【メモ】サッカーが面白い(漫才)

〈最近サッカーにハマってまして〉

「あぁ、わかるわかる。面白いねサッカー」

〈何が面白いかって、もうみんなね、上手〉

「ほんまそれ」

〈そうなんですよ。知ってます皆さん?サッカーは誰でもやったことあると思うんですけど、売れてる人らは上手さが全然違うんですよ〉

「運動神経が良いからね」

〈あ、なるほどな!そういうことか。サッカーが上手いとか以前に運動神経があるんか〉

「推測やけどね」

〈いや、確かにそれは納得やわ。言われてみれば身体つきも全然ちゃうもんな〉

「そうそう。もう生まれた時から体質に恵まれてんねん」

〈親に感謝してるんやろうなぁ…〉

「そうやろなぁ。サッカーに興味持ったきっかけはなんやったん?」

〈元々そんなに興味はなかってんけど、サッカー好きな人が周りに結構いて、いっつも楽しそうにしてるから、良いなぁと思って〉

「なるほどね」

〈おれが一番やってみたいと思ってんのが、試合をスタジアムに見に行って自分の応援してるチームがゴール決めた時に、皆で人さし指を天に向けてピョンピョン跳ねながら『おっおっおっおっ』って言うやつ〉

「あぁわかるわかる。これぞサッカーって感じな」

〈そうそう、あれがサッカーの醍醐味なんやろなぁ〉

「しかも、知ってる?」

〈え?〉

「あれさ、仲良い人らでやってるわけじゃなくて、あそこでたまたま近くにいた人同士でやってるんやって」

〈嘘やろ?〉

「マジでマジで」

〈普通、初対面の人の前で額より上に指上げれる?〉

「でもそこではそれが普通やから、むしろやらん方が恥ずかしい」

〈うわーそれはちょっとおれにはまだ出来ひんかもしれへんなー〉

「なんなら見終わったあと町に繰り出して、次はサッカー好きかどうかもわからん人と『おっおっおっおっ…』〉

「え!サッカー一緒に見てないのに?」

〈ていうより、サッカーは誰しもが見てるものと思ってるから〉

「なるほど」

〈さっきの試合の結果を知らない人なんていないと思ってるから〉

「そういうことかー。え、でもそれってゴール決めた時以外にやっていいん?」

〈いや、最初はそうやったかもしれへんけど最近はもうどうでもいいらしい〉

「あ、そうなんや」

〈もうあれをやるために見に行ってるようなもんやから〉

「なるほど、理由は何でもええねや」

〈そう。4,000円ぐらい安いもんや〉

「そういう世界なんやぁ。ちょっと今度勇気出して行ってみよかな」

〈あ、でもさっきも言った通り、みんながサッカーに詳しいもんやと思ってるから、結構勉強してから行ったほうがいいと思うで〉

「え、そうなん?」

〈もう、ちょっとでも基本的なところを知らんかったら“にわか”って言われてすぐ絶好されるから〉

「えぇー厳しい世界やなぁ」

〈生半可な気持ちでサッカー好きとか言うたら痛い目見るで。今どれぐらいサッカー知ってんの?〉

「あぁ…最近オフサイドは理解した」

〈いやもうベタ!〉

「ベタ?」

……続く


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