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サーフィン打法の名手がメンゼン・ホンイツの四暗刻

 鳴き仕掛けを得意とするベテランが四暗刻を決めました。

 鳳凰戦3連覇などの実績がある日本プロ麻雀連盟の古川孝次プロです。

 第39期鳳凰戦A1リーグ第12節C卓1回戦で筒子のメンゼン・ホンイツの四暗刻をツモりました。

 古川プロは鳴き仕掛けを多用しながら、ぎりぎりのところで鮮やかに放銃を避ける「サーフィン打法」の名手として知られています。

 それだけにメンゼンで仕上げた一色手の四暗刻は珍しいです。

 1回戦はHIRO柴田プロ、前田直哉プロ、黒沢咲プロ、古川孝次プロの並び順。東1局1本場を迎え、持ち点は東家・HIRO柴田31500、南家・前田、西家・黒沢、北家・古川はいずれも29500です。

 古川プロの配牌。場風の東をトイツで持ち、筒子が好形です。

 筒子のホンイツを目指して古川プロ得意の鳴き仕掛けが見られるものと思っていました。

 ところが、親のHIRO柴田プロが中を暗刻で持ち、2巡目に早くもイーシャンテン。古川プロが動く前にリーチしそうでした。

 古川プロは1巡目に8筒、2巡目に5筒と筒子を続けてツモりました。

 2萬、6萬を続けて切り、筒子か索子の一色手を狙っているように他家に見せます。

 古川プロはさらに3巡目に東を引き入れ、暗刻にしました。

 仕掛ける前に自分でツモってしまいました。

 そして4巡目に7筒を暗刻にして南を切り、イーシャンテンです。

 筒子のツモの効き方が半端ないです。

 この南を前田プロが5巡目にポン。イーシャンテンになりました。

 古川プロは6巡目に4筒をツモり、受け入れが広くなりました。

 古川プロが得意の鳴き仕掛けできる牌は出てきません。メンゼンで高打点の手に育っています。

 HIRO柴田プロが8巡目に5索をツモって聴牌。4筒・7筒待ちでリーチしました。

 4筒・7筒は古川プロがごっそり持っていて、山には4筒が1枚だけ残っていました。

 リーチを受けた直後、古川プロが8巡目にツモったのは3筒。何を切って聴牌に取るかの選択です。

 4筒を切れば、あがりやすそうな6筒・8筒・9筒待ちに取れます。四暗刻の目はなくなるものの、リーチすればリーチ・ホンイツ・イーペーコー・東の跳満確定の手です。

 しかし、4筒を切ればHIRO柴田プロに放銃でした。

 古川プロはリーチに通っていない8筒を切り、3筒・4筒・5筒待ちで黙聴に構えました。

 3筒か5筒をツモれば四暗刻です。役満の可能性が十分あるので、やはりこちらの聴牌に取りたくなります。

 山には3筒が2枚、4筒と5筒が1枚残っていました。

 9巡目に3筒が1枚、前田プロに流れました。親のHIRO柴田プロにも通っていないので、オリに回って残しました。

 古川プロは9巡目に9筒をツモり、「4筒を切っていればあがっていた」と少し悔しそうな仕草を見せました。

 けれども、4筒を切っていたら放銃です。すれすれのところで避けています。メンゼンのサーフィン打法かもしれません。

 10巡目にツモったのが6筒です。古川プロはまたも残念そうにツモ切りしました。あがりを逃しまくったような気分だったかもしれません。

 黒沢プロが11巡目に3筒をツモりました。HIRO柴田プロのリーチ、古川プロの一色手に対応し、しっかりとガードを固めていたので、もちろん切りません。

 それでも古川プロに麻雀の神様はほほ笑みました。11巡目にツモったのが5筒。四暗刻で8000、16000(+1300)です。

 欲しい牌が他家から全く切られず、サーフィン打法の名手に追い風となりました。

 役満あがりのラス牌を引く古川プロの勝負強さを感じた一局でした。

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