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全ての音楽は完全に向かう

少し前から楽典の勉強を始めて(といってもつらつら本を読んで演習してるだけ)やっと「音程」までたどり着いた。
ここからが本当に楽典らしいところ、なんだけど。
もう嫌になっている。

まず、音程の言葉の定義と度数の説明。
ま、これはいい。難しくないから。
次にすぐ「種類」がくる。

これだけでは何を言ってるのかなんとも…

そして有名なこの図。

超有名、絶対覚えろって書いてある

このあとは、様々な2音間が何度なのかという解説と、演習が延々と。

いや、待てぃ!
まず、「長・短」についての説明が一行もない。
「長・短」の意味って楽典の本を開く前に知ってる前提なの?
それとも音楽家には自明のこと?
私は他の本を読んでてなんとな~く知ってたけど、全くの初学だったらここで早くも躓いてしまう。

で、機械的に上の図に音を当てはめて、完全コースだとか増何度だとか判定していくんだけど。
これには何の意味が?と、また止まる。
増だの重減だのがわかることは何に繋がるの?
その説明も一行もない。
それも自明?(2回目)

たとえば。
底辺×高さ÷2で三角形の面積を求めるときに、その公式だけ覚えさせるようなことはしないじゃん。
どうしてその公式で導き出せるのかがその肝で、なんだったらその前段の四角形や平行四辺形の面積の求め方が土台にあるから三角形にたどり着けるわけで。
いきなりこの図を覚えて当てはめていきましょう、みたいな学び方(教え方)に嫌気がさしてしまう。

全体像や目的がわからないままやらされるのはとっても苦痛なんだよね。
図は確かに便利だよ、わかりやすいし。
でもどうしてこの図になったのか、これがどこにたどり着くのか、説明はない。
で、嫌になってしまった。

かといって、このまま放っておくのも耐え難く、本を少し先に進んで「音階」を見たらわかった。
音程関係が理解できていないと音階がわからないのだった。

そしてそのまま最後までざっくりと読んで、私にはこの本は合わなそうだなと思った。
というより、私がまだそのレベルにない。
難しいというより、概論みたいなもので大枠をつかんでいないと、現在地がわからず足が止まってしまう。
楽典に概論があるのか知らんけど。

そもそも楽典を学ぶ意味、みたいなものを探っていたとき、ある一文に出会った。

「すべての音楽は完全に向かう」

とても、とは言い難いけど、でも納得できた。
「音楽とは」で定義される言葉ってたくさんあるけど、私の中で一番感動したのが「完全に向かう流れ」という定義。
そんなこと考えたこともなかった。
そして、そこを掘っていくと神学やギリシャ音楽理論にまでたどり着く。
音楽史はざっくり勉強したけど、その大元の深いところから始まってた話だった。


どんな勉強もそうなんだけど、「そういうもの」としてまるっと覚えることができない。
「どうしてそう言えるのか」という大元のところから紐解いていかないとモヤモヤして受け入れられない。
公式だって、公式そのものより成り立ちを理解したほうが使える、と思うんだけど。

この本はいったん棚上げかな。
また本を探そう。





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