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「演劇は人を繋ぐ」熱き想いを持つ男たちの挑戦 〜アヴァンギャルド×コンプレックスにインタビュー 後編〜

9月に入り、涼しい日も増えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?秋といえば芸術の秋!ということで、10月に下北沢で旗揚げ公演「COUPLES 冬のサボテン」を行う演劇団体「アヴァンギャルド×コンプレックス」に取材させていただきました!

前編はこちら

後編では、今回旗揚げ公演を行う「下北沢」についてお話を伺ったり、役者としての今後
の展望もお聞きすることが出来ました!それではインタビュー後編、スタート!

しおりん:今回「COUPLES 冬のサボテン」が下北沢で上演されます。また、岩男さんは下北沢に縁があるとのことですが、何か今後アヴァンギャルド×コンプレックスで、下北沢や世田谷でご活動される予定や、やってみたいことはありますか?

岩男さん:あります。 下北沢って劇場の使用料が僕たちにとっては決して安くありません。でも、僕のこだわりで、足を運びやすくて、その土地に彩りのある場所が良くて。かつ地元、ということで下北沢というのが揺るぎないものとしてあるんです。
また、僕たちが定期的に行っている「HUB」というイベント(演劇で遊びながらほんのちょっぴり日常が豊かになるものを提供し続けているとの事。)があるのですが、それとはまた違う形で行いたいことがあって。演劇人だけではなく色んなアーティストが集まって「正直ギャラいくら貰ってる?」とか「それ、君が受けてるのはパワハラだよ。」みたいな普段いるカンパニーでは話づらい話題を、愚痴ではなく前向きに相談して助言しあえるお茶会みたいなものを下北沢で定期的にで開きたいですね。ゆるっと集まれる駆け込み寺みたいな。

しおりん:では、お二人は下北沢をどのようなまちだと考えていますか?

中西さん:僕は正直、ここ最近は没個性のまちになってしまっている気がします。

しおりん:えぇ〜!なぜですか?

中西さん:昔の下北沢って、もっと個性的な街だった気がするんですよ。でも、ここ7、8年前くらいからの下北は、ファッション誌を見てそれを真似て練り歩くだけのまちみたいになっちゃってる。それ本当にあなたの個性なの?って言いたくなるような人がたくさん集まっちゃってて。誰かに言われたからこれを着るんじゃなくて、こうありたいっ!ていうのがもっとあるまちの方がもっと魅力的だし、下北沢はまだその可能性があると思っています。

岩男さん:下北には良くないところと良いところの両方があると思ってて。下北の軽い感じが好きで来てる人ももちろんいて、それは良いんですけど、誰にでも触れやすくしたことによって、エッジとかが減っててるなぁっていうのは、ひしひしと感じています。 良いところは... これは、下北の商店街の人たちと結構仲良くなってきて、そのとき商店街の偉いおじさんが言ってたんですけど、「女性が『朝まで下北で呑んでた』と言っても、 大丈夫そうなニュアンスがある」と。なるほどなあと思いました。それは下北がここで何十年かかけて獲得してきたものであって。夜な夜な演劇人とか、バンドマンとかがいるけど、勧誘とか怪しい性的なものとはまた違った、文化的な匂いがすごく強いから、女性が朝まで飲んでいても違和感がないし、それはまちとしてすごく良いことだと思います。あとは、交通の便が良い(笑) 新宿、渋谷まで自転車ですぐ行ける。

りょうま:確かに交通の便も良いですし、夜遅くまで居ても安全そうなイメージがあります。それでは最後に、これから演劇をやっていく上でどんな役者で在りたいか教えて下さい。

岩男さん:僕は、家族が一番大事ですって胸を張って言える俳優になりたい。将来子どもに選択肢を持たせてあげるためには、正直お金を稼具必要もあります。でも僕は商社マンとかをやる能力はなく、結局これ(俳優、衣裳家)しか僕が誇れそうだなぁという能力はないので、だったらしっかりとその道で活躍できるようになりたいです。

中西さん:これ勘違いしないでくださいよ、有名政治家と同じレベルの影響を与えられる俳優になりたい(笑)。僕の一声で、救われる人が多くあってほしいし、そういう俳優になりたい。その一声っていうのが、例えば社会的な場で発言する一声なのかもしれないし、舞台上における一声なのかもしれない。その一声によって、多くの人がそのことに関心を持ってくれたら良いな、と思います。でもそのためには売れないといけない。あと話は変わるけど、俳優さんって一つの公演をやるごとに顔がどんどん変わるんですよ。それって僕の中での見解を言うと、表情筋の使い方がどの役でも違うから、どんどん顔が変わるんです。その上で「良いしわの入った俳優」になりたい、これも大きな目標です。

日本における演劇文化を変えたい、演劇で人をつなぎたい、演劇で人々を豊かにしたい、そのような強い想いを感じることのできる時間でした。その時間はまるで演劇を見せられているような時間でもありました!
下北沢発、熱い想いを持つ俳優集団の演劇は必見です!「胸を打つ演劇と出会ったことがない方」は是非、公演に足をお運びください。「演劇っておもしろい!!」そのように思えること間違いなしです!

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第一回公演 「COUPLES 冬のサボテン」


アヴァンギャルド×コンプレックス オフィシャルサイト


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