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絶好調・軍師の際立つ胆力と鋭い構想力【Мリーグ】

 「軍師」ことEX風林火山・勝又健志プロがМリーグ2023-24レギュラーシーズンで絶好調です。

  昨年末までの個人ポイントは343.4で2位。個人MVPを371.2で1位のU-NEXT Pirates・鈴木優プロと争っています。

 軍師の強さの秘訣に際立つ胆力と鋭い構想力があると思います。

 その力を見事に発揮した象徴的な試合が2023年12月26日(火)のMリーグ2023-24レギュラーシーズン第115戦です。

 勝又プロは完璧な打ち回しでトップを獲得しました。

◎一色手に無筋のドラ猛プッシュ

 第115戦はBEAST Japanext・中田花奈プロ、EX風林火山・勝又健志プロ、赤坂ドリブンズ・浅見真紀プロ、渋谷ABEMAS・日向藍子プロの並び順。

 東1局から軍師が持ち味を発揮します。

 南家・勝又プロの配牌。ドラが2枚、赤ドラが1枚、役牌の發がトイツのチャンス手が入りました。

 勝又プロは1巡目に3筒をツモりました。

 2巡目に發をポン。勝負手なので南を切って目いっぱいに構えました。

 4巡目に六萬をツモり、早くもイーシャンテンです。

 5巡目に七萬を引き入れ、さらに好形になりました。

 オタ風の北、場風の東を鳴き、索子の一色手を進めていた西家・浅見プロは5巡目に1索を暗刻にしました。こちらもイーシャンテンです。

 浅見プロは7巡目に2索を重ね、5索を切って2索・7索のシャンポン待ちでいち早く聴牌しました。

 ホンイツ・トイトイ・東の満貫確定の手です。

 浅見プロから初めて索子が切られ、他家は警戒を強めました。

 その直後、中田プロが8巡目に7索をツモった手牌です。

 中田プロは7索をツモ切りたいところですが、浅見プロの5索の手出しに対応し、トイツの一萬を1枚外しました。

 我慢してぎりぎりのところで放銃を避けました。この守備力の高さが中田プロの長所です。

 一方、勝又プロは9巡目に五萬をチー。ドラの4索を切り、2筒・5筒待ちで聴牌しました。

 ドラ色のホンイツを進めていて、5索の余った下家の浅見プロに対し、無筋でドラの4索を猛プッシュ。軍師の際立つ胆力に魅せられました。

 勝負手のときは迷わず押しきる真骨頂です。

 勝又プロは10巡目に赤5筒をツモ。タンヤオ・ドラ1・赤ドラ2の2000、4000です。

 勝又プロの凄みを感じさせられた一局でした。

◎描いた通り進んだ字牌のドラ単騎待ち

 東4局に勝又プロは鋭い構想力で手を進め、絶妙な一撃を決めました。

 持ち点は西家・勝又31400、南家・中田25400、北家・浅見21800、東家・日向21400です。

 勝又プロの配牌。自風の西が暗刻でドラの南が1枚あります。

 1巡目にカンチャンの5索を引き入れ、9索を切りました。

 トップ目なので強引に索子の一色手に向かわず、西暗刻を活用してドラの南を切らずに手を進める道を選びました。

 南を重ねるのがベストで南単騎待ちもちろん想定しています。

 軍師らしい戦略的な手の進め方です。

 勝又プロは2巡目に4索、3巡目に北を引き入れ、ペンチャンターツの「8筒・9筒」を外しました。

 6巡目に2索を重ねました。安全牌の北を抱えたまま攻守のバランスを取りながら手を進めます。

 7巡目に他家の3人に通りそうな九萬をツモり、北と入れ替えました。

 一打一打が丁寧でよく練られています。

 勝又プロは8巡目に絶好の3索を引き入れ、イーシャンテンです。

 勝又プロは10巡目に二萬をツモり、ドラの南単騎待ちで聴牌。黙聴に構えました。

 巧みな打ち回しで思い描いた通りの聴牌にこぎ着けました。

 鳴き仕掛けをしていたラス目で親の日向プロが12巡目に6筒をツモり、3筒・4筒待ちで追いつきました。

 勝又プロは12巡目に3索をツモり、日向プロの現物の6索を切って入れ替えました。

 すると、筒子のホンイツの手を進めていた浅見プロが12巡目に浮いていた南を切って放銃。勝又プロは西・ドラ2の5200点です。

 勝又プロにとって効果的な加点となりました。

 勝又プロはオーラスの南4局1本場に南・發・ドラ1の3900点(+1300)をあがって、自ら決着をつけました。

 第115戦の結果は勝又43300、日向23900、中田18900、浅見13900。

 勝又プロはあがりは3回、放銃ゼロで完勝。胆力と構想力に魅せられた一戦でした。

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