【コント】隣人の女(無料)

ピンポーン

ガチャ

「はい」

<あ、あのー、隣の者なんですけど…>

「あ、はい」

<あのー、肉じゃが…なんですけどね>

「あぁ、はい」

<作りすぎてませんか?>

「え?」

<えっと、あの、肉じゃが、、作りすぎてませんか?>

「…え、僕がですか?」

<はい>

「いや…作りすぎてないですね、、」

<あ、そうですか…>

「…というより、作ってないです、肉じゃが。。」

<あ、そうですか>

「はい…。・・・え、何で僕が肉じゃが作りすぎてると思ったんですか…?」

<いや、何か、肉じゃが食べたいなと思って…。で、もし作りすぎてたらもらえるかなぁと思って…>

「あ…そ、そうなんですか。すいません、なんか…。」

<いえいえ、こっちが勝手に思っただけですから>

「…。ご自分では、作らないんですか…?」

<作るわけないじゃないですか>

「え?」

<え、何で作ると思ったんですか?>

「あ、いや、、食べたいとおっしゃってたので…」

<作りませんよ>

「そう…ですよね。すいません。」

<気をつけて下さいね。>

「え、あ、はい。すいません。…あ、じゃあもし今度作りすぎたら持って行きますね、肉じゃが。。」

<本当ですか?ありがとうございます。
あ、でも、持ってきてもらうのは悪いんで、取りに来ますよ。電話もらえれば。>

「あ、そうですか。じゃあ電話番号教えてもらっていいですか?」

<いや、個人情報なので。>

「え?」

<まだそこまで信頼関係築けてないじゃないですか私たち。だから、そういうのはちょっと…。>

「あ、そうですよね。じゃあ、持って行きますね、出来たら」

<最初からそうして下さい。>

「え… あ、すいません」

<いえいえ、こっちこそごめんなさいね、あつかましくて。実は、あなたの前にこの部屋に住んでた人がいつも色々分けて下さってて、それで、つい、ね…。>

「あ、そうだったんですね。どういう方だったんですか?」

<優しい、おばあちゃん。80才くらいかな。おばあちゃんが作るご飯がすっごく美味しくって>

「へぇ、そうだったんですか」

<あなたが来る1ヶ月くらい前に亡くなってね。>

「えっ?この部屋でですか?」

<あれ?不動産屋さん教えてくれなかったの?>

「全っ然知らないです」

<あらそう。不動産屋さんはそういうのを知らせる義務があるのにねぇ。でもまぁ心配いらないと思いますよ。本当に優しい人だったから。>

「あぁそうですか」

<金縛りたいって欲求はないと思うから>

「あ、そうですか…」

<でも、酷い殺され方だったそうよ>

「えっ?殺されたんですか?おばあちゃん…?」

<ええ…。隣の家の人にね。>

「え?」

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