選第1戦は日本プロ麻雀連盟・柴田吉和プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典プロ、日本プロ麻雀連盟・井出康平プロの並び順。

 いずれもモンド杯の優勝経験者という豪華な顔ぶれです。

 井出プロは南1局に小気味良い満貫の一撃を決めました。

 持ち点は北家・井出28500、西家・滝沢27000、南家・寿人24500、東家・柴田20000です。

 トップ目の井出プロは10巡目にいち早く聴牌。5筒・8筒待ちでリーチしました。

 2着目の滝沢プロもすぐ11巡目に追いつき聴牌。二萬・五萬待ちでリーチです。

 2人のリーチ合戦はあっけなく決着。井出プロが11巡目に一発で5筒をツモりました。

 井出プロはリーチ・一発・ツモ・ドラ1の2000、4000(+1000)です。

 持ち点は井出37500、滝沢24000、寿人22500、柴田16000。井出プロが接戦から抜け出しました。

 ところが、2着目の滝沢プロが南3局の親で逆転してトップ目に浮上しました。

 滝沢プロは裏ドラが1枚乗り、リーチ・タンヤオ・ツモ・ドラ1・裏ドラ1の4000オールです。

 南4局を迎え、持ち点は北家・滝沢35000、東家・井出34800、南家・柴田24300、西家・寿人5900。トップ目の滝沢プロと2着目の井出プロはわずか200点差です。

 あがればトップ目に再び上がれる親の井出プロの配牌。1・9・字牌が9種9牌のバラバラの悪い手が入りました。

 井出プロは4巡目までにツモったドラ色の萬子の牌を全て残し、5索、2索、8索、7索と続けて索子を切りました。1・9・字牌を1枚も引き入れることができません。

 5巡目にドラの3萬をツモって5筒を外し、国士無双と萬子のホンイツの両天秤で手を進めます。

 けれども、字牌の重なりがまだ一つもありません。ホンイツ聴牌の道は険しいです。

 井出プロは6巡目にようやく役牌の中が重なりました。

 7巡目と8巡目は続けて7索、9巡目は5索、10巡目は2索をツモ切り。ツモがなかなか効きません。

 井出プロがまごついている間、ツモの効いていたラス目の寿人プロは10巡目にカンチャンのドラの三萬を引き入れて聴牌。1索・4索待ちでリーチしました。

 トップ目の滝沢プロは10巡目に一発で1索をつかみ、オリに回りました。

 井出プロは11巡目に七萬をツモり、現物の9筒を外して国士無双を断念しました。

 井出プロにとってトップ目に200点差まで迫っているのに手は進まず、先制リーチが入るという最悪の展開です。

 井出プロは逆転トップをあきらめ、やむを得ず2位を受け入れるのかと思っていました。

 ところが、ここからしぶとく粘ります。

 井出プロは12巡目に滝沢プロが切った現物の八萬をチー。安全牌の1筒を切りました。

 あがりをあきらめず、思いきりのよい鳴き仕掛けです。

 13巡目に西を重ねて北を切り、リャンシャンテンです。

 井出プロは14巡目に寿人プロに通っていない6索をツモり、現物の白を切りました。

 15巡目に現物の八萬をツモ切り。16巡目に滝沢プロが切った中をポンし、現物の發を切ってついにイーシャンテンです。

 井出プロは17巡目に寿人プロがツモ切った西をポン。すでに現物となっていた6索を外し、東単騎待ちで聴牌です。

 井出プロはホンイツ・中・ドラ1の親満の手です。国士無双狙いからホンイツに移行し、1枚の危険牌も勝負せずに聴牌しました。

 徹底した粘りで八萬チーに踏みこんだ判断が見事です。

 東は柴田プロが2枚持っていて、山には1枚だけ残っていました。

 柴田プロが17巡目にラス牌の東をツモって、暗刻にした手牌です。

 柴田プロが粘って東を切れば、井出プロに放銃です。東は初牌ですが暗刻になったので切りやすくなっています。

 柴田プロは少し悩んだ後、安全牌の7筒を外しました。

 この丁寧な対応が柴田プロの強さです。第22回モンド杯覇者でゲスト解説の渋谷ABEMAS・白鳥翔プロから「えらい」の声があがりました。

 寿人プロが17巡目に1索をツモ。リーチ・ピンフ・ツモ・ドラ1の1300、2600です。

 最終結果は滝沢33700、井出32200、柴田23000、寿人11100。

 井出プロはオーラスの執念の親満聴牌は実りませんでしたが、相性の良いモンド杯に復帰し、今後の活躍を期待させる粘り強い打ち回しでした。

 

 

 

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