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ステージに立つ前に勝負は決まっている

おはようございます、チェリストの橋本專史です。


今回はプロチェリストの私がステージに立つ前にやるべきこと2つを紹介させていただきたいと思います。

アマチュアの方の役にも立つと思いますので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。


ちなみに私は現役でバリバリコンサートをしているチェロプレイヤーであると同時に、生徒数50名越えのチェロの先生でもあります。日々、Youtube.X等でチェリストの皆様の為になる情報を発信していますので是非チェックしてみてくださいね!

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それではいってみましょう!


1.テーマを決める


ステージに立って演奏するということは、お客さんに自分の考えを一方的に長時間喋り続けることと同じです。
普段のコミュニケーションでも相手が何の話をしているのか途中でわからなくなる経験、みなさんありますよね?

音楽も同じで1曲を通して、もっと大きい規模で言うと演奏会を通して自分は何を伝えたいのかをきっちり絞って演奏に臨まないと大変なことになります。

例えば僕が最近代々木上原ムジカーザで演奏したコンサートで意識したのは
「音の立ち上がりをとにかく早くして、リズムとテンポが聴き手に分かりやすいようにする」でした。

リズムは音楽を構成するメロディ、ハーモニーと共に大事な3大要素なんて言われていますので、リズムを徹底的に意識したらどんな風な演奏会になるのかなぁという実験でした。(これは僕の使っている楽器の味付けが割とまろやかで音が出るまでに時間が掛かるから、というのもあるんですが。)

結果としては、共演者とのリズム感の共有が出来たのと、メロディーが埋もれることがなくフレーズラインがより浮き立ったことで、上々な反応をお客さんからいただくことができました。

この方法が合ってる、合ってないではなく、ちゃんとスタンス=テーマを持って一貫性のある演奏をすればお客の反応もシンプルになりますし、次回同じ曲を演奏する時の基準にもなります。

とにかく上手に弾こう!とか思うと色んなアイデアを詰め込みすぎてしまい音楽が破綻してしまうのでテーマを決めることはおすすめです。


2.楽器のメンテナンスをする


これは当たり前のことだと思うかもしれませんが、実はとても深い。
楽器のメンテナンスというのは
①本番前に弦を変える
②弓の毛を張り替える
みなさんこんな所だろうと思っているでしょうが、甘いんです・・・・


昨年2023年、大御所のチェリストの億は下らない楽器を演奏させていただいたことがあったんです。その時に思ったのは

「うわっ、弓動かしただけで何も考えなくても音楽ができあがる。めちゃくちゃ卑怯じゃんかこの人!」

しかし実際はそうではなく、その方は何度も楽器を調整に出し、エンドピン、テールピースをわざわざ自分で海外から取り寄せ、試行錯誤してやっと自分の理想の楽器の音が完成したんだそうです。

その方の話を聞いて僕は
一流の演奏家は演奏会で椅子に座って音を出す瞬間までに、必ずブラボーをもらえる準備が出来ているんだなー」と悟りました。

どんなに自分がミスをしようが、練習の時間が取れていなくても、圧倒的なチェロの音色、響き。これが音を出すまでに出来上がっていれば確かに絶対に上手くいく。
そう、一流のプロは演奏だけではなく準備も超一流なのだと。

そんな体験の後、僕はすぐに自分の楽器を3カ月の大規模修繕に出しました笑

どういう風に変わったかはまた別の記事でお話しさせていただこうと思います。


まとめ


今回は本番前のプロの心構えを書かせていただきました。
春は発表会の季節、きっと本番を迎えるにあたり心の拠り所がない方がいらっしゃると思いこの記事を書かせていただきました。

是非、僕の実体験を元にした記事を皆様の素敵な音楽人生に役立てていただければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。














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