東京の”匿名性”と生きやすさ
「なんで上京しようと思ったの?」
就職活動中にそこそこ聞かれる質問でした。
私が大学進学にあたり上京することを選んだのは「そこに志望大学があるから」であり、そこまで東京に対するこだわりはないと思っていたのですが、
その反面東京に「漠然とした憧れ」があったので、その「憧れ」の正体を探ってみることにしました。
こうして考えてみた結論が、東京の”匿名性”です。
ここでいう”匿名性”というのは、「周りから自分の動向に干渉されないこと」を指します。
幼少期から私にとって親は「怖い存在」でした。
決して口答えしたり、反論したりしてはいけない存在。
そうした親の言うとおりに、真面目で良い子であることが私の生き方でした。小学校から始めた習い事も、中学校で入った部活も、高校も、大学も、全て「これを始めなかったら親に怒られる」、「ここに行けば親から褒められるのではないか」というマインドで選んできたような気がします。
そのためか、私は親から「えー、それ選ぶのアオらしくないね」とか、「そこ選ぶの意外。珍しいー。」と言われることがとっても苦手でした。
まるで「私らしさ」が親によって明確に決められているようでした。
こうした親の目を気にしてきた18年間を過ごしているうちに、「一人暮らしをして親から何も言われない、自分の好きなような暮らしをしたい」と思うようになりました。
また、高校時代までは田舎に住んでいたこともあり、ご近所さんに同級生のうわさがすぐ広がる環境でした。
「○○ちゃんは△△大学に行ったらしいよ。優秀やね。」
「☆☆先輩、お役所勤めらしいよ。あんたも公務員なれば?」
良いことも悪いことも、全て筒抜けの田舎。
私はどこか、親やご近所さんからの監視?の目から逃げたい気持ちがあったのかもしれません。
もちろん、東京には主要な交通網や建造物、施設などたくさんのもの・人が集まっているという魅力があります。
しかしながら、”監視の目”がないというのは私にとって大きな要素だったと思います。
実際に東京に住んでみると、単身世帯だとなおさらご近所づきあいは皆無。
すれ違う人は全員知らない人。
イオンで恋人とデートしてたら学年中に噂が広まっている…なんてことはあり得ません。笑
高校時代の私は、こうした東京の”匿名性”に惹かれて、どこか憧れを持っていたのかもしれません。
親と離れることで困ったことや初めて遭遇する苦労ももちろんありましたが、やっぱり私にとって東京は憩いの場。
人込みは苦手だけれど、「誰もがみんな自分の人生を生きるのに精いっぱい」で、「誰も私のことなんて気にしていない」。それぐらいのドライさが心地よいです。
今日も私は、”匿名性”の街 東京で生きています。
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