今更ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbowを見てきた。

彼女たちを見るのはこれで最後だと考えると、正直怖かったし、いつのまにか彼女たちを見届けることにネグレクトになっていた。
何しろ、僕が小さいころから大好きだった街に従来とはまた違った華やかさを加えてくれたどころか、地元民の僕さえ知らなかった沼津を見せてくれたのは確かだったし、本当に辛かったときに支えてくれたのは言わずもがなだからだ。

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上映が始まったら始まったで、とにかく彼女たちの嘲る姿がかわいくて仕方がなくて、もう彼女たちに会えないことに憶する心はいつのまにかどこかへ吹き飛んでしまっていた。
すがすがしいほどド天然な千歌ちゃんだとか、何でもおいしそうに食べる花丸ちゃんだとか、曜ちゃんの月ちゃんとのデートを目撃してあわあわする1年生だとか、それを尾行していくみんなのどん臭さだとか、普段はクールでサバサバしてるけど、ホントは千歌ちゃんのことが大好きで仕方ない曜ちゃんだとか、もう1人でも大丈夫だけど、やっぱりお姉ちゃんが恋しいルビィちゃんだとか、堕天使ヨハネに化した善子ちゃんに何だかんだかまってあげる梨子ちゃんだとか、
(いやもう書ききれない。。。。。)
とにかく見ているこっちが疲れちゃうぐらい愛おしくて、ただひたすらに尊かった。


かくように本編とは変わらない日常をトレースするも、どうしても遺恨を消化できず、聖良姉さまとのSaint Snowに固執するあまり、うまく再スタートを切れない理亞ちゃんのために、ラブライブ決勝延長戦と称して両グループだけのライブをする展開はあまりにも熱かった。無名時代から共闘し高めあうも本戦で叶わなかったしかるべき決勝カードをやってくれたんだと思うと、思わず涙腺が緩んでしまった。
最推しなので贔屓目に見てしまうが、やはりそれにはルビィちゃんの主体的な行動がどうしても追随するように感じる。
理亞ちゃんをめげずになだめ、寄り添おうとしたり、聖良さんの意向を否定してまで理亞ちゃんのためを考えたり、ときには彼女らしくなくとも、心を鬼にして、ラブライブは遊びじゃないと逆に叱咤したり.............
またこれらも本編と変わりない、ライバルとしてだけでなく、互いに姉を持ちそれを慕うものとして、共感し、依拠せず自立しようと励まそうとする姿には再三心を打たれてしまった。
(あ~~~~もうダイヤお姉さんルビィさんを僕にくだs(昇天))


ところで、最後に三津浜で談笑していた彼女らは、一体誰だったのだろう。調べるところによると、どうやらその2人が入学希望者の最後の二枠を埋めるべき存在だったらしい。彼女らは確かにAqoursに感銘し、その意思を継いでいこうとしたが、その穴を埋めるまでに至らなかったと感じると、むなしさと悲しさで今まで溜まった感情がこみ上げ、思わず涙してしまった。


すんなり彼女たちを見届けられたのは確かだが、やっぱり6人、否、9人の未来をもっと見たいなと感じた。だが最早彼女たちの今後を知り得、伝えうる人はもういない。後続シリーズでどれほど彼女たちの軌跡が踏襲されようとも、彼女らの声を聴くことはもうないし、あくまで時の人として描かれるからだ。

だが、廃校になれども浦の星女学院たる学校名をラブライブを通して遺したことや、
彼女たちの次世代のスクールアイドルたちにAqoursの価値観が再生産されること、
また、現実世界においても彼女たちが沼津にまた新たな色を足し、にぎやかにしてくれたことは、
どんなに忘れられて廃れていっても、それが昔栄えた僕の大好きな街の新たな「夢のあと」に帰属していくことには変わりない。両世界においても、彼女たちの軌跡が次世代の人たちによって咀嚼され、また新たに歴史が紡がれていく.............

千歌ちゃんが飛ばした紙飛行機。
それは、ようちかちゃんと、まだ2人が知り得なかった梨子ちゃん、そして1年生、3年生の、幼いころから決まっていた必然的な運命を示唆するものであり、
それは、決して一筋縄にはいかず、時には残酷で、どうしようもない宿命を意味するものだった。

だが彼女たちは、どんなにくじかれてしまったって、どんなに上手くいかなくたって、他にはない「絶対来る」「その日」を目指してあきらめなかったのだ。

この先Aqoursがなくなってしまったって、彼女たちがバラバラになってしまったって、浦の星女学院スクールアイドル部の活動だけでは収まりきらない彼女たちの固い絆がある限り、紙飛行機は飛び続けるであろう。

まだここにはない、何よりも彼女たちを照らし出す輝きを求めて.............