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こびとのしわざ

わたしの夫は毎日大量にヨーグルトを食べる。ブルガリアヨーグルトのパックを、スーパーで毎回3・4個まとめ買いする。で、一日にだいたい、2/3ずつくらい食べる。

たまに買い物に行くタイミングを逃してヨーグルトを切らした時はたいへん。「あーヨーグルト食べたい。あーヨーグルト食べたい」と騒ぎ出す。ヨーグルトにありつくためだけに車を出すこともあるくらいだ。

ある日、夫婦で加入しているAUのポイントの交換のお知らせが届いた。景品紹介サイトを見るわたし。その中に見つけたよ。ヨーグルトメーカー!!

「ねえ、そんなに好きなら、家でヨーグルト作ってみなよ。これ、ちょうど溜まってるポイントでもらえるよ」
いつもは買い物に慎重な夫も、ポイント交換というむだ遣いリスクの低さからか、速攻で「いいね!」した。

で、うちにヨーグルトメーカーがやってきた。

作り方は簡単。種になるヨーグルト(小さいカップのやつ1つ)を、牛乳に入れてよーくかき混ぜ、器具に入れて8時間タイマーをかけるだけ。
ワクワクして、寝る前に1リットルの牛乳パックをセットした。

次の日。

なにこれすごい。

1リットルの牛乳が、1リットルのヨーグルトになってる!!

寝る前には確かに牛乳だったものが、一晩でおいしいデザートになったのだ。

なんていうか、それは、久しぶりにミラクルでワンダーな体験だった。


あのね。子供の頃、宿題がいっぱい出てイヤイヤやっている時、「寝ている間にどこかからこびとが出てきて、宿題をぜんぶやってくれないかな〜」って思ったこと、みんなあるでしょ? 朝起きて、ぱらっとノートをめくって、「わーお! ぜんぶ答え書いてくれてる! ありがとう!」って言いたいなって思ったでしょ?

あの気持ちよ。

けなげなヨーグルト菌が、一晩かかってがんばって、牛乳をヨーグルトにしてくれたんだよ。うちらがぐっすり寝ている間にせっせと働いてくれて、牛乳パックの上から下まで、すっかりヨーグルトに生まれ変わらせたんだよ。

感動した。


おいしいヨーグルトを食べられるのは、目に見えないこびとのしわざってことを、ヨーグルトを愛するすべての人は忘れてはいけない。


ーー

ここまで書いて思ったけど、ヨーグルトメーカーは、ヨーグルトを売っている会社にとっては、あまり嬉しくない品物ですよね。
あはは。
すみません、明治さん。

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