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BBTクローン再生計画(20)大人になったと感じた昭和の夏の日

誰にでも「大人になったことを実感した瞬間」というのがあると思います。
私にとってのそれは「スイカをまるまる一個買ったとき」でした。

あれは上京して杉並区の荻窪駅近くに住み始めた最初の年(昭和58年)の夏。
近所をブラブラ歩いていたときに、スイカの移動販売車に遭遇したんです。
軽トラの上に積まれたスイカはなんかすっごく美味しそうで、ふと気が付いたらもう一個購入していました。

アパートに帰って早速かぶりついたんですが、「それまでは家族で分け合って食べるモノだったスイカを1人で食べている」という状況に、私は「大人になった実感」を味わったのでした。

とはいえ「1人でまるまる一個、傷む前に完食する」というのはなかなかハードなミッションで、「やっぱスイカって家族で分け合って食べる為の果物なんだな」ということも私は実感したのでした。

画題「あのスイカの味は死ぬまで忘れないだろうなきっと」

スイカ


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