感情を表現する

以前フェイスブックで、『4月に入って、幼稚園が新しいクラスに変わってから子どもの夜泣きがひどい。子どもなりに新しい環境で昼間頑張っているからだろう。でも親も寝不足で参っている』と言う記事がありました。

きっと子どもも神経が高ぶって、眠いのに泣き止めない、親は泣き止まそうと思ってもどうしたら良いのかわからず、その泣き叫ぶ声に途方にくれているのでしょう。

4月の保育園・幼稚園でも、あちらこちらで泣き声が響き、子どもの対応に慣れている保育者でも気が滅入ることがあります。

夜泣きに悩まされている親御さんは多いのではないでしょうか。

夜泣きだけではなく、電車の中やレストランの中、家で子どもと2人きりの時などに、泣かれるとどうして良いかわからずに、スマートフォンで子どもが好きなアニメなどを見せておく・・ということも増えているようです。

泣いている原因がわかれば、それをなんとかすれば良いのですが、夜泣きのような原因がわからない場合が問題です。

「どうして泣いてるの?」「もう泣き止みなさい。」「泣くなら家に入れない。」

と、大人もどんどんその泣き声にイライラしてきて、怒り始める・・ということもあると思います。

子どもが泣いているとき、何か特別な理由が見当たらなければ、それは『ただ泣いている』だけなのです。

子どもの内に蓄積された負エネルギーを泣くことで放出している・・ということもあります。十分に泣き足りると、ケロッとして笑い始めたり、コテッと寝てしまったりします。昔から「泣いたカラスがもう笑った」と、子どものその様子を表す言葉もあるくらいです。

子どもは、感覚的です。

大人のように「〇〇に言われたことが悲しくて涙が出て来た」とか「△△がうまくいかなくて悔しくて泣いてるの」などという頭で考えた理由はないのです。

理由がわかると安心するのは、大人です。

それで「それは〇〇だから△△なのよ。わかった?だから泣き止もうね」と、子どもを説得にかかることが多いのではないでしょうか?

子どもが泣いているときは、「泣いてもいいよ」と泣かせておいても大丈夫。

「泣き止まないとだっこしないよ」とか「男の子がメソメソ泣かないの」などと言うことがありますが、それは“泣くことが良くない”という表現なので、子どもは “泣く”という衝動(感情)を無理に自分の中に押し込んでしまいます。

そして、その押し込んだエネルギーは、次のきっかけで爆発したり、奇声を発するという違う行動でそのエネルギーを出そうとしたりします。

“泣く”“笑う”“怒る”というような情動・感情を、十分に味わうことが大切です。十分に味わうことで情緒や情操という柔らかな心の状態を体験することができます。

大人も“悲しみ”“怒り”“不安”などの感情を押し殺さないことが大切です。

そうした感情は見ないように、触れないように、無表情にしている人を見かける事がありますが、もしかしたら過去の体験で「怒りを感じてはいけないんだ」「泣くことは良くないことだ」と、自分に言い聞かせているのかも知れません。

私も、子どもに大きな声で泣かれると“嫌だ”“静かにさせなければ”という嫌悪感のようなものが出て来る時がありました。

このような時は「あぁ、今子どもの声に反応して、イライラしているなぁ」と自分を客観的に観察し、その状態の自分を認めることが大切です。

“この子が泣くからイライラする”と思っている時が、一番上手く行かないものです。そして“イライラしている自分はいけない”と思うと、もっとイライラするか、落ち込みます。

だからと言ってすぐにイライラが消える訳ではありません。

そして、「イライラしている」という自分もそのままに、大きな声で泣く子もそのままにしていると、不思議とそのうち落ち着ついてきます。

何とかしなければいけないとしている時は、その状態が続くものです。

何もせず、そのままにすることの方が早いかもしれません。

本当に何もしない・・のではなく、その感情に“良い”とか“悪い”とかの意味をつけないという“あり方”のことなのです。どっしりと自分のことも子どものことも受け入れているという状態です。

ある時、子どもが泣いたときの嫌悪感がどこから来るのか気づいた事がありました。それは、子どもの頃母親によく「妹を泣かせるな」と言われていた事が関係していました。この言葉から「静かにしなくては、また怒られる」という風に思い込んでいたことがわかりました。

その事に気づいてからは、『大きな声で泣く』という場面でイライラや嫌悪感が出て来たら、それは過去からの体験で反応しているだけなのだと認識し、今ではほとんど出て来なくなりました。

このように、過去の体験から、今の出来事に反応しているだけという事もあるのです。

“悲しみ”“怒り”“不安”などの感情は、大人も子どもも人間ですから出て来るものです。それらの感情を味わうということが時には必要です。

テレビドラマや映画を観て、泣いてスッキリ…ということがあると思いますが、それは自分を重ねることによって、それらの感情を味わう機会になっているのだそうです。

子ども頃から、感情が出て来たその時に“泣く”“怒る”“笑う”を味わい、表現することが、健やかな育ちとなるのではないでしょうか。

“泣く”“怒る”“笑う”の感情を表現できる世界…それは、大人も子どもも心地良い世界なのだと思います。

http://www.new-edulittletree.com


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