嫌われ者

さっき唐突に頭に浮かんだ

「私嫌われてた」

幼少期、青年期、成人期
いつでもどこでも

嫌われていることには
薄々気づいていたが
自分の想像をはるかに超えて
嫌われ馬鹿にされていた

誰に何を言われたわけではなく
1人で料理をしていたときに急に降ってきた

思ったというより分かったという感覚だった

意識はすぐさま過去へ
あの時もこの時もと
走馬灯と共に
答え合わせが始まる

恥ずかしさと寂しさが一気に押し寄せる

いや、でも待て

そもそもお前は他人に興味ないやん
人間嫌いじゃん
脳内ツッコミが炸裂した

たしかにそうだ

そう考えると
嫌われていたのではなく
正しくは嫌い合っていた

そして
きっと先に嫌ったのは私の方だ
人を人としてみていなかったのだから

自分が捨てたものに
縋りついていたなんて
滑稽である

「捨てられたんじゃなくて捨てたの」
強がりな女が言いそうなセリフを全力で吐いた

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